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2005年07月15日

論文の引用回数

雑誌にはimpact factorという数字がついている。米国のトムソンサイエンティフィック(Thomson Scientific)という会社が計算して毎年発表している数字です。この数字で雑誌の”格”が決まったりします。
でもこの会社はもっと多様なデータを提供してくれています。
つまり


 収録データ
• 被引用誌リスト(Cited Journal Listing):その雑誌がどの雑誌に引用されているかがわかります。
• 引用誌リスト(Citing Journal Listing):その雑誌がどの雑誌を引用しているかがわかります。
• インパクト・ファクター(Impact Factor):その雑誌について、対象年の前2年間にその雑誌に掲載された論文が他の論文に引用された総数を、対象年の前2年間にその雑誌に掲載された論文の総数で割って算出した数値です。
この数値が高いほど、影響力の高い論文を収録しているといえます。
• 最新文献指数(Immediacy Index):その雑誌について、対象年中に発表された論文が引用された総数を対象年中に発表された論文の総数で割って算出した数値です。
ホットな論文を多く掲載している雑誌ほど高い指数を示します。
• 被引用半減期(Cited Half-Life):その雑誌が引用された回数の各年毎の累積が、引用された総数の50%に至るまでに何年遡るかを表します。
この値が小さいほど新しい掲載論文が多く引用されており、逆に大きいほど年数を経た掲載論文も引用されていることになります。

などです。

この会社は、ある論文が他の論文に何回引用されたかとかのデータも提供しています。impact factorが小さい雑誌の論文でも引用回数は多いという場合はよくあります。
例えば
FUKUDA K, KATO S, MORI K, et al.
PRIMARY STRUCTURES AND EXPRESSION FROM CDNAS OF RAT OPIOID RECEPTOR DELTA-SUBTYPES AND MU-SUBTYPES 
FEBS LETTERS 327 (3): 311-314 AUG 2 1993
引用回数:232
なんてすばらしいですね。

その論文の真の”Impact”はこの引用回数で決まるといっても間違いではありません。いくら論文数が多くても引用回数が低い論文ばっかり書いていてはゴミを世の中に掃き出しているようなものだと言えなくもないということもありますと控えめに言ってみています。
また自分の論文の引用回数がその雑誌のimpact factorを下回っている場合、その論文はその雑誌の”足を引っ張っている”ことになります。
だから個々の論文の引用回数が重要です。その個人の平均引用回数を計算したらその人がどれだけコンスタントにimpactの高い論文を書いているかが解るわけです。

投稿者 hif1 : 2005年07月15日 00:54

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