« 2007年03月 | メイン | 2007年05月 »

2007年04月 アーカイブ

2007年04月02日

お先真っ暗

今朝、起きて体調が悪いなとは思ったのですが、手術室で発熱。なんとかボルタレンを使っていままで乗り切りましたが頭痛がひどくなってきたので明日も朝から麻酔だし帰って寝ます。

四条駅ではいつもの電車に乗り遅れるしついていない日はついていない。

しかし腹減ったな。

universal red blood cells

Bacterial glycosidases for the production of universal red blood cells - Nature Biotechnology
こりゃすごい話だな。


2007年04月03日

”今年の脳減る賞はこれできまりだ”

今日久々にーたぶん4ヶ月振りくらいにー生協書籍部に行ってみました。食堂でご飯も食べてみました。4月ということで新入生がたくさんいました。年齢を考えればぼくなど彼らにとってはover double-scoreなわけで、なんだろうこのおっさんと思われていたと思います。どこから見ても大学の先生には見えないしねぼくは。
それにしても皆楽しそうでうらやましいかったです。でもどうせ25年もしたらぼくみたいになるんだよ。

結局生協書籍部でこんな本を買ってしまいました。
村上かるたうさぎおいしーフランス人

1524円もしますが価値はある。かなりくだらないと思っても思わずわらってしまいます。ノーベル賞をとったあかつきにはこの本も翻訳されたらいいな。
一言で言えば、”またたび浴びたタマ”の続編です。

今週の一押し2007-#14:"下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち"

土曜日の夕方から時間がとれて結構の量の読書をしました。

ハンニバル・ライジング 上巻 (1)ハンニバル・ライジング 下巻 (3)
とか
幻夜
も読んじゃいました。

その中の一冊。
下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

内田本の一冊ですが今までで一番売れているそうです。

内田先生が行った5時間程度の講演と質疑応答の内容が一冊の本になったという形式を取っています。
内田先生の他の著作の内容を含んでいますので熱心な内田先生の読者は、ある部分に既読感を覚えると思います。講演の内容を本にしたということで話し言葉で全編貫かれています。そのためとても読みやすくなっています。

章立てとしては
1. 学びからの逃走
2. リスク社会の弱者たち
3. 労働からの逃走
4. 質疑応答
となっています。

3. の労働からの逃走には考えされます。
最近のフリー麻酔科医への動向などもこのような論考が妥当するのではないかと思いました。つまり労働に対して等価の賃金を求めると云うことを追究していくと云うことが、フリーへと麻酔科医を動機付け、状況がそれを後押ししていると云うことです。”ニート”の若者が低い賃金労働を忌諱するのと同じ構造で医師が高い賃金労働を求める。善し悪しはぼくにはうまく判断できません。すでにこの歳になるとそんなに身軽に動けませんしね。

4. 質疑応答では師弟関係についての内田先生の持論も展開されています。


「師であることの条件」は「師を持っている」ことです。

なかなか良い言葉です。「反面教師」であっても「師」は持っていた方がいいと思います。
ぼくが頼りないのは「作戦」なのです。

2007年04月04日

ヘトヘトだけど

今日はいつにも増して、ヘトヘトです。

昨日生協で村上本だけでなく
医療倫理
も買ったのでした。
もう読んでしまいました。これはなかなか良くかけた本だとおもいます。今度詳しく紹介します。

今日内科レジデントの鉄則
も読破。研修医の先生が持っていたモノを拝借しました。すごく為になりました。これでぼくも当直は大丈夫です。N先生ありがとう。今晩がんばってください。

2007年04月05日

論文が出ます

阪大(今は松本歯科大学歯学部口腔解剖の)の平賀先生とやっていた論文がCancer Researchに出ます。
平賀先生おめでとうございます。

"Hypoxia and Hypoxia-Inducible Factor-1 expression enhance osteolytic bone metastases of breast cancer"

Toru Hiraga, Shinae Kizaka-Kondoh, Kiichi Hirota, and Toshiyuki Yoneda

Abstract
Hypoxia is a common feature of solid tumors and is associated with their malignant phenotype. The transcription factor hypoxia-inducible factor-1 (HIF-1) is a major regulator to adapt hypoxia and is implicated in malignant progression of cancers. Here, we studied whether hypoxia and HIF-1 expression contribute to the development of bone metastases using a well-characterized animal model of bone metastasis of the MDA-MB-231 human breast cancer cells. To study the role of hypoxia in bone metastases, we tested the effects of the fusion protein (TOP3), the oxygen-dependent degradation domain of HIF-1A fused with HIV-TAT, and procaspase-3. TOP3 selectively induced apoptosis in hypoxic tumor cells in vitro and significantly reduced bone metastases in vivo. We next examined the role of HIF-1 in bone metastases by establishing MDA-MB-231 cells overexpressing constitutively active or dominant-negative HIF-1A (MDA/CA-HIF or MDA/DN-HIF, respectively). Bone metastases of MDA/CA-HIF were significantly increased with elevated number of CD31-positive blood vessels. In contrast, bone metastases were significantly reduced in MDA/DN-HIF. Because the progression of osteolytic bone metastases is in part due to the imbalance between bone formation and bone resorption, we examined the effects of hypoxia and HIF-1 on the differentiation of osteoblasts and osteoclasts. Hypoxia and CA-HIF overexpression markedly inhibited osteoblastic differentiation, whereas hypoxia increased osteoclast-like cell formation. In conclusion, these results suggest that tumor-associated hypoxia and HIF-1 expression promote the progression of bone metastases in breast cancer. Our results also suggest that hypoxia and HIF-1 lead to the development of osteolytic bone metastases by suppressing osteoblast differentiation and promoting osteo-clastogenesis. [Cancer Res 2007;67(9):1–7]

東大が突っ走る

柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida : 研究費をいかにかせぐか、東大のひとり勝ち?

柳田先生のブログで「東大の一人勝ち」が取り上げられています。

容易に予想できることなのですが、実際の数字とかあるともっと説得力というかぼくらにとっては脱力感が返って強くなるかも知れません。
柳田先生のいう”研究費”というのは少なくとも”億”の単位の研究費でぼくの使っているお小遣いのような研究費と比較しても意味が無いことはよく解っているのですが...

少し前の読売新聞によれば東京大学は、学生の学力維持の為のプログラムの開発に着手したとのこと(参照)。
こんな東大が、研究のためでなくビジネスとして附属小学校、中学校、高校を展開すれば世の進学校などひとたまりもないでしょうね。世の中には東大に入るのを目的に日々努力精進している生徒はいくらでいるわけだし。
病院だって、東大が大改革に着手すれば日本一とかになれるような気もしないでもないですがやっぱり無理か..

上位教授職、東北大が導入へ…世界のトップ30目指し : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
こんな報道もありますね。東北大学の教授に苦労してなっても”上位教授”にならないと「真」の教授とは言えないとか云われたら立つ瀬がないようなあるような..

民法772条

民放772条が問題になっています。興味も無かったので深く考えはしなかったのですが、今日調べてみると、民法772条は-嫡出性の推定-の条文であり以下の通りです。

民法772条(嫡出性の推定) 1項 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 2項 婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

これをそのまま解釈すれば、「できちゃった婚」でもタイミングによれば生まれた児は「嫡出」と推定されない場合が有ると言うことになると思いますが、これは本当か?
なぜこちらの方は問題にならないのだろうか。数から云えばはるかに多いと思うのですが...
たぶん何かの抜け穴があるのだろうな。

2007年04月10日

学位講演会

今日、麻酔科のM先生の学位審査会がありました。
神経関係の専門家お三方とぼくが専門委員として参加。
ギャラリーとしてのうちの院生の先生の参加がいつになく多かったです。

冒頭のH先生のいきなりの指摘にすこしびびったと思います。途中もみなさんに結構ジャブを入れられどうなるかなと思っていましたが最後まで何とかたどり着きました。
議論では結構厳しい指摘を受けとまどったと思います。F先生もT先生も専門家ですから仕方ないです。基本的なスタンスの違いとも言えなくも無いですが結論をつよく主張したいのならいくつかの実験も考えられたかも知れません。
結果として試問には合格と云うことでおめでとうございました。
学位の書類というのはづっと残るので書き直しがあっても仕方ないですよ。

今週の一押し2007-#15:"医療倫理"

医療倫理

これに関していろいろ書こうと思っていたのですが、やるこことが多すぎで無理です。

2007年04月12日

あっ、出てますね。

Cell -- Fukuda et al.
出てますね。
全体像は知らなかったのですが、もう少し違う形かなと思っていました。

カート・ヴォネガット逝く

Kurt Vonnegut, Novelist Who Caught the Imagination of His Age, Is Dead at 84 - New York Times
転落が原因の脳挫傷が死因のようです。
合掌

2007年04月13日

元のキーボードに

キーボード気分転換に替えてみていたのですが、結局仕事が混んできて入力のスピードが上がっていけばいけばいくほど具合が悪くなりあえなくもとのAmazon.co.jp: Happy Hacking Keyboard Professional2 白 PD-KB400W: エレクトロニクス
に戻してしまいました。
やはり快調です。

2007年04月14日

紀伊國屋書店にて..

金曜の午後梅田に出ました。
人と待ち合わせをしたのですが少し時間があったので紀伊国屋に寄ってみました。
研修医の先生向けの医科学書のコーナーができていましたー看護師さん向けのコーナーはもっと広く取ってありましたー。とてもわかりやすい本がいっぱいです。研修医の先生向けの雑誌もあってびっくりしました。今の先生がたは幸せだと思います。

全部読んだらかなりの量の実践的な知識を身に付けることができると思います。ぼくが”研修医”なら全部読む!!
その反面、イラストや写真が満載ですぐに役に立ちそうでいて大したことが書いていない本もありました。ここら辺は後でないと解らないかも知れません。だから迷わず全部読む!!

麻酔関連では、”さぬき本”にpopが立っていました。紀伊国屋でも売れ筋なのでしょうか。これから買う人は、改訂版を買ってください。

麻酔とは直接関連はないですが
ステップビヨンドレジデント 1 救急診療のキホン編
のシリーズはすばらしいと思いました。現在も雑誌での連載が続いているようです。今月はsepsisのEarly Goal-Directed Therapyが取り上げられていました。

2007年04月17日

恥ずかしい..

さっきこんな事をしてきました (参照
弁当が出るからか結構な数の先生と学生さんが集まってれました。弁当残り5つくらい。

知識を伝えるだけでないセミナーなのですこし恥ずかしかったです。昨日は明け方まで麻酔をしてて二時間くらいしか寝ていなかったので妙にハイになっていました。

来月以降まともなground roundが始まると思います。時間が無くとも作って参加してくださいませ。


研修医のための麻酔書はここからです。

vital element

毎年この時期に科研費の内定通知があります。

年々少しづつ発表が早くなっています。ぼくが参戦し始めた時分は連休当たりに内定通知がくるような感じでした。

一つ一つはそう大した額ではないとはいえ零細企業にとっては塵もつもれば山?となるvital elementです。なんとか今年も一年研究を続ける事ができそうです。

毎年秋に一週間くらいかけて申請書を書きますが、当たれば一課題で数百万の単位(人により千万単位)のお金が交付されるのですから気合いが入ります。

2007年04月18日

交付申請作業お終い

交付申請作業3課題分お終い。
やれやれ

2007年04月19日

電池切れ

結局予定していたことのすべては消化できず。
明日も一日麻酔なのでもう帰って寝ます。

2007年04月20日

膣、口、直腸

Doctors Try New Surgery for Gallbladder Removal - New York Times
膣からscopeを挿入して胆嚢を摘出したり、口からscopeを入れて虫垂を切除したりするそうです。


2007年04月21日

今週の一押し2007-#16:"人生の鍛錬"

人生の鍛錬―小林秀雄の言葉

昨日と今日、電車で読みました。
新潮社の小林秀雄チームが、彼の作品集から時系列に彼の文章の一部を抜粋したものです。
研修医の先生方には小林秀雄って誰?というひともいるかも知れません。以前話をしていたら「罪と罰」とか「カラマーゾフの兄弟」を読んだことがない先生がいましたから。学校の勉強ばかりしていたのでしょうか。

この本は新書で720円ですよ。安いです。是非買って読んでみてください。
興味を持てば、本体を読み進めたらいいと思います。
彼の作品集を全巻そろえても10万円しないわけです。毒に薬にもならない臨床マニュアル本を買うお金で悠々買えてしまうわけです。

「生活の智慧は、空想を好まず、真偽の判断を、事実に基づいて行うという点では、学問上の智慧とは同じものだが、常に行動の要求にも応じているから、刻々に変わる現実の条件に従い、遅疑を許さぬ、確実な判断を、絶えず更新しれいなければならない。実生活は私達に、そういう言わば行動するように考え、考えるように行動する智慧を要求して止まない。学問上の知識に、この生活の内に訓練されている智慧に直接働きかけ、これを指導するような力があるとは、先ず考えられないことだが、逆に、学問上の発見や発明は、この智慧が働かねばならぬ事は、充分に考えられることだと思われます。」

「確かなものは覚え込んだものにはない、強いられたものにある。」
なんて感じです。
こんな言葉を研修中の先生におくります。

2007年04月26日

経口気管挿管

NEJM -- Orotracheal Intubation
cross finger法での開口はしていませんね、このビデオでは。

BLSの実習

学生さんは臨床実習(診療参加型臨床実習と呼ぶらしい)に進む前提として、CBT(-参照)とOSCE(参照)を突破する必要があります。
BLSができると云うのも要件の一つということで実習を小グループでしていただきます。
結構身体を動かすので二時間以上の実習はきついですね。


何度も実演しているとどんどんうまくなっていくような気がしますが、実のところby-standerとして蘇生をしたことはありません。
いろんなところで行われている講習会ってどんなんでしょうね。一回見てみたいような気もします。

2007年04月29日

今週の一押し2007-#17:"新たな疫病「医療過誤」"

新たな疫病「医療過誤」

大新聞の書評でも取り上げられていたようです。

医療におけるリスクマネージメントについての本です。

医療関係者ならこの本に書かれているすべてのことを見聞きしたことがあると思います。その意味では特別な事は書かれていないとも言えますが、これから例えば胆嚢摘出を大学病院で受けようという人が手に取り読んだとしたらかなり暗い気持ちになると思います。

誇張した記述は一切無いし、米国の医療に関して書かれた本であるからといって米国特有な医療制度に依存する特別な事は一切含まれていません。
第11章(見て、やって、教える)は教育病院での問題点が書かれています。まさに”自分のこと”が事細かく書かれていると感じました。とてもリアルというか、研修医教育の問題に日米の差は一切無いのだとなと思いました。

読んでみて損はありません。”解答”が得られるわけではありませんけど。

海街diary 1 (1)
書店で見かけて読みました。全然かわっていませんね。
吉田秋生って何歳くらいかなと思って調べると1956年生まれですよ。
吉祥天女が映画になり櫻の園もremakeだそうです。

2007年04月30日

ローソン

勤務先の病院にローソンが開店しました。
今日、電気代とガス代を払いに行ってみたら休日にもかかわらず結構な入りでした。
雑誌もかなり置いてある。
ATMまでありました。
23:00までしか営業しないと云うことです。朝は7:00から。

ちょっと調べると大学病院に入っているローソンは結構な数あるのですね。


油断していたらまた〆切りが...

About 2007年04月

2007年04月にブログ「hypoxia research::blog」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2007年03月です。

次のアーカイブは2007年05月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type