偶然でこの本を読んでみました。
国立がんセンターの総長の著作ですのでさぞやと思いましたが、まったく大したことがありませんでした。
発ガン理論などが解説されていますが、おそらく素人には難しすぎます。かといって理論的すぎて実際の癌との関連が希薄です。
一方で、都合の良い臨床研究の結果を取り上げて強調しているのではないかという印象を抱かせるような記載もありました。
第4章の”がんの二次予防(検診)”でもではいったいどうするべきと著者が考えているのかについて明確となっていません。
要するにいったいどうしたらよいのかについての指針を与えてくれない本なのです。
読者としてどのような層を想定してるのでしょうか。
結局はがんの予防は
がんを防ぐための12ヵ条
に尽きるのだそうです。
これってがんの予防にかぎらず生活習慣病すべての予防になる12ヵ条ですよね。
一方国立がんセンターのweb page で公開されている情報は網羅的でかなり詳しいです。
がんに関する情報
一般向けと医療従事者向け(こっちはとてつもなく不十分です)と分けてありますが、区別せず最新の情報を確かに掲載していくだけで良いのではないかと思います
岩波書店の”図書”の9月号で中井久夫先生が”センテンスを終える難しさ”という小文を書いています。
日本語の文末処理の難しさとおもしろさについて考察というか思いついたことを書きつづっておられます。
医者が使う”超敬語”についての話もありこれはおもしろいです。
ところで図書の広告によれば、イリイチのシャドウ・ワークが岩波現代新書になって出るそうです。
Hannibal Rising - Books - Report - New York Times
Hannibal Lecter博士が戻ってくるそうです
●麻酔科医が読んでためになる本のリスト
作ってみました。
昨今報道されている、医療問題が列挙されています。大学の教員の医療技術が低いとかよくあるステロタイプの主張がされています。世の中には医療力も低く研究能力もない医師もたくさん存在すると云うことを無視しています。
また特定の大学病院の状況を批判したものではありません。そういう云う本が存在すべきともいます。スーパードクターの裏表とかそういった内容の本があるとおもしろいし世の中の人に役立つと思います。
麻酔に関して、医師がすべて麻酔を管理する必要はないと明言されています。根拠は十分でないです。こういった話は、具体的なデータに基づくと説得力があります。自分は実は過去10年これでやっていますが事故は無しですとかそういった事実を背景にした主張なら無視できない場合もあると思います。こういった主張は、見かける場合は多いですが一冊の書籍の中で堂々と主張されたのを見ることは希です。これはこれで問題だと思います。
医学部のポリクリは、新研修制度の導入でかつてぼくたちが経験したものと学生にとっても教える側にも意味合いが大きく変化したと思いますが、やはり生の臨床に振れる機会としては何らかの意味はあると思います。
放射線科のポリクリの担当教官の一人は伊藤春海先生でした(参照)。
胸部レントゲン写真の講義をしてくれたのですが、ぼくにとっては印象に残る授業をしてくれました。
単純胸写を示してそこからいかに肺の構造を見抜くかという話でCTや剖検の結果と関連つけての講義でした。感銘を受けて放射線科に進もうかと一時考えていました。
Felson's Principles of Chest Roentgenologyは基礎を学ぶのに適したテキストだと思います。第三版が出版されるようです。
CD-ROM付きだそうです。一応注文しました。
もう一冊
Making Sense of the Chest X-ray: A Hands-on Guide
も役立ちます。
今度翻訳が出るようです。翻訳の方が安いです。
凄いタイトルですね。
Hands-On-Guideの名著にはMaking Sense of the Ecg: A Hands-On Guideも含まれます。
これにも翻訳があります。
商売上手ですね。
Hands-Onの二冊は研修医、修錬医の先生も一冊買うならこれだと云うような本ですよ。英語でも日本語でも多分大した違いは無いと思いますが、英語版はコンパクトでとっても良いですよ。ぼくはこっちを勧めます。
このブログで昨年紹介した本で、みなさんが興味を持たれた 本best10です。
まだ読んでいない人はこの休み中にいかがでしょうか。
ぼくの頭の中のbest10とはすこし違いますけど。
臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ!
昨年度新書ベストスリーです。
これはぼくのチョイス。
(hypoxia research::blog: 今週の一押し19: 参照)
(今週の一押し46:参照)
(今週の一押し26:参照)
今日久々にーたぶん4ヶ月振りくらいにー生協書籍部に行ってみました。食堂でご飯も食べてみました。4月ということで新入生がたくさんいました。年齢を考えればぼくなど彼らにとってはover double-scoreなわけで、なんだろうこのおっさんと思われていたと思います。どこから見ても大学の先生には見えないしねぼくは。
それにしても皆楽しそうでうらやましいかったです。でもどうせ25年もしたらぼくみたいになるんだよ。
1524円もしますが価値はある。かなりくだらないと思っても思わずわらってしまいます。ノーベル賞をとったあかつきにはこの本も翻訳されたらいいな。
一言で言えば、”またたび浴びたタマ”の続編です。
今日はいつにも増して、ヘトヘトです。
昨日生協で村上本だけでなく
も買ったのでした。
もう読んでしまいました。これはなかなか良くかけた本だとおもいます。今度詳しく紹介します。
今日内科レジデントの鉄則
も読破。研修医の先生が持っていたモノを拝借しました。すごく為になりました。これでぼくも当直は大丈夫です。N先生ありがとう。今晩がんばってください。
金曜の午後梅田に出ました。
人と待ち合わせをしたのですが少し時間があったので紀伊国屋に寄ってみました。
研修医の先生向けの医科学書のコーナーができていましたー看護師さん向けのコーナーはもっと広く取ってありましたー。とてもわかりやすい本がいっぱいです。研修医の先生向けの雑誌もあってびっくりしました。今の先生がたは幸せだと思います。
全部読んだらかなりの量の実践的な知識を身に付けることができると思います。ぼくが”研修医”なら全部読む!!
その反面、イラストや写真が満載ですぐに役に立ちそうでいて大したことが書いていない本もありました。ここら辺は後でないと解らないかも知れません。だから迷わず全部読む!!
麻酔関連では、”さぬき本”にpopが立っていました。紀伊国屋でも売れ筋なのでしょうか。これから買う人は、改訂版を買ってください。
麻酔とは直接関連はないですが
のシリーズはすばらしいと思いました。現在も雑誌での連載が続いているようです。今月はsepsisのEarly Goal-Directed Therapyが取り上げられていました。
の日本語訳が出版されたそうです。
必要もないのでまだ”読んで”いないのですが、多分どちらを選んでも大きな違いは無いだろうし値段の差も誤差範囲ということで英語版を辞書を使って読むくらいなら翻訳版を読んだ方がいいような気もします。
とにかく読むことが重要で、麻酔を生業としているのならやはり一回くらいは通読するのが良いと思います。
通読したからといって麻酔がうまくなることはないのですが、だからといって読まなくて済まされるわけでもないと思いますのでやっぱり買って読めということになるのでしょうか。
といってもこの内容なら、各雑誌に不定期に掲載されるreviewを5年分くらい集めて読んでも大した変わりはないと思いますが集めたりする暇が無いかも知れません。
原書は"Miller's Anesthesia"なのだから訳は"ミラー麻酔"となるべきのような気もしますが.. 気にしないきにしない。
因みにぼくらの教室は
Department of Anesthesia, XX University Hospitalと表記する約束に昔からなっています。
ぼくは好きですね。Department of Anesthesioloyとか呼ばれるより上等だと思っています。
ただこんなのが出版されたら確実に
臨床麻酔学全書
は売れなくなるな。
の関係ではまだまだ英語版のアドバンテージはあります。
値段が安い!!
この程度の値段なら買って手元に置こうという気もします。
hypoxia research::blog - 立ち読みした二冊
を参照してください
hypoxia research::blog - ミトコンドリア本
を参照してください
ブログ「hypoxia research::blog」のカテゴリ「books」に投稿されたすべてのエントリのアーカイブのページです。新しい順番に並んでいます。
前のカテゴリはanesthesia & critical care medicineです。
次のカテゴリはhypoxia researchです。