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2007年10月 アーカイブ

2007年10月02日

キレた

最近あきらめかあまり腹の立つことも無かったのですが、昨日はひさびさにホントにキレました。
覚えておくためにここにも書いておきます。

何に?と思うでしょうが秘密です。

健診

職場で健康診断やってました。受診しました。

まず始めにあるのが血圧測定。二回測ってみると、なんと収縮期で25mmHgも差があり、拡張期で20mmHgも差が。適当に都合の良い方を持って身長体重測定にいくと拡張期圧が90mmHgちょうどで再再検査の指示。階段を駆け上り測り直すととてもとんでもない血圧が.. なんかいい加減な機械ですね。
採血後、圧迫をいい加減に次の心電図に移ろうとしたらシャレにならん位に出血してあたふたしていたら係の人が発見してくれてアルコール綿花をくれました。ちゃんと5分圧迫しろといわれたのに人のアドバイスを無視した罰です。二年前はしっかり昼御飯を食べていったら、TGが異常に上昇していてよう観察処分になりましたが、去年はうまくパス。今年は血圧でまた要注意処分になると思います。
この検診も人間ドック的に頭部MRIとかあったらさらにドキドキすると思います。

最終日という事で結構盛況でした。近衛通より北のエリアからも受診者が大勢きていて普段見ない”有名人”を何人もみました。大阪の方から来た、N先生とか、院内では一回もすれ違った事が無かった東の方から来たT先生とか。

2007年10月04日

マクロファージ、好中球からのカテコラミンが炎症の進展に果たす役割

Phagocyte-derived catecholamines enhance acute inflammatory injury : Article : Nature
これはとても興味深い論文です。
alpha2 受容体の刺激は少なくともマウスの肺の炎症にはよくないというdataも含まれています。

しびれない局麻薬

非透過性ナトリウムチャネル遮断薬のTRPV1を介した進入による侵害受容器の抑制 : Abstract : Nature
うかつにも今日まで知らなかったのですが、雑誌Natureにとても面白い論文が掲載されています。lidocaine分子を修飾して電荷を帯びさせてQX-314という名前の化合物をつくるとこの物質はTRV-1 channelをTRV-1 ligand依存的にこのchannelを通り細胞内に到達してNaチャネルをブロックできるようになるそうです。つまりTRV-1 チャネルを発現していない細胞、またTRV-1のアゴニストの非存在下では局麻薬としての作用を発現しない形の局麻薬だできたというわけです。
機械刺激と熱による刺激はブロックするが運動と触覚は残るのだそうです。

これは頭がいいですね。

[追記]
NIHからのpress release
Treatment Blocks Pain Without Disrupting Other Functions, October 3, 2007
News Release - National Institutes of Health (NIH)

2007年10月05日

Life with oxygen

Life with Oxygen -- Semenza 318 (5847): 62 -- Science
Semenza氏による総説

2007年10月08日

ES細胞でのgene targeting

3 Win Nobel in Medicine for Gene Manipulation - New York Times

ノーベル賞発表されたようです


疼痛研究

朝から24時間で日当直です。
”予定”されていた緊急手術は金曜日に行われて、少なくとも今までは平和な一日です。
朝から予定通り仕事が進みました。めでたしめでし。

麻酔科医でありながらいままでいわゆるペインクリニックにはほとんど関わってきませんでした。
有名雑誌に掲載される疼痛研究の論文などはある程度followはしているつもりですが、自分で実験をしたり普段から学会に出席しているわけでないのでこの分野の研究の流れをつかんでいるわけではありませんでした。
土曜日と日曜日、疼痛研究の基礎的な研究発表が主体の研究会に出席させてもらいました。
みっちり話を聞いてかなりいろんな事を学ぶ事ができました。

という訳でこの週末は休みなしでした。

クリントン氏の科学政策

Clinton Says She Would Shield Science From Politics - New York Times

合衆国大統領をめざし走っているHRCの科学政策への考えかた。

科学の問題は政治から切り離して考えなければならないということだそうです。
ES細胞を用いた技術も一定の倫理的な枠組みの中では許されるとしています。
Bush大統領の推進する月、火星計画は重要と思うが他に優先して解決する問題があるともしています。


2007年10月09日

IM practice on iPhone

OMG! You've Got Cancer :(

IM practiceのIMは例のinstant messengerです。

New YorkのParkinson医師が従来とはことなる形態の開業をこの秋にしたという話。
しかしiPhoneを使ったこのsystemなんかよさげです。

Wieredの記事の翻訳は
WIRED VISION / 診察室は不要:「ネット診療と往診」サービスがNYで開始
から

輸血はなぜ悪いか

Article | Reuters Donated blood quickly loses important gas-study

DukeのStamlerのlabの研究成果のnewsです。

輸血が患者の予後をかえって悪くするという数多くの研究が有ります。なぜかということを追求した研究結果についての報道。

供血者から採血して保存した血液中の一酸化窒素は循環血液中と比較して非常に低くーまたこの低下は採血後すぐおこるーこのような血液を輸血する事によりかえって組織への酸素供給が悪くなってしまうということが起こるとの事。驚くべき事に貯蔵血液にNOを戻してから輸血するとこのような副作用は観察されなくなるのだそうです。血管拡張や赤血球の変形能、ヘモグロビンの解離曲線の移動など理由はいろいろあるのでしょう。
これからは血圧が下がらない程度のニトログリセリンやイソソルバイドを使うのがはやるのでしょうか。特に大量輸血をするような場合は。

詳細はPNASにでるはずですが今現在まだ読む事はできません。多分明日には読めるようになっていると思います。

Stamlerと話した事がありますが、ホンと頭よさそうした。

2007年10月11日

今週の一押し:2007-#34:”スタバではグランデを買え! ”

どうも風邪を引いたようです。朝から熱っぽく麻酔中も鼻水ずるずるでした。タイレノール飲んだのですが解熱しないのでボルタレン25mg使ったらすっきりいきました。明日一日保つかが課題ですが、そうしても今週中にすませたい作業があるのです。

さて
スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

そここで紹介されている一種のベストセラーかもしれません。
経済学を実際の経済に応用した本です。

まずこの本の広告を日本経済新聞で見ました。面白いタイトルだなと思いましたが読もうとは思いませんでした。そのうちいくつかのブログで紹介されているのをみて、読みたいと思いましたが自分で購入して読もうとまでは考えませんでした。図書館に入れば読んできたいなと思った程度でした。ある日、買って読もうと思い立ちアマゾンで注文したのですが品切れで5日待ちの状態で一回は注文をキャンセルして自宅最寄り駅のbook1stに出かけたのですが品切れ。まあいいかと思っていたところアマゾンで”在庫”になっていたので即注文しました。(今現在アマゾンでは品切れ。なんと1900円まで値段がつり上がっています)
ぼくのこの本を巡る行動を経済学的に分析したような本です。

asahi.com:研修医に月20万円支給 旭川医大 地方病院勤務が条件 - 暮らし
こんな試みはうまくいかんだろうという事もよく解ると思います。

第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか? 所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか? 安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる
なども読んだらなるほどと思いますが、よくよく考えるとそれは無いだろうという自分独自の考えも生まれてきます。

以前、医学部の一年生が手術室に見学に来たときの話を書きました(early exposureで (hypoxia research::blog)
実はその時は書かなかった事があります。学生に大学がいかにとてつもなく安い給料で医者をつかっているのかを愚痴りました。学生の反応はストレートで、”ではどうして先生はこんな職場で働き続けているのですか?”というものでした。大人には大人の事情があるのだよというのでは答えになりませんよね。でもこの本の論理を使うと結構うまく事情が説明できるかもしれません。
電車に二時間乗っている時間がある人は読んだらいいと思います。

2007年10月16日

「サイエンスマップ」

文部科学省 科学技術政策研究所 科学研究動向研究センターでは二年前から「サイエンスマップ」という調査をしています。

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論文データベース分析に基づき、ここ数年研究が盛んに行われている研究領域を把握し、研究領域間の関係、研究領域における各国の存在感の分析、国際的な共著者関係等を把握する試みです。分析は、「論文データベース分析による研究領域の抽出」と、「抽出された研究領域の内容分析」を組み合わせて行なっています。

論文のグループ化には、2001年から2006年までの6年間に発行された論文の中で、各年、各分野(化学、植物・動物学、環境/生態学など22分野)の被引用数が上位1%である高被引用論文をコアペーパとして選んでこの論文相互の関係をマッピングするという調査です。

低酸素誘導性遺伝子応答の研究分野も、今回の124の研究領域の一つとして抽出されたようです。

詳しくは2005年度の調査報告が閲覧できますのでそこでどうぞ。

[NISTEP Report No.100] NISTEP REPORT No.95(2005年)フォローアップ報告書 - 論文データベース分析(1999年から2004年)による注目される研究領域の動向調査 -

2007年10月18日

面接終わり

病院機能評価の面接、無事終了。

というか、ぼくが答えるべき質問がありませんでした。
今のシステムがすばらしすぎるのでしょうか?

あと部署訪問が残っています。

2007年10月23日

pulse co-oxymeterで喫煙状況をモニターする

Carbon monoxide test helps doctors determine patients' smoking status
ChicagoでのCHEST2007での報告。
pulso cooxymetryを用いてcarboxyhemoglobinの割合を測定し、6%を超えている場合には喫煙者と推定する事ができるとの報告。

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今週の一押し:2007-#35:"背信の科学者たち”



かなり前に読んだ事のある本が講談社のブルーバックスとして再登場。1988年版をごく部分的に省いてその代わりここ数年の不正事件リストを付録として収録しています。-”麻酔”誌での不正も収録されています-

図書館で見かけて再読してみました。

プトレマイオスからガリレオ、ニュートンを経てミリカンまで名だたる科学者が真理に対する背信者としてあげられています。


なんで不正をするのかはここの事例でさまざまな訳ですが、何か対価が与えられるからこそこんなことが起こるのだという事だけは間違えないと思います。どんな不正でもその人に取っては何らかの意味があるのでしょう。


お金とか名誉とかの場合はある意味わかりやすい。ある期間は、マスコミに取り上げられいい気分になれるかもしれませんが、目立てば目立つほど不正も露見し易い。

でも他人にはわからないもののために誰かが不正をするとすれば、不正は永遠になくなりませんよね。というか不正かどうかも永遠にわからない。-"麻酔”誌での不正など普通に考えたら理由はわかりませんよ-


とにかく安いし一回は読んでみて損は無いと思います。

雑感

今日某会社の研究所の方々の訪問を受けました。
研究の話です。こういった事は以前はちょくちょくありましたが、今の職場に移ってからは皆無でした。

いろいろとお話を伺いぼくの考えもお伝えしていくうちに考えたついた事もいくつかありlab meetingでも院生の皆と話し合い実際にやってみようという事になりました。どうなるでしょうか。
うまくいったら連絡します。

やっぱり人と話すというのはよい事だと思いました。

2007年10月24日

これにはたまげた

Ambient particulate matter accelerates coagulation via an IL-6 dependent pathway -- Mutlu et al. 117 (10): 2952 -- Journal of Clinical Investigation
これには驚きました。
時間がないので要約しませんが読んで見てください。

2007年10月26日

バチがあたったか

巷では学会のようですが、ぼくは当直です。

学会にいかないバチがあたったのかさっきまで麻酔をしていました。
しんどいです。これから寝ます。明日も仕事あるし...

silent minds

植物状態の患者に意識がある (hypoxia research::blog)
以前このような記事を書いたことがあります。

New YorkerでJerome Groopmanが一連のこの研究を紹介しています。
Medical Dispatch: Silent Minds: Reporting
なかなか読み応えがある面白いesseyです。なかなかいい話でもあります。
多分今なら”ただ”で読む事ができます。

2007年10月30日

ACC/AHA 2007 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery

ACC/AHA 2007 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines (Writing Committee to Revise the 2002 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation for Noncardiac Surgery): Developed in Collaboration With the American Society of Echocardiography, American Society of Nuclear Cardiology, Heart Rhythm Society, Society of Cardiovascular Anesthesiologists, Society for Cardiovascular Angiography and Interventions, Society for Vascular Medicine and Biology, and Society for Vascular Surgery -- Fleisher et al. 116 (17): e418 -- Circulation
出てます。
分量は多いですが意味のある部分は70ページ足らずです。
時間のない人は8章のAnesthetic
Considerations and Intraoperative Managementの部分だけでも読んだらよいと思います。

降圧薬でアルツハイマー病の予防ができる!?

Journal of Clinical Investigation -- Valsartan lowers brain β-amyloid protein levels and improves spatial learning in a mouse model of Alzheimer disease
ValsartanだけでなくPropranolol, Carvedilol, Losartan, Nicardipine, Amiloride, Hydralazine でもいいらしい

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