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2006年08月06日

話題の本を読んでみました

さまざまなところ特にネット上頻繁に取り上げられている
医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
を買って読みました。立ち読みで半分は読んでいましたが、購入。

医療をめぐる問題が解説されています。各論的にはとくに新規な事とが書かれているわけではないと思いますが、ここまでまとめて論理的に書いてあると相当の説得力を持ちます。しかしこの本を読んで主張を理解するためには一定のリテラシーが必要とされると思います。


第八章の”大学・大学院・医局の問題”にはぼくとして同意しかねる著者の個人的な意見が表明されています。他の部分の説得力が強いのでこの章を読んで鵜呑みにする人がでないことを願っています。

研究に対してトラウマでもおもちなのでしょうか。

2006年08月19日

不十分な本

がんを防ぐ
偶然でこの本を読んでみました。
国立がんセンターの総長の著作ですのでさぞやと思いましたが、まったく大したことがありませんでした。
発ガン理論などが解説されていますが、おそらく素人には難しすぎます。かといって理論的すぎて実際の癌との関連が希薄です。

一方で、都合の良い臨床研究の結果を取り上げて強調しているのではないかという印象を抱かせるような記載もありました。

第4章の”がんの二次予防(検診)”でもではいったいどうするべきと著者が考えているのかについて明確となっていません。
要するにいったいどうしたらよいのかについての指針を与えてくれない本なのです。
読者としてどのような層を想定してるのでしょうか。

結局はがんの予防は
がんを防ぐための12ヵ条
に尽きるのだそうです。
これってがんの予防にかぎらず生活習慣病すべての予防になる12ヵ条ですよね。

一方国立がんセンターのweb page で公開されている情報は網羅的でかなり詳しいです。
がんに関する情報
一般向けと医療従事者向け(こっちはとてつもなく不十分です)と分けてありますが、区別せず最新の情報を確かに掲載していくだけで良いのではないかと思います

2006年09月01日

超敬語

岩波書店の”図書”の9月号で中井久夫先生が”センテンスを終える難しさ”という小文を書いています。
日本語の文末処理の難しさとおもしろさについて考察というか思いついたことを書きつづっておられます。
医者が使う”超敬語”についての話もありこれはおもしろいです。
ところで図書の広告によれば、イリイチのシャドウ・ワークが岩波現代新書になって出るそうです。

2006年09月16日

統計の本

ぼくの研究で複雑な統計手法を使うことはほとんど無く、それゆえあまり統計について勉強することが無かったのですがこれではいけないと思い一冊読んでみました。

臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ!

実際の論文の統計を解説する形の本書はとてもわかりやすく、こんなぼくでもなにか一つしっかりと計画から練って臨床研究をしてみたくなりました。

2006年09月18日

新潮文庫の二冊

毎日新聞を開くと二面の下段に新潮文庫の広告がありました。
”水曜の朝、午前三時”と”夜のピクニック”
の二冊を大々的に宣伝してました。
水曜の朝、午前三時

夜のピクニック

ちょうど昨日、児玉清氏の推薦文が帯についてたので"水曜の朝、午前三時"を読んだばかりでした。小説としてのできは多分そんなに良くないのでしょうが不意打ちにあったような気がして泣きはしなかったけどかなり満足できました。

錦繍

ノルウェイの森 上
のような恋愛小説と較べると100%に欠ける所があるような気がしましたが、大阪、京都の知っている場所も出てきて感情移入もできて良かったです。

2006年09月19日

12/5発売

Hannibal Rising - Books - Report - New York Times
Hannibal Lecter博士が戻ってくるそうです

2006年10月09日

ためになる本のページ

●麻酔科医が読んでためになる本のリスト

作ってみました。

2006年12月03日

これでいいのでしょうか

大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す
昨今報道されている、医療問題が列挙されています。大学の教員の医療技術が低いとかよくあるステロタイプの主張がされています。世の中には医療力も低く研究能力もない医師もたくさん存在すると云うことを無視しています。
また特定の大学病院の状況を批判したものではありません。そういう云う本が存在すべきともいます。スーパードクターの裏表とかそういった内容の本があるとおもしろいし世の中の人に役立つと思います。
麻酔に関して、医師がすべて麻酔を管理する必要はないと明言されています。根拠は十分でないです。こういった話は、具体的なデータに基づくと説得力があります。自分は実は過去10年これでやっていますが事故は無しですとかそういった事実を背景にした主張なら無視できない場合もあると思います。こういった主張は、見かける場合は多いですが一冊の書籍の中で堂々と主張されたのを見ることは希です。これはこれで問題だと思います。

2006年12月07日

他山の石

大学病院でなぜ心臓は止まったのか
こんな本があったのですね。

こういった事例を他山の石としていかないといけないとつくづく思います。

2006年12月17日

"Felson"の新版がでます

医学部のポリクリは、新研修制度の導入でかつてぼくたちが経験したものと学生にとっても教える側にも意味合いが大きく変化したと思いますが、やはり生の臨床に振れる機会としては何らかの意味はあると思います。
放射線科のポリクリの担当教官の一人は伊藤春海先生でした(参照)。
胸部レントゲン写真の講義をしてくれたのですが、ぼくにとっては印象に残る授業をしてくれました。
単純胸写を示してそこからいかに肺の構造を見抜くかという話でCTや剖検の結果と関連つけての講義でした。感銘を受けて放射線科に進もうかと一時考えていました。

Felson's Principles of Chest Roentgenologyは基礎を学ぶのに適したテキストだと思います。第三版が出版されるようです。
CD-ROM付きだそうです。一応注文しました。
もう一冊
Making Sense of the Chest X-ray: A Hands-on Guide
も役立ちます。
今度翻訳が出るようです。翻訳の方が安いです。
誰もが納得!胸部X線写真の読み方
凄いタイトルですね。

Hands-On-Guideの名著にはMaking Sense of the Ecg: A Hands-On Guideも含まれます。
これにも翻訳があります。
ECGブック―心電図センスを身につける
商売上手ですね。

Hands-Onの二冊は研修医、修錬医の先生も一冊買うならこれだと云うような本ですよ。英語でも日本語でも多分大した違いは無いと思いますが、英語版はコンパクトでとっても良いですよ。ぼくはこっちを勧めます。

2007年01月02日

今週の一押し 番外:2006 best 10

このブログで昨年紹介した本で、みなさんが興味を持たれた 本best10です。
まだ読んでいない人はこの休み中にいかがでしょうか。
ぼくの頭の中のbest10とはすこし違いますけど。

意識の探求―神経科学からのアプローチ (上)

臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ!

アメリカ臨床医物語―ジャングル病院での18年

大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す

誰もが納得!胸部X線写真の読み方

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

遺伝子神話の崩壊

麻酔科医が読んでためになる本 - 大学病院でなぜ心臓は止まったのか

脳のなかの水分子―意識が創られるとき

Complications: A Surgeon's Notes on an Imperfect Science

2006年新書best 3


昨年度新書ベストスリーです。
これはぼくのチョイス。
科学者という仕事―独創性はどのように生まれるかhypoxia research::blog: 今週の一押し19: 参照


現代アメリカのキーワード今週の一押し46:参照


生きていることの科学今週の一押し26:参照


2007年04月03日

”今年の脳減る賞はこれできまりだ”

今日久々にーたぶん4ヶ月振りくらいにー生協書籍部に行ってみました。食堂でご飯も食べてみました。4月ということで新入生がたくさんいました。年齢を考えればぼくなど彼らにとってはover double-scoreなわけで、なんだろうこのおっさんと思われていたと思います。どこから見ても大学の先生には見えないしねぼくは。
それにしても皆楽しそうでうらやましいかったです。でもどうせ25年もしたらぼくみたいになるんだよ。

結局生協書籍部でこんな本を買ってしまいました。
村上かるたうさぎおいしーフランス人

1524円もしますが価値はある。かなりくだらないと思っても思わずわらってしまいます。ノーベル賞をとったあかつきにはこの本も翻訳されたらいいな。
一言で言えば、”またたび浴びたタマ”の続編です。

2007年04月04日

ヘトヘトだけど

今日はいつにも増して、ヘトヘトです。

昨日生協で村上本だけでなく
医療倫理
も買ったのでした。
もう読んでしまいました。これはなかなか良くかけた本だとおもいます。今度詳しく紹介します。

今日内科レジデントの鉄則
も読破。研修医の先生が持っていたモノを拝借しました。すごく為になりました。これでぼくも当直は大丈夫です。N先生ありがとう。今晩がんばってください。

2007年04月12日

カート・ヴォネガット逝く

Kurt Vonnegut, Novelist Who Caught the Imagination of His Age, Is Dead at 84 - New York Times
転落が原因の脳挫傷が死因のようです。
合掌

2007年04月14日

紀伊國屋書店にて..

金曜の午後梅田に出ました。
人と待ち合わせをしたのですが少し時間があったので紀伊国屋に寄ってみました。
研修医の先生向けの医科学書のコーナーができていましたー看護師さん向けのコーナーはもっと広く取ってありましたー。とてもわかりやすい本がいっぱいです。研修医の先生向けの雑誌もあってびっくりしました。今の先生がたは幸せだと思います。

全部読んだらかなりの量の実践的な知識を身に付けることができると思います。ぼくが”研修医”なら全部読む!!
その反面、イラストや写真が満載ですぐに役に立ちそうでいて大したことが書いていない本もありました。ここら辺は後でないと解らないかも知れません。だから迷わず全部読む!!

麻酔関連では、”さぬき本”にpopが立っていました。紀伊国屋でも売れ筋なのでしょうか。これから買う人は、改訂版を買ってください。

麻酔とは直接関連はないですが
ステップビヨンドレジデント 1 救急診療のキホン編
のシリーズはすばらしいと思いました。現在も雑誌での連載が続いているようです。今月はsepsisのEarly Goal-Directed Therapyが取り上げられていました。

2007年05月18日

"ミラー麻酔科学"

Miller's Anesthesia: Text With Continually Updated Online Reference

の日本語訳が出版されたそうです。

ミラー麻酔科学

必要もないのでまだ”読んで”いないのですが、多分どちらを選んでも大きな違いは無いだろうし値段の差も誤差範囲ということで英語版を辞書を使って読むくらいなら翻訳版を読んだ方がいいような気もします。
とにかく読むことが重要で、麻酔を生業としているのならやはり一回くらいは通読するのが良いと思います。
通読したからといって麻酔がうまくなることはないのですが、だからといって読まなくて済まされるわけでもないと思いますのでやっぱり買って読めということになるのでしょうか。

といってもこの内容なら、各雑誌に不定期に掲載されるreviewを5年分くらい集めて読んでも大した変わりはないと思いますが集めたりする暇が無いかも知れません。

原書は"Miller's Anesthesia"なのだから訳は"ミラー麻酔"となるべきのような気もしますが.. 気にしないきにしない。
因みにぼくらの教室は
Department of Anesthesia, XX University Hospitalと表記する約束に昔からなっています。
ぼくは好きですね。Department of Anesthesioloyとか呼ばれるより上等だと思っています。

ただこんなのが出版されたら確実に
臨床麻酔学全書
は売れなくなるな。

Harrison's Principles of Internal Medicine (HARRISON'S PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE) (Single Volume)

ハリソン内科学 第2版 (原著第16版)

の関係ではまだまだ英語版のアドバンテージはあります。
値段が安い!!
この程度の値段なら買って手元に置こうという気もします。

続きを読む ""ミラー麻酔科学"" »

2007年06月12日

"臨床サイトカイン学"

臨床サイトカイン学


LiSAに連載されていた小論文などが一冊にまとめられています。

詳しくはこちら

"周術期の呼吸管理”

周術期の呼吸管理
出てます。

くわしくはこちら


2007年12月18日

立ち読みした二冊

hypoxia research::blog - 立ち読みした二冊
を参照してください

2007年12月31日

ミトコンドリアの本


hypoxia research::blog - ミトコンドリア本
を参照してください

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