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2007年03月 アーカイブ

2007年03月01日

これには心底驚いた

今日British J Medicineを読んでいて以下のassayみたいなものを見つけてびっくりしました。
Doubts over head injury studies -- Roberts et al. 334 (7590): 392 -- BMJ

Managing suspected research misconduct -- Young and Godlee 334 (7590): 378 -- BMJ


2000年から2002年にかけて発表された以下の3篇の論文の元になる臨床治験が実際には行われていなかったのではないかという疑惑に関する文章です。

Cruz C, Minoja G, Okuchi K. Improving clinical outcomes from acute subdural hematomas with emergency preoperative administration of high doses of mannitol: a randomized trial. Neurosurgery 2001;49:864-7
(PubMed)

Cruz C, Minoja G, Okuchi K. Major clinical and physiological benefits of early high doses of mannitol for intraparenchymal temporal lobe hemorrhages with abnormal pupilary widening. Neurosurgery 2002;51:628-38
(PubMed)

Cruz J, Minoja G, Okuchi K, Facco E. Successful use of the new high-dose mannitol treatment in patients with Glasgow coma scores of 3 and bilateral abnormal pupillary widening: a randomized trial. J Neurosurg 2004;100:376-83
(PubMed)

論文の第一著者のCruz氏は2005年に自殺してしまい、他の著者Minoja氏と Okuchi氏はBJMの問い合わせに対して自分たちは何も知らないという返事をしたとのことです。

ここで問題になっているのは、頭部外傷患者にmannitolを投与する場合にhigh dose(おおむね1.4 g/kg)投与する治療とlow dose (おおむね0.7 g/kg)投与する治療法ではhigh doseの投与が患者の予後を有意に改善すると報告です。
本人が死んでいて研究の記録などは残っていず、客観的にもこのような治験が行われたという証拠がないのだそうです。
Cochrane databaseでは当初これらの論文を採択していましたが、途中で解析対象から除外したそうです。
ここまで来るとどうしようもないですね。共著者の人の責任はあると思うのですが..

最近
PLoS Medicine - When Should Potentially False Research Findings Be Considered Acceptable?
assayを読んだのですが、これはdataは実在して捏造などされていないことを前提とした考察ですからね。

良い査読者の条件

集中治療学会ですが、当直です。明日も留守番です。
今日は早々に手術が終わりました。いつも学会で症例に制限がかかっていても趣旨を理解せず無理に長い手術をしたりする科があるものですが今日は、ほぼ各科時間通りに終了してくれました。
いつもこうだと仕事がはかどります。

PLoS Medicine - The Relationship of Previous Training and Experience of Journal Peer Reviewers to Subsequent Review Quality
という論文を紹介します。

PLoS Medicineからです。

学術雑誌には査読という制度があります。
どの雑誌でも、投稿された論文はeditorの差配のもと専門家による査読(review)を経て、掲載の可否が決まり首尾よくいけば出版されます。

優れた論文が世の中に出ていくためには、よいreviewが必要なのですが、reviewはreviewerという人間あってのものですから事情は複雑です。reviewerが投稿した論文のauthorと何らかの利害関係があるような場合には科学的によいreviewは期待できないだろうし、そもそもreviewerにしっかりとした能力がないとreviewが成立しません。特にその分野の専門家でもないのに安易に査読を引き受け投稿された論文の参考文献をdownloadして、その分野の知識を得た後reviewをはじめるreviewerなど不適切なreviewerと言えると思います。
つまりreviewerがいてreviewがあるわけですから雑誌のeditorは良いreviewerを見分けてそこに査読を依頼しないといけません。ではどういう人がよいreviewerなのだろうかという問題がこの論文で論じられています。

大学病院の医師であることまた年齢が若いこと(正確には、トレーニング終了10年以内)が良いreviewerの条件であるという結論が出てきています。


Annals of Emergency Medicineという救急医療関係の臨床雑誌の査読について検討が加えられました。この雑誌は、査読者に対して、著者または著者の所属がblindになっています。
15年間にわたって、査読者の査読にeditorが6項目の観点から5段階のratingをします。
査読者のに関する変数はtableの様なアンケートで集めます。

検討は、査読者の変数と査読のratingの間で統計的に行われました。
結果として、大学病院の医師であることまた年齢が若いこと(正確には、トレーニング終了10年以内)が良いreviewerの条件であるということが浮かび上がってきたというわけです。

日本人にはこれに加えて英語の要素が加わります。英文雑誌だと思っていたら日本語でreview commentが書いてあるのには閉口しました。何とかなりませんかね。日本語でこの論文の英文には特に問題がないというようなコメントが書いてあるのだから困ったものです。

やけどの深さと免疫能

Innate response to self-antigen significantly exacerbates burn wound depth -- Suber et al., 10.1073/pnas.0609026104 -- Proceedings of the National Academy of Sciences

これはおもしろい論文です。しっかり読んで紹介します。

過ぎたるはなお及ばざる如し

JAMA -- Abstract: Mortality in Randomized Trials of Antioxidant Supplements for Primary and Secondary Prevention: Systematic Review and Meta-analysis, February 28, 2007, Bjelakovic et al. 297 (8): 842

JAMAからです。

活性酸素が様々な疾患の病態生理に深く関わっているという実験的な証拠があり、抗酸化剤と云われる一連の物質を用いすくなくとも細胞レベルでは様々な原因で引き起こされる細胞死を防ぐことが可能であることが明らかになっています。活性酸素が関与する疾患の範囲は、がん、変性疾患のみならず糖尿病、喘息などにまで広がっています。
考えたら当然な話で活性酸素というのは生理的、病態生理的な細胞内、細胞間のシグナル伝達に深く関わっているのです。身体の中で起こっていることで活性酸素に関係のない事を探すのが難しいのです。
この論文は、ベータカロチン、ビタミンA、ビタミンEの摂取は寿命を延ばすどころか縮める事もあるということを示したもので、ビタミンCにしても寿命を延ばすなども認められないということも合わせて示しています。
活性酸素の体内ので作用を考えれば十分に予想された結果とも言えます。

世の中にはこのようなサプリメントの投与でアンチエイジングを実現できると考えている医者もいるようなのですが、ちょっとぼくにはよく解りませんね。

2007年03月02日

Flavor of Life

昨日の当直、結局寝たのは午前5時で7時に起きて今日一日麻酔してました。つらい。
にもかかわらず京都大学-広報・刊行物/広報・刊行物 京大広報によればいつの間にかぼくの給料は下がることが決まってたようです。

こういう景気の悪い話はやめにします。

iTunes storeで宇多田ヒカルの”Flavor of Life”の発売が始まっていました。
ほとんどテレビを見ませんが、娘と家内は、この曲が終わり頃に流れるテレビドラマの熱心な視聴者です。HDに撮り溜めてあったのをこの前見ましたが、タイミング良くこの曲が流れてきてくだらないドラマだと分かっていても結構感動します。

先日はpromotion videoをcable TVで見ました。これがなかなか良くできています。
youtubeのものは削除されてますが、

で3/8までやっているようです。

一曲で一冊の本を読んだ以上の影響を及ぼすことのできる音楽家というのもこれは希有な存在なのだと思います。
15歳でmajor debutしたときから体型以外はほとんど変わっていないと云えば変わっていないともいえ無くないのですがやはり天才なのでしょうね。

ちなみにぼくも’ヒッキー’です。だって広X 喜Yだから名前が。

鬼束ちひろも復活するそうで安心しました。

2007年03月03日

今週の一押し2007-#10:"古武術介護入門"

古武術介護入門[DVD付](古の身体技法をヒントに新しい身体介助法を提案する)

医療がサイエンスがアートかという、不毛な議論があります。このような問題をことさら立てようとする人はサイエンスにもアートにもまともに取り組んだことがないのではないかと思えます。
今週の一押しは岡田 慎一郎の介護法に関する著書です。
週刊医学会新聞で以前連載されていました(連載は ここからリンクされています)。
原理というか考え方と実践に分けて丁寧に解説されていて大変タメになります。

神戸での集中治療学会ですが甲野善紀さんの講演は聴きに行きたかったな..

2007年03月06日

これはおもしろいかも

p53-induced inhibition of Hif-1 causes cardiac dysfunction during pressure overload : Nature

新聞に出てたそうです。
HIF-1から見たらとくに新規なことはないのですが拍動している心臓での活性化と沈静化のtime couseなど興味深いdataがあると思います。
p53との関わりとかいろいろ考えさせてくれるところもありNatureの論文になっているのだと思います。p53の抑制が重要なのかHIF-1の活性化が重要なのかとかいろいろ今後も出てくるのだと思います。
HIF-1だけ活性化する方法はいくつもあるのだからそっちで十分ならそれでいいわけだし

2007年03月09日

病院発表

京都大学-お知らせ/ニュースリリース 2007年3月9日 医学部附属病院心臓血管外科における手術の自粛について

2007年03月10日

日本分子イメージング学会総会・学術集会のご案内

学会の紹介をします。
おもしろそうですね。

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第2回 日本分子イメージング学会総会・学術集会のご案内

第2回・日本分子イメージング学会総会・学術集会を下記のごとく開催致します。
現在抄録・事前登録受付中です。多数のご参加を心よりお待ち申し上げます。

日時 2007年6月28日(木)~29日(金)
場所 福井フェニックスプラザ
大会長 藤林靖久
抄録受付締切 3月16日
事前登録締切 5月下旬 予定
演題登録はホームページを用いたオンライン登録です。

概要 米国NIHより国立生物医学イメージング生体工学研究所のディレクター
のPettigrew博士による特別講演を始め、米国・欧州より分子イメージング各分野の

導者が集結し、シンポジウムを行います。国内からも、最先端医学とイメージングと
題し、再生医学や腫瘍研究の第一人者による講演が行われます。

特別講演: 「Present status and Future of NIBIB」Dr. Roderic I. Pettigrew,
Director, NIBIB

シンポジウム1:「欧米における分子イメージングの現状と展望」
Dr. Juri G Gelovani, University of Texas M.D. Anderson Cancer
Center
Dr. Timothy J. McCarthy, Director, Global Clinical Technolgy,
Pfizer Inc.
Dr. Hisataka Kobayashi, Chief Staff Scientist, Molecular Imaging
Program/Center for Cancer Research, NIH
Dr. Jean-Luc Coll, Professor and Director, Universite Joseph
Fourier, GRCP-Inst.

シンポジウム2:「最先端医学とイメージング」
岡野 栄之 先生(慶応義塾大学 医学部生理学教室教授)
落谷 孝広 先生(国立がんセンター研究所・がん転移研究室室長)
小林 英司 先生(自治医科大学 実験医学センター センター長)
武田 徹 先生(筑波大学 人間総合科学研究科講師)

詳細:
http://www.molecularimaging.jp/news/2nd_meeting.html
入会・参加申し込み:
http://www.molecularimaging.jp/

学会事務局:〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
福井大学高エネルギー医学研究センター
Tel: 0776-61-8430 Fax: 0776-61-8170
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今週の一押し2007-#11:"血にコクリコの花咲けば―ある人生の記録"


血にコクリコの花咲けば―ある人生の記録


森嶋通夫さん(参照)という経済学者がいましたが、自伝を3冊出版しています。
本書と
智にはたらけば角が立つ―ある人生の記録
終わりよければすべてよし―ある人生の記録
です。
以前に紹介したことがあります。(参照

今日書店でこのうちの一冊が文庫本になっているのを発見しました。

森嶋氏のこの一連の自伝、本人はメモワールと位置づけていますが、は痛快な読後感を残します。

第一部ではそうでもないのですが、第二部、三部と進むに従って、京都大学、大阪大学の同僚、学会の重鎮までもめった切りにされています。
大体彼の批判の対象になるのはintegrityに欠ける人と彼が判断した人なのですが湯川秀樹夫妻までもが人間性の低さ故に俎上に載せられているという具合なのでなかなか読み応えがあるわけです。

今回を皮切りに残り二冊も文庫本化されるでしょうからこれは皆さん一度は読んだ方がいいですよ。

2007年03月11日

Erythropoiesis-Stimulating Agents

FDA Strengthens Safety Information for Erythropoiesis-Stimulating Agents (ESAs)

ertythropoietinは腎不全患者などの貧血の進行の防止の為に使用されていますが、FDAから乱用に注意を促す勧告が出ています。
腎不全患者に使用すると死亡率、血栓形成、脳梗塞、心血管イベントの頻度が上昇するばかりか頭頚部癌の進行を早める鹿瀬医があるとのこと。
EPOの生理的な作用を考えたら当然とも言えるのですが臨床治験でこういったことが示されるというのは重要事だと思います。

insulinなども腫瘍の増殖を誘導する作用はあります。こちらはどうなんだろう。

2007年03月13日

COがHIF-1を活性化する

Hypoxia-inducible factor 1{alpha} stabilization by carbon monoxide results in cytoprotective preconditioning -- Chin et al., 10.1073/pnas.0609611104 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
Carbon monoxide (CO)のHIF-1への影響は、HIF-1研究の初期から調べられていて従来COはHIF-1の低酸素誘導性の活性化を抑制するという報告があった。
Inhibition of Hypoxia-inducible Factor 1 Activation by Carbon Monoxide and Nitric Oxide. IMPLICATIONS FOR OXYGEN SENSING AND SIGNALING -- Huang et al. 274 (13): 9038 -- Journal of Biological Chemistry

Carbon Monoxide and Nitric Oxide Suppress the Hypoxic Induction of Vascular Endothelial Growth Factor Gene via the 5' Enhancer -- Liu et al. 273 (24): 15257 -- Journal of Biological Chemistry
などである。
今回の報告はこれらの報告と一見正反対なことを主張している。
使用している細胞などが異なることは事実だが差の由来は正確には分からない。
今回の報告にによればHIF-1-HO-CO-HIF-1のpositive feed back loopが存在することになる。HIF-1を人為的に活性化させればpreconditioningが成立するというわけである。

nitric oxide(NO)でも似たような事情が存在する。NOの場合もHIF-1の活性化をもたらすという報告と阻害するという報告両方が存在するのである。

このようなガス状分子の効果にミトコンドリアからの活性酸素種の発生を絡めるとなんかよく解らんがキツネにつままれたような論文ができてくる。

不思議ですね。

「情報の非対称性」

経済学の概念に「情報の非対称性」というものがあります。
wikipedia(参照 on Wikipedia)によれば


-情報の非対称性を最初に指摘したのは、アメリカの理論経済学者ケネス・アローである。アローは1963年にアメリカの経済学会誌「アメリカン・エコノミック・レビュー」において「Uncertainty and the Welfare Economics of Medical Care(不確実性と医療の厚生経済学)」という論文を発表し、医者と患者との間にある情報の非対称性が、医療保険の効率的運用を阻害するという現象を指摘した。-

のだそうです。

いくら患者さんに医療内容を説明しようとも、原理的にこの非対称性を越えることは難しいです。
医師であってもこと自分や家族の病気に直面すれば冷静に対処することは難しく、素人のように病状の変化に一喜一憂する場合もあると思います。

このような状況下では、「逆選択」(参照 on wikipedia)と呼ばれるような現象が起こりうることが知られています。つまり


-情報の非対称性が存在する状況では、情報優位者(保持している情報量が多い取引主体)は情報劣位者(保持している情報量が少ない取引主体)の無知につけ込み、劣悪な財やサービスを良質な財やサービスと称して提供しようとするインセンティブが働く。
そのため、情報劣位者が良質な財やサービスを選択しようとしても、結果的にはその逆の選択が行われてしまう。このような、取引前に行われる機会主義的行動(モラルに制約されない利己的な行動)が、逆選抜である。逆選抜は逆選択とも呼ばれる-

というような状態です。

昨今の医療問題の報道で明らかなように日本のTVや新聞などのマスコミは日本で実際に行われている医療がどういうものなのかを良く理解しているとはいえません。このような、人たちは、情報の過供給者から得た情報を一方的に報道する場合があると思います。頻繁に記者会見を開き、TVカメラの前に出現する人間の情報を優先的に場合によってはそれのみが「真実」であるかのように報道する傾向があります。それを知って情報の優位者はある種の悪意を持って情報を過提供しているかも知れないのです。
世の中の多くの人とくに情報劣位者は、過剰に提供される情報を批判的に解釈できませんのでこれまた情報の劣位者であるマスコミが報道する事を結果として信じてしまうということが起こり得ます。

医療をめぐる状況はこのような情報の非対称性が何重にもめぐらされたに置かれています。

怖いですね。まったく。

悪口をいわれているようだ

普段は、テレビも見ないし新聞も手術室の毎日新聞しか読まないので知らなかったのですが、どうもぼくらは悪口を言われたり書かれたりしているそうですね。

いろんな人が心配して教えてくれます。

どうしたらいいんでしょう。
真相をぶちまけるとかそうしたらよいのかな。

2007年03月14日

見習うべき

Transcriptional upregulation of ipas gene expression by HIF-1: A negative feedback regulatory circuit in HIF-1-mediated signaling in hypoxic cells -- Makino et al., 10.1074/jbc.M700732200 -- Journal of Biological Chemistry
すごい実験量。
しっかりとした解析。
見習うべきですね。

2007年03月15日

後に生まれた方が..

Birth order of twins and risk of perinatal death related to delivery in England, Northern Ireland, and Wales, 1994-2003: retrospective cohort study -- Smith et al., 10.1136/bmj.39118.483819.55 -- BMJ

こういった事ってあるんだ。

2007年03月16日

ハーバード大学では

Harvard sweetens reward for doctors who teach - The Boston Globe

Harvard, hospitals to double pay for doctors who teach - CNN.com

Harvard大学とその関連の病院で、教育に関わる医師の給与を約二倍するという報道です。(教育に関する部分の給与を)だと思うのですが..

日本と米国では給与の体系が異なるので単純な比較はできませんが、とにかくぼくの給与が上がればぼくはそれで満足です。

2007年03月17日

余計なお世話だ

睡眠調査:休日寝過ぎると…不眠やうつに−−久留米大−健康:MSN毎日インタラクティブ
休みの日に寝過ぎて何が悪いのだ。余計なお世話です。

SOS-KANTO

Cardiopulmonary resuscitation by bystanders with chest compression only (SOS-KANTO): an observational study; The Lancet

日本大学の先生が主導した4000人規模の治験の結果です。
out-of-hospital cardiac arrest の患者に
cardiac-only resuscitation from bystanders
conventional CPR
no bystander CPR
が施されました。
一番成績の良かったのはcardiac-only resuscitation from bystandersだったという報告です。
とにかく心臓を押し続けるのが良いのかもという結果なのでしょうか。


2007年03月18日

今週の一押し2007-#12:"サイエンス・ライティング入門"

サイエンス・ライティング入門
今回は
スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術
を紹介しようと思ったのですが一回飛ばしにします。

論文の書き方の指南本ではありません。
あくまでサイエンス・ライティングの入門書です。
主に日本経済新聞に発表された科学関係(生物学から物理学、工学)の記事を教材によりよいサイエンス・ライティングとはどういったものかを論じた本です。
今までに読んだことのないたぐいの本で非常に役に立つと思いました。
とくに学会の抄録などを書く場合に非常に参考になると思います。

論文を書いてみよう!
と比較しても、目指すものが違うので甲乙つけがたいとしかいいようがありません。

偶然図書館で見つけ借りたのですが、値段も良心的であり早速amazonで注文しました。
京大生協にはあると思いますが多分一般の書店には置いてないのでは。
出版社はナカニシ出版です。懐かしく思う人もたくさんいると思います。

何をいまさら

「注射1人で出来ない」看護師学校の過半数で8割超す : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
看護師に限ったことではないと思いますけど。
ぼくも卒業したての時は、点滴も心臓マッサージも”一人で”できませんでした。

2007年03月19日

想像の外

Extracellular heat shock protein-90[alpha]: linking hypoxia to skin cell motility and wound healing
この論文には驚きました。
こんなことがあるのですね。
いろんなstoryがHIF-1の周辺に展開していますが、多くは、想像の範囲内収まっているのですが、これはぼくには思いつきもしないような話です。

2007年03月21日

論文出てました

Comparison of continuous intraarterial blood gas analysis and transcutaneous monitoring to measure oxygen partial pressure during one-lung ventilation - Journal Article

出てました。

今や使われなくなってしまったパラドレンドと経皮酸素分圧モニターを比較した報告です。
菊池くんは、このとき一年目の研修医として麻酔科を廻ってきてくれていた先生です。

論文がでます

以前勤務していた大阪の北野病院(参照)で関わった研究の成果をまとめた論文が掲載受理されました。

"Exhaled carbon monoxide levels change in relation to inspired oxygen fraction during
general anesthesia Takehiko Adachi, Kiichi Hirota, Tomoko Hara, Yukiko Sasaki and Yasufumi Hara Anesthesia and Analgesia, in press"

これはとても興味深い現象です。足立先生がデータを取っていて見つけました。
呼気中のCOを測定して何かの指標にしようとする場合、絶対に考慮する必要のある現象です。
機序なども考えると結構奥深いものがあると思います。

この研究は日本学術振興会の科学研究費をもらって遂行したものです。北野病院に在籍している医師は北野病院に在籍したまま科研費に応募できるという特典があります。
すごいでしょう。

Abstract

Background: Heme oxygenase produces carbon monoxide (CO) during the breakdown of heme molecules. A variety of stressors are known to upregulate this enzymatic activity and can increase exhaled CO levels. Recently, exhaled CO levels have been reported to increase in critically ill patients and after anesthesia and surgery. To use this measurement during mechanical ventilation, it is important to clarify the effects of factors which interfere with exhaled CO levels. The fraction of inspired oxygen (FiO2) is often changed during artificial ventilation. To investigate the effect of changes of FiO2 on exhaled CO, we measured exhaled CO levels during general anesthesia. Methods: Thirty patients who underwent elective operation were enrolled in this study. Anesthesia was maintained with sevoflurane and fentanyl. All patients were intubated and ventilated with a non-rebreathing ventilator. Exhaled CO levels were measured in gas sampled from the expired limb of the respiration circuit using a CO monitor. The effects of sequential changes of FiO2 on exhaled CO levels, and the effects of long-term inhalation of FiO2 0.75 and FiO2 0.35 on exhaled CO levels and arterial carboxyhemoglobin (COHb) concentrations were investigated. Results: Exhaled CO levels changed rapidly in response to changes of FiO2. Long-term inhalation of FiO2 0.75 initially increased and then gradually decreased exhaled CO to basal levels, concomitant with a decrease of arterial COHb. Long-term inhalation of FiO2 0.35 did not elicit any significant change in the observed parameters. Conclusion: When monitoring exhaled CO levels during mechanical ventilation, it is important to consider the effects of FiO2.

2007年03月26日

夜が静かになる季節

ここ数日、いろんな作業をしていてなかなか時間がとれませんでした。

急に暖かくなって良かったことに一つに研究室のエアコンをストップできることがあります。
モーターの音が集中しようとすると結構耳につきます。

この時期エアコンを止めると夜遅くは部屋は静かで集中できます。一年うちそう長くない貴重な季節です。


2007年03月29日

今週の一押し2007-#13:"スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術"

スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術
ライフハック本の一冊です。
何冊かのハック本を読んだりnetをfollowしていますが、この本結構良くまとまっていて何か買うとしたらこの一冊でいいのではないかと思いました。

奇をてらったモノはなく実際に役立つというかおそらく皆さんも断片的には導入しているような技術が多いと思います。

第4章の04「キッチンタイマー」を使うやり方は早速導入。役立っています。

だれか研修医向けのハック本出せばいいのに。

キーボードかえてみました

ちょっと作業が一段落したので小一時間かけて机の上を整理しました。結構書類を捨てたのですが重要なモノが入っていないか不安です。捨てなければ確実に無くならないわけだし。

気分転換にkey boardをThe Apple Store (Japan) - Apple Keyboard (US)にしてみました。iMacにもともと付いていた奴です。タッチは今までのモノ(参照)にかなわないと思いますが、こっちも結構いけるなということでしばらくこれでいくことにしました。
1.5倍くらい横に長くなって結構違和感がありますがどっしりした感じはあります。

2007年03月31日

”Papers"

MekとTosjというオランダ、アムステルダムの二人の生物学者は、EnzymeX, 4Peaksなどの分子生物学の研究に役立つfree softwareを作成、公開してきました。両方とも結構便利に使わせてもらってきました。
彼らの最新作が"Papers"(参照)と名付けられたアプリケションです。
"iPapers"(参照)という日本人の研究者の作った便利なアプリケションが有るのですが”Papers"はそれをしのぐ便利な環境を提供してくれます。

論文の執筆用にはEndNoteを使っています。集めた論文のdatabaseを論文ごとにEndnoteで作成しています。一つの論文で100扁程度集めて一次的にEndnote fileを作成し最終的には50扁くらいに絞り込んだfileを作りreferenceをそれから作成していきます。Endnoteにはいろんな便利な機能が付いているようですが、そのdataの二次利用は今までしてきませんでした。
しかし日々netをbrowseしていて遭遇する論文は、その後の研究に何らかの形で生かしていきたいと云うことがあります。今までやってきた方法は、とても重要だと思ったらpdfを紙に出力してそこら辺に積んでおくという方法です。論文の山を探せば自分が気になった論文がそこに有るという状況をこれで作ることができますが、机の面積が狭いと論文の山が高くなり時々崩れ大変な状況が生まれてしまします。"papers"を使えば、pdfをほいほいとにかく放り込んでおき、pubmedと連動させて論文の情報をdatabase化し様々なtagまでつけられます(と思う)。残念ながらこのPapersはfreeではなく3000円くらいします。一ヶ月のお試し期間がありますので試用もできます。
MacのOS10.4以上の環境が必要です。Intel Macでも動きます。Window用は現在ありません。

About 2007年03月

2007年03月にブログ「hypoxia research::blog」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

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