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2005年08月31日

痛みと鎮痛の複雑な関係

Cell, Vol 122, p619-631 -- Guan et al. Interaction with Vesicle Luminal Protachykinin Regulates Surface Expression of δ-Opioid Receptors and Opioid Analgesia

この論文をざっと読んでびっくりしました。
delta opioid receptor(DOR)が細胞膜に提示されるときにprotachykinin(substans Pの前駆体)を含むvesicleに一端sortされその後、細胞膜に運ばれるという経路があるという報告です。
PPT-Aというsubstans Pやその他のキニンをコードする遺伝子を破壊したマウスではDORの膜への移送が正しく行われないためDORを介した脊髄レベルでの鎮痛が失われまたモルヒネの耐性も消失するそうです。
痛みを促進するはずのsubstans Pが鎮痛をになう受容体の膜への移送に関わっているというとてもおもしろい関係が明らかになったわけです。
これは痛みの研究をしている人は必読だと思います。

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2005年08月28日

bacteriaにcontact inhibitionが

Contact-Dependent Inhibition of Growth in Escherichia coli -- Aoki et al. 309 (5738): 1245 -- Science
これって凄い発見でないか?
大腸菌のことはあまり詳しくないが、概念的にはあっても良いような話のような気もするがやっぱりあるとなるとびっくりする。大腸菌のapoptosisの話はどうなったのかな。

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2005年08月27日

Laurentianって知っていますか?

時間があったので本屋で立ち読み。

ローレンシャンの秋―カナダ・ケベックの森が燃えるとき
吉村 和敏
アップフロントブックス (2005/08)
を見ました。 カナダでモントリオールから北へ1時間くらいの場所にLaurentian地方(ローレンシャン)という場所があります。冬はスキーリゾートなのですが秋は紅葉が有名です。 写真集にあるようなあんなに見事な紅葉は一年で5日間くらししかお目にかかれないのだそうですが、留学中まさにあのくらいの見事な紅葉をローレンシャンで実際に目の当たりにしました。当日は雨でした。モントリオールから北上して宿泊予定のホテルに向かいました。多分降りる場所を一カ所間違えて細い道を通ってホテルに向かっていました。かなりガスが出ていましたが、トレンブラン山麓のホテルに着いたときは日が差してきて湖と紅葉が見事に対比された景色が現れました。夜には雪も少し降りまさに写真集にあるような風景に出会いました。トラベルログをかなりしっかりと取る方なので何を食べたとかそういったことも記録に残っています。

生きている間にもう一回訪ねてみたいものだと思っています。

写真集も買おうと思ったのですが値段が高いので止めました。皆さんも立ち読みしてみてください。

投稿者 hif1 : 21:51 | コメント (0) | トラックバック

利害関係の有無が重要

Practice Advisory on Intraoperative Awareness and Brain Function Monitoring
ASAが手術中の覚醒、脳機能のモニタリングに関するガイドラインというか勧告案を準備しているようです。
ここからdraftが読めます。時間ができたので全部読んでみましたが現時点では確実なものはないというのが確実なところのようです。
おもしろいのは、例えばBIS monitorとかEntropyとかの機器を売っている会社とconflict of interestがある人はモニターすべしという考えを持つ傾向があるのに対して、それがない人はそうでない傾向があると言うことです。
さまざまな雑誌で繰り返し強調される”利害関係”の有無というのは非常に大きな要素なのだと言うことがわかります。このdraftの趣旨ではないですが..

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胎児は痛みを感じるか?

JAMA -- Abstract: Fetal Pain: A Systematic Multidisciplinary Review of the Evidence, August 24/31, 2005, Lee et al. 294 (8): 947
胎児は痛みを感じるか?という問題に関してのreview.
痛いかどうかは聞いてみないとわからないのである特定の胎児がある時点で痛みを感じているかどうかを知ることはおそらく出来ません。
でも侵害刺激にどう反応しているかをいろんな角度から検討することはできます。
というわけでそういう総説です。

とくに驚く内容が書いてあるわけでないですが知識の整理に適していると思います。

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血管増殖因子としてのエリスロポイエチン

NEJM -- Erythropoietin as a Retinal Angiogenic Factor in Proliferative Diabetic Retinopathy
基礎的には特に新規性があまり無くともネズミやヒトで証明することにやっぱり大きな意味があるのでしょうね。


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in pressになりました

ぼくらの論文がin pressになりました。
"Regulation of Hypoxia-Inducible Factor 1 by Prolyl and Asparaginyl Hydroxylases"
Kiichi Hirota and Gregg L. Semenza
Biochemical and Biophysical Research Communications
そのうちnetで読めるようになると思います。

書くのに一週間はかかりましたが自分でも知識の整理ができてとてもタメになりました。

早石先生がguest editorをしてた様です。酸素添加酵素の特集号だから当然か。

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2005年08月24日

propofol>thiopental

Propofol and thiopental for refractory status epilepticus in children -- van Gestel et al. 65 (4): 591 -- Neurology
小児の難治性のてんかん重積の治療にはpropofolがthiopentalに比較して有用性が高いと言うことを報告しています。
かなり大きな扱いになっていますので向学の為に読んでみても良いかも。

投稿者 hif1 : 23:44 | コメント (2) | トラックバック

乳房切断を選んでしまう女性

研究の都合でJournal of Clinical Oncologyにも眼を通しますが少し一般的な興味を引く論文を見つけました。

Patient Involvement in Surgery Treatment Decisions for Breast Cancer -- Katz et al. 23 (24): 5526 -- Journal of Clinical Oncology
です。
ある条件下で乳房切断か部分切除かを患者さんに選択させると主治医の薦めとは反して乳房切断を選択する人がかなりの数いるのだそうです。このような決定には心理的な要素も大きいので医者は科学的に確かな情報を患者に提供する必要があるのだと言っています著者らは。
アメリカにも”近藤先生”が必要なのか。

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2005年08月22日

8月22日は特別な日

8月22日は我が家にとって特別な日です。

6年前のこの日にぼくの研究の都合で米国に家族で渡った日だからです。

上の子は二年生で下の子は幼稚園に行く前。
とても暑い日でした。安全を期して京都駅から”はるか"で関空に向かうためにアパートを出たのが午前9時くらいでした。見送りは下のタオル屋のおばあちゃん。タクシーに乗ってスーツケース2個で出発しました。
NorthWest機で米国に到着。ミネアポリスで入国。その後BWIまで飛んで行きました。二人の子らも一度にこんなに長い間飛行機に乗るのは初めてでしたがよく頑張ったと思います。

空港は"9/11"の以前でしたので空港のゲートの出口までA君が迎えに来てくれていてそのまますでに決めたあった、というか決めて頂いていたアパートに直行。すでに冷房が入ってとても心地の良い部屋に布団まで用意して頂きとてもすんなりと米国での生活が始まりました。
ボルチモアも良い天気でほぼ完全なまん丸い月が出ていたのは今でもよく覚えています。

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2005年08月21日

”私の戦後六〇年 日本共産党議長の証言”

総選挙だそうです。恥ずかしながらぼくはいままで一回も選挙に行ったことがありません。政党のマニフェストも読みましたがホントに実現できるのかなと言う気もします。まあぼくにとってはどうでもいいことです。どんな政権でも税金払いますよ。

文藝春秋で日垣隆さんが推薦していたので八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学を読んでみました。どういったプロセスで8/15が特権的な日になったかについての考察です。8/15は戦争が終わった日でもないし日本が降伏した日でも無いのに。

〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性も読み返しはじめました。
丸山真男の「超国家主義と論理と心理」くらいは皆読んだらいいと思います。大学に入学した年に読んでびっくりした記憶があります。
現代政治の思想と行動 増補版に収録されてどこの図書館にもあります。
60年間何も変わっていないと言うことがよく解ると思います。

そういえば加藤周一の羊の歌―わが回想が増刷になっていました。読んでみたらいかがでしょうか? 加藤氏は東大での血液学者で、医者をしていたときのことも書いてあったと思います。もう25年以上も前に読んだので忘れてしまいました。家にあるので読み返してみようと思っています。以前時計台の前で彼が歩いているのを目撃したことが有ります。すげえよぼよぼですこし衝撃的でした。その当時もまだ朝日新聞の夕刊の連載してましたからね。最後の戦後型知識人だと言っても良いと思います。

でもやっぱり今年の夏最大の期待作は
私の戦後六〇年 日本共産党議長の証言
だと思います。これは楽しみです。どこまで書いてあるのかが焦点ですけど。


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2005年08月20日

NTGの生活性

An essential role for mitochondrial aldehyde dehydrogenase in nitroglycerin bioactivation -- Chen et al., 10.1073/pnas.0503723102 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
Dukeの Stamlerのlabからです。
一連のnitroglycerinの作用に関しての論文のまとめとしてKO miceを使った結果を出しています。NTGはspontenouslyにNOを出して血管を弛緩させるわけではありません。彼らの主張によればmitochondrial aldehyde dehydrogenaseの酵素活性によりNTGが代謝され弛緩に十分なcGMPが産生されるのだそうです。この酵素の活性の変化故耐性やその他の現象も生じると言うことは以前から彼らが主張していました。
いつもながらきれいな実験結果でとてもクリアな結論を導いていて感服します。

一方、isosorbideやSNPだって教科書で通り一遍に説明されているような機序では説明できないことはたくさんあります。

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牛丼 @なか卯

なか卯 - Wikipediaが牛丼をはじめていることを先週知り今日食べました。
久しぶりになか卯で牛丼と”はいからうどん”を堪能しました。
以前京都にいたときは、実験の帰り夜中の1時とか2時くらいに一乗寺のなか卯で食べていました。

京都時代はなか卯とあかつきが深夜によく行く店でした。”あかつき”の奥さん元気でしょうか? まだ店に出ているかな。こっちは開店当初から出入りしてました。初めの歳は大晦日とか正月もやっていたという記憶がある。

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2005年08月19日

pheochromocytomaと低酸素誘導性因子

麻酔科の医者なら誰でも一度や二度はpheochromocytomaの手術麻酔をしたことがあると思いますが、この病気、HIF-1ととっても関係の深い病気なのです。また皆さんご承知の通りvon Hippel Lindau病とも関係が深くこの連関にもHIF-1が関わっています。
今回紹介する論文はこの関係を従来から一歩踏み込んで解析している論文です。とっても良い論文だと思います。
PLoS Genetics: A HIF1α Regulatory Loop Links Hypoxia and Mitochondrial Signals in Pheochromocytomas

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2005年08月17日

だから動物実験は難しいのかも

Heart rate variability responses to hypoxic and hypercapnic exposures in different mouse strains -- Campen et al. 99 (3): 807 -- Journal of Applied Physiology
もう一個Journal of Applied Physiologyから。
低酸素、高二酸化炭素が様々なstrainのマウスの心拍数の変動に与える影響を見た論文です。論文自体はとても良くできています。
マウスでこれだけ違うとマウスを用いてどんな結果がでてもヒトではどうかということは結局言えないのではないかという問題が出てきます。
痛みとかの実験でもあるstrainのマウスではこうだったという記載は間違ってはいないがではヒトではそうかと言うとそうかも知れないしそうでないかも知れないとしか言えなくなります。KO miceを使った華々しい研究であってもね。
難しいです。
多分生物現象には種で凄く保存されているものとそうでないものがあるはずでそれがどれかが解れば良いのでしょうね。

なのでぼくは培養細胞にこだわって地味に研究しています。


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hemodilutionの限界点を知る

Subcutaneous PO2 as an index of the physiological limits for hemodilution in the rat -- Pearce et al. 99 (3): 814 -- Journal of Applied Physiology
これは考えたことがありませんでした。
良い方法かも。
皮下の酸素分圧の変化を詳しく見ていて同時にhemodilutionをしていく。PscO2の変化により酸素供給と酸素消費の均衡する点を知ることでが出来ると言うわけです。
それはそうとこの論文二年越しでacceptされていますね。
気が長い人たちです。


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中枢が血糖値をコントロールする

Regulation of Blood Glucose by Hypothalamic Pyruvate Metabolism -- Lam et al. 309 (5736): 943 -- Science
少し前の論文ですが、興味を引かれます。
視床下部にglucoseの濃度を見ているセンサーがあり肝臓とかにシグナルを送ることにより血糖をコントロールしているという話です。

耐糖能の異常が周術期に起こるわけですが、今まではインシュリンの分泌とかインシュリンのシグナル伝達異常で説明をすることが多かったこの現象も中枢での変化で説明できるかも知れませんというかそういった回路を見つけたら研究として大きいですね。

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山田詠美の"Pay day!!!"

Pay day!!!
読み終わりました。
もっと早く読めば良かったと思いました。分厚い本で値段も高かったし敬して避けていたのです。
うちに女の子が生まれたとき”詠美”という名前をぼくは付けようとしたのですが家内が反対して結局"
えみ”になったというエピソードがあります。皆さんが聞いてもなんのおもしろみもないでしょうが..

投稿者 hif1 : 20:41 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月15日

明日は送り火

またまた昨日の朝から40時間くらい院内にとどまっています。
さすがに電池切れなので帰ります。

明日の送り火の時間までに総説は仕上げると決意しました。

投稿者 hif1 : 23:07 | コメント (0) | トラックバック

比叡山見えず

今日というかすでに昨日も、朝から当直。木曜日から予告された手術のために16時まで働いていました。
研究室からの比叡山はガスで全然見えませでした。

さっきまでがんばったおかげで、総説の作業も目処がついてきました。火曜日には完成してe-mailで送って何度かやりとりしたらfinish出来ると思います。こういった仕事はとっとと片を付けて重要な論文の作業にかからなくてはいけません。

今日出勤の途中電車で文藝春秋を読んでいました。一番おもしろかったのは立川談志と宮藤官九郎の対談”落語ブームなんてしらねェ”でした。少し前から始まっている連載”昭和天皇”もまあまあ。
アメリカにいるとき
Hirohito and the Making of Modern Japan
を読みました。アメリカでもとても当時話題になっていました。
この連載もこれに匹敵するようなものになるのかどうか興味があります。
ついでに
Emperor Of Japan: Meiji And His World, 1852-1912
も紹介しておきます。
両方とも日本語訳があって
それぞれ
昭和天皇 (上)

明治天皇〈上巻〉
昭和天皇の方の日本語版は読んでいませんが明治天皇の方は読みました。

投稿者 hif1 : 02:59 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月14日

とても良い論文

Cell -- Electron Transfer between Cytochrome c and p66Shc Generates Reactive Oxygen Species that Trigger Mitochondrial Apoptosis Giorgio et al. 2005 Jul 29;122(2):221-33
永年の問題にかなりスッキリとした解答を与えてくれる良い論文だと思います。この論文にそって自分の今までのdataを再検討してみてみようとおもいます。
2nd messengerとしての活性酸素種が細胞内のどこからまたどういった分子機序でうまれるのかという問題の一つの答えになっていると思います。


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2005年08月13日

今年で50年:酸素添加酵素

今年は50年目の記念の年なのだそうです。

つまりあの早石修先生が酸素添加酵素を発見したのが50年前です。
BBRCでは50周年記念号が発行されるそうで、続々その号に載る論文というか総説というかエッセイというかのproofがネットで閲覧可能な状態になってきています。


ScienceDirect - Biochemical and Biophysical Research Communications : Early years of oxygenase research in Bethesda, Osaka, Urbana, and Kanazawa
この論文などでは早石先生の若き日の写真がご覧いただけます。

すごいね。アインシュタインの奇跡の年なみの扱いか。そこまでいかなくいともワトソン・クリックの二重らせんのような扱いです。

ところで細胞内低酸素センサーとも言われるHIF-a hydroxylasesも酸素添加酵素です。一応この号に総説が載るはずなんですがまだ覧れる状態にはなっていませんね。

[追記]
家からだと上記の論文にたどり着けませんでした。
BBRCの in pressは以下からたどれます。
ScienceDirect - Biochemical and Biophysical Research Communications, Articles in Press
これもうまく行かないかもしれませんが..

やっぱりダメです。もうあきらめました。

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2005年08月12日

天気はどうだったのでしょうか

結局昨日の朝から通算で40時間ちかくエアコンで管理されたエリアにいます。
外が暑いかどうかさえ分からないし、太陽が出ていたのかさえ解りませんでした。これが健康に良いはずはないと思いますがどうしようもないです。
結局総説の作業もたいして進まずで明日すこしがんばる以外にありません。明後日はすでに予定の手術が日曜日に関わらず入っているし。今日はもうよく頭が廻らないので家に帰ってとにかく飯を喰ってシャワーを浴びて寝ようと思います。

大学院時代は好きなだけ実験ができました。週に一回のアルバイト以外は夜中の3時まで実験していても次の日は10時くらいまで寝坊できた。こんな良い環境は無かったと思います。
よく考えたら二年ほど前までいた某中央官庁管轄の独法研究所も同じような感じでした。好きな時間にいって好きな時間まで実験、研究をする。腹が空いたら自転車で家に帰りご飯を食べてついでに近所のプールで泳いでまた研究室。ホントよかったですね。

投稿者 hif1 : 22:42 | コメント (0) | トラックバック

UFOのソースが..

このところ原著論文を書くのは一休みして総説を書いています。

書くという能動的な作業でいままでの曖昧な知識が整理されて確かに”勉強”になるのですが、如何せん時間が足りません。今日も当直でぼくの胸算用では20時から作業にかかれると思っていたのが二時間遅れ。研究室に帰ったら返事を書かなくてはいけないmailがたくさん。そうしている内に当直PHSに電話。また朝まで働くのかと思ったら某病棟からV-lineを取るように命令。日曜日も当直ですが朝から”緊急”手術が入ることが今日から決まっているしな..

またこんな総説いくら書いても一文にもならないという問題点もあります。日本の商業誌なら日本語で書いて良いししかも原稿料がもらえるんですが、だからといって断るわけにもいかないし困ったものです。

まあとにかく早く仕上げてそのころにはdataがそろう別の論文の執筆にかかろうと思います。

腹が減ったのでUFOを食べようとしたらソースがケーシーに飛んでしまいかなり不様。もう一つは昨日洗濯に出したばかりだし困ったものです。

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2005年08月11日

in pressになりました

ScienceDirect - Biochemical and Biophysical Research Communications : Hypoxia reduces constitutive and TNF-α-induced expression of monocyte chemoattractant protein-1 in human proximal renal tubular cells
福井医大の腎臓内科の木村先生のグループとの共同研究の結果がin pressになりました。

[追記]
家からだと上記の論文にたどり着けませんね。
BBRCの in pressは以下からたどれます。
ScienceDirect - Biochemical and Biophysical Research Communications, Articles in Press
これもうまく行かないかもしれませんが..

Chronic hypoxia has been reported to be associated with macrophage infiltration in progressive forms of kidney disease. Here, we investigated the regulatory effects of hypoxia on constitutive and TNF-α-stimulated expression of monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) in cultured human proximal renal tubular cells (HPTECs). Hypoxia reduced constitutive MCP-1 expression at the mRNA and protein levels in a time-dependent fashion for up to 48 h. Hypoxia also inhibited MCP-1 up-regulation by TNF-α. Treatment with actinomycin D showed that hypoxic down-regulation of MCP-1 expression resulted mainly from a decrease in the transcription but not the mRNA stability. Immunoblot and immunofluorescence analyses revealed that treatment with hypoxia or an iron chelator, desferrioxamine, induced nuclear accumulation of hypoxia-inducible factor-1α (HIF-1α) in HPTECs. Desferrioxamine mimicked hypoxia in the reduction of MCP-1 expression. However, overexpression of a dominant negative form of HIF-1α did not abolish the hypoxia-induced reduction of MCP-1 expression in HPTECs. These results suggest that hypoxia is an important negative regulator of monocyte chemotaxis to the renal inflamed interstitium, by reducing MCP-1 expression partly via hypoxia-activated signals other than the HIF-1 pathway.

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2005年08月09日

文庫本化されました

作者はぼくの大学の時の同級生です。
今度角川文庫の100冊に入りました。
とてもおもしろいですよ。
DZ(ディーズィー)

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こんなの発見

NIKKEI NET:ベンチャー ニュース "大研医器と岡山大、脳の温度上昇を防ぐ技術を開発"
こんな記事発見。

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比叡山

研究室から比叡山 が望めます。時計台は見えないものの方向的にはそれを越えた位置からですのでかなりいい角度です。ベストと言っても良いかもしれません。
最近、夕立というか、スコールというかそんな大雨が続いていましたが、一気にかき曇り比叡山が見えなくなり驟雨のあと立ち現れてくる過程はとてもダイナミックで見応えがあります。
ぼくらの研究室に来たらこんな比叡山が望めるのですが...

因みに職場からは如意ヶ岳がこれまた一望できます。この高さまた近さから五山送り火を鑑賞できる場所は他に無いと思います。
入局してくれたらこの絶景が皆さんの手にはいるのですが...

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J.pod

j.Pod 京都大学でモデル建物公開
こんな感じの別荘とかあると良いですね。

でも無理。たぶん。
京都大学-広報・刊行物/広報・刊行物から"京大広報”をみたら理由がわかります。


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2005年08月08日

脚光を浴びる

昨日家でNHK教育の番組:芸術劇場を見ていたらのだめカンタービレが紹介されてました。
なぜか我が家で皆で読んでいます。

番組の中でNHK交響楽団の人が良いことを言っていました。
正確に覚えていないのですが”業界に脚光が当たり世間の人に注目されるようなこと、今回はコミックが大当たりするようなこと、がおこると非常にやる気が出てくる”と言うような意味のことを言っておられました。
まさにそうだと思います。
自分が研究している分子なりがある論文をきっかけに脚光を浴びていく、その過程に居合わせられたらそれはそれで幸せだと思います。

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”捏造”を科学する

マスコミにも取り上げられた関西地区の某旧帝國大学の捏造事件その後どうなってんでしょうか?
さて
いつも”ネタ”を提供してくれるBritish Medical Journal(July 30 2005, 331 [7511])がまたやってくれました。
Investigating allegations of scientific misconduct -- Smith and Godlee 331 (7511): 245 -- BMJ
この記事と関連論文です。
BMJに投稿された論文への疑惑がどう生まれて編集部がそれを追究していく過程が詳細に記述されています。
俎上に上がっている論文は、 Randomised controlled trial of cardioprotective diet in patients with recent acute myocardial infarction: results of one year follow up.
これです。低脂肪・高食物繊維の食事が健康リスク低減に大きな効果を持つことを示したことになっているまたははずの論文です。
これが捏造だといっているわけです。
謎解きの過程は
Suspected research fraud: difficulties of getting at the truth -- White 331 (7511): 281 -- BMJ
に詳しいです。
もっと笑うのは
Are these data real? Statistical methods for the detection of data fabrication in clinical trials -- Al-Marzouki et al. 331 (7511): 267 -- BMJ
統計学を駆使してdataの不自然さを浮かび上がらせ捏造を見分けてしまうのだそうです。共同研究者のdataを解析したら怖いことになるかも..

抗酸化剤なり物質で健康になるとか病気が治るだとか主張している論文にはたしかにかなり怪しいものが多いと思います。某酒造メーカーから出ているゴマから抽出した物質とか。

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"研究留学術-研究者のためのアメリカ留学術"

そろそろまた紹介しておきます
研究留学術―研究者のためのアメリカ留学ガイド

”研究留学のバイブル”
”研究の鬼の貴兄には金棒となる目からうろこの指南書”
という声が続々のガイドブック。

ちなみに
おれも持ってます。当然か。

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2005年08月07日

暑かった

今日日曜日は暑かったですね。それでも午前中パソコンの修理に大津市に出かけました。街を歩いたのは13-4前、某病院に勤務していたとき以来でした。浜大津もかなり変わっていました。琵琶湖の湖面からの光が本当に夏らしい日でした。
しかし暑かった。汗がほんとほとばしり出てきてましたね。かえって気持ちがいいくらいでした。

昨日も暑かったそうですが、朝から丸一日当直だったので関係ありませんでした。
夜中の3時から2時間ほど働きました。ここしばらく夜中というか未明の仕事はなかったのですがまた逆戻りだ。

今日は午後から勤務先の病院の来年度の後期研修の説明会。全体会のあと各科の説明会でした。どれくらい集まってくれたかどうかは秘密にしておきます。

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2005年08月06日

アセチルコリンはサイトカインだ

vagus nerveを電気的に刺激することにより免疫能とくにマクロファージの機能を抑制し炎症反応を制御することがmouseを用いたsepsisのモデルで試みられて大きな成功を収めているのは有名な話です。以下の二つの論文などはその代表です。
Nicotinic acetylcholine receptor [alpha]7 subunit is an essential regulator of inflammation : Nature

Vagus nerve stimulation attenuates the systemic inflammatory response
to endotoxin

今回上記の論文とは別のグループから以下の論文が発表されました。
Stimulation of the vagus nerve attenuates macrophage activation by activating the Jak2-STAT3 signaling pathway - Nature Immunology
vagus nerveの刺激により神経終末から放出されたアセチルコリンはニコチン作動性の受容体を介してJak-Statを動かし結果として炎症性サイトカインの産生をマクロファージで抑制しているという発見です。

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afと炎症

Blackwell Synergy: Int J Clinical Practice, Vol 59, Issue 8, pp. 881-885: Variation of inflammatory indexes after electrical cardioversion of persistent atrial fibrillation. Is there an association with early recurrence rates? (Abstract)
ですがなかなか興味深い論文です。こんな視点で考えたことは無かったので驚くと同時に考えさせられました。
以下のサイトでも解説記事が出ています。

Int J Clin Pract - 2005 ”The Role of Inflammation in Atrial Fibrillation"

投稿者 hif1 : 18:40 | コメント (0) | トラックバック

iTMS JAPAN

意外と早く出てきましたね。
アップル - iTunes - Music Store
いままでは USのsiteから買っていました。
値段は米国と較べると高めですがしようがないですよね。

Apple iTunes Music プリペイドカード 2,500円 [MA163J/A]
Apple iTunes Music プリペイドカード 5,000円 [MA164J/A]

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飢餓と精神病

JAMA -- Rates of Adult Schizophrenia Following Prenatal Exposure to the Chinese Famine of 1959-1961, August 3, 2005, St Clair et al. 294 (5): 557
胎内で母胎が飢餓状態であった場合長じてschizophreniaを発症する率が高かったという疫学調査の結果の報告です。
何とも言えないですね。

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2005年08月04日

公明党の意見

公明党ホームページ デイリーニュース:主張:医療提供体制 「患者本位」へ論議さらに/社保審部会が意見中間まとめ
公明党は麻酔科の診療報酬をあげてくれるのでしょうか?
保険請求の診療報酬が上がっても勤務医の給料に結びつかなければ意義は少ないな-

新聞情報−医師需給 検討会が中間報告 医師確保策に重点
こんなのもあります。

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