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2005年07月18日

”勝ち負け”をはっきり知る

レジデント初期研修用資料: 産科の崩壊の雪崩
から。

麻酔科でも最近”崩壊の雪崩”的な出来事が全国で起きていますよね。
麻酔科医がいなくなった病院が続出。
理由は個々で異なるはずだが、病院や外科系医師の麻酔科という診療科への理解が足りない病院ではそのような雪崩が起きるという傾向があるようです。
最近、身近な病院でもそのような出来事がありました。また従来の常識では崩壊などという概念がなさそうな病院というか大学でも一種の崩壊が起こっています。

さて”産科の崩壊”では


ほんの3年程度の間で、何が変わったのだろうか?
勤務条件自体は、当時も今も、それほど大きな変化があったとは思えない。出産の数、合併症妊娠の数なども、たぶんそんなに激変は無い。
訴訟リスク?たしかに大きな要因かもしれない。それでも、産科には昔からこうしたリスクはつきもので、リスク承知で仕事をしなくてはならないのは今も昔も変わらない。この数年で、産科を取り巻く環境を激変させるような、何か大きな訴訟があったわけでもない(と思う)。
いずれにしても、はっきりと「これ」という、誰もが納得できる原因というのは見つからないような気がする。

ということであるがこれは”麻酔科の崩壊”とはすこし事情が異なるような気がします。麻酔科領域では確実に麻酔症例数が増えているという現実があると思うし、乗っていた船を降りた麻酔科医は多くの場合麻酔科医を続けているということもあります。

それでも


情報が見えないと、人は自分を疑う。他人の芝が青く見え、自分の居場所が醜く見える。
以前働いていた病院では、「事務方に対する嫌がらせ」として、医師全員の給与明細をみんなで医局に張り出した。誰が不当に多くもらっているのか、誰が働きの割に報われないのか。全てをオープンにすると、自分の立ち位置がよく分かった(一般内科がダントツで少なかった…)。
同じことを日本中でやる。個々の病院の「忙しさ」の程度、給料、当直回数などをネットで公開する。多くの医師が、自分の置かれている状況、それに対する自分の考えかた、状況の受け止めかたをblog等で公開する。自分が今働いている施設は、全日本レベルで見て「どう」なのか、全ての医師が自分の太刀位置が分かるようにする。
~中略~
情報を公開するということは、自分の環境に順位がつくということだ。そこには必ず勝者と敗者とが出現してくる。その順位を見て、辞める医師もいるかもしれない。一方で、その順位を見て、自分のいる施設の条件の良さを見直す医師も出るかもしれない。自分の順位をどう受け止めるのか、それは個人の価値観次第だろう。いずれの方向に行くにせよ、お互いの情報が明らかになれば、「わけの分からない雰囲気」に飲まれた産科崩壊の雪崩は止まるのではないか。
どこまで効果があるのか分からないけれど、コストがゼロであるという利点は大きいと思う。

という方法はなかなか良いのではないかと思う。

麻酔科領域でも”勝ち組と負け組”があるのだそうであるが、はっきり言ってぼくにはなにがその指標になっているのかよく解っていない。収入が多くて、休みの多い病院に勤めている麻酔科医は勝ち組なのか。毎日同じ病院で判を押したように麻酔をしているので沖縄で行われているセミナーにも出れない麻酔科医は負け組なのか。また果たして自分はどっちなのか、とかそういったことがよく解っていない。
多分多角的に情報を知れば”勝ち負け”って何かとかそういったことが解ってくるのだと思う。

しかし
柳田先生のblogでも
(権力、名誉、富  Power, honor and wealth)


開業医師も地方によっては名誉と富の両方を得ることは相当に可能なようです。

といわれているのですが開業医ってそんなに儲かるのでしょうか?

投稿者 hif1 : 2005年07月18日 18:56

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