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2006年03月30日

"小さな小さなクローディン発見物語—若い研究者へ遺すメッセージ"

以前にも紹介しましたが改めて。
小さな小さなクローディン発見物語―若い研究者へ遺すメッセージ

分厚い本ではないです。すぐに読めてしまいます。
研究が、個人の力だけで遂行されているわけでないことがよく解ります。
仲間作りとか、とにかく人を磁石のように引きつける力がないと大きな事もできないのだと云うことがよく解ります。
最近の”捏造”事件もこのような著作の前ではまじめに論じるのもばかばかし事に思えます。この本に書かれていることに共感できる人は”捏造”におぼれることはないと思います。というほど人間は単純でないかも知れませんけど..

投稿者 hif1 : 03:10 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月29日

死刑に麻酔科医は関わるべきか

NEJM -- When Law and Ethics Collide -- Why Physicians Participate in Executions

死刑に医師が関わるべきかどうかという大問題を考えるヒント
この2月14日に米国のある地方裁判所で、死刑執行に医師とくに麻酔科の医師の指導監督をさせるということを州当局に義務つける判決がありました。米国で一番多く採用されている方法"lethal injection;he anesthetic sodium thiopental is given at massive doses that are expected to stop breathing and extinguish consciousness within one minute after administration; then the paralytic agent pancuronium is given, followed by a fatal dose of potassium chloride."には確かに麻酔科医が慣れていると思います。
ASAではすぐに以下の声明を出しています。
Where ASA stands on lethal injection
AMAも
AMA (Comm) AMA opposes physician involvement in executions
を出しています。

このNEJMの論文、なかなか読み応えがあります。
死刑囚にv lineが確保できないので死刑を執行できないとき立ち会いの医師がCV lineをとりそれで執行ができたとか、上記の薬剤を混ぜてしまい注射できなかったとか凄くリアルなエピソードが出てきます。

投稿者 hif1 : 23:32 | コメント (0) | トラックバック

低酸素応答の強さがなぜ細胞間で異なるか

PLoS Medicine: Gene Expression Programs in Response to Hypoxia: Cell Type Specificity and Prognostic Significance in Human Cancers
低酸素応答の強さがなぜ細胞間で異なるかという古くてでもまだ完全には解かれていない問に対する挑戦。
これはとても示唆に富む論文で必読。
Patrick O. Brownのlabにかかるとこんなにエレガントな解析になるのか。ちまちまやっている自分が嫌になります。

投稿者 hif1 : 23:02 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月28日

to Improve Survival from Cardiac Arrest and Severe Trauma

New Federally Funded Research Program Aims to Improve Survival from Cardiac Arrest and
Severe Trauma, March 24, 2006 News Release - National Institutes of Health (NIH)

こういったことを考えてやり始めるのは米国の良い点だと思います。

投稿者 hif1 : 08:30 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月27日

Mitochondria as signaling organelles

Mitochondria as signaling organelles in the vascular endothelium -- Quintero et al., 10.1073/pnas.0601026103 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
ミトコンドリアがシグナルを生み出したり変換する役割を担う細胞内機関であるという主張自体は、その通りだが特に目新しくはないと思います。
dataも少し汚いどころかかなり汚い。

投稿者 hif1 : 23:35 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月25日

”合宿”

今日から大学院の合宿@有馬温泉です。
どんなことになるか少し心配です。
やっぱり温泉といえば卓球。やっぱりするのか..

投稿者 hif1 : 09:42 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月24日

ECTより効果的?

NEJM -- Bupropion-SR, Sertraline, or Venlafaxine-XR after Failure of SSRIs for Depression
ECTより効果的、だったらいいな。

投稿者 hif1 : 00:41 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月22日

大学病院でストライキ

賃上げなど要求、ドイツで大学病院医師のスト広がる : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
日本でも大学病院の給料あげてください。
頼むから。
だってぼくの給料、気の利いたポスドクより安いよ。多分。

投稿者 hif1 : 21:41 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月21日

鍛えたからか? 生まれつきか?

Hypoxic ventilatory response in successful extreme altitude climbers -- Bernardi et al. 27 (1): 165 -- European Respiratory Journal
トップクライマーの低酸素呼吸応答は常人とは異なるという話。
もともと遺伝的に強靱なものを持っている人が選ばれているのでしょうか?


投稿者 hif1 : 00:37 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月18日

"The Truth about the drug companies"

この60時間で45時間くらいかけてじっくりと麻酔を堪能させていただきました。ふらふらしています。

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

著者は、New England Journal of Medicineの編集長を以前していた人です。
書きたい放題、言いたい放題です。

第6章
”新薬ってどのくらい効くんだろう”
では心血管疾患発症に関して、高血圧患者に対する降圧薬投与のクラス別の有用性を検討したALLHATにまつわる話が紹介されています。
この大規模トライアルは、NHLBIにより実施されたかなり権威のあるものですが製薬会社の思惑とはことなり一番成績の良かった薬剤がタダのサイアザイド利尿薬だたっという結果におわりました。当時のNHLBIのdirectorは”利尿薬が高血圧の治療に医学的にも経済学的にも最善であることを証明した”と結論づけているにも関わらず日本でも循環器病の権威はこのトライアルを以下の様に”解釈”しているわけです。
ALLHAT先生方のコメント目次
ただの利尿薬が一番効果的だということに不満のある先生も多くいるようです。
”少量の利尿薬の有用性は明らかだが,結果の解釈には人種,併用薬,血圧の推移など,背景への十分な配慮が必要である。”
”この成績は,日本の高血圧治療において,アムロジピンが第一次薬として使用されてきたことに間違いがなかったことを,裏づけていると思われる”
”それにしても,最も降圧作用が強力なはずのアムロジピンが,利尿薬より降圧率が低かったのは何故であろうか”
とかのコメントは普通の人には出てこない発想だと思います。

第8章
”教育を名目としたマーケティングの偽装”
第9章
”研究を名目としたマーケティングの偽装”
なども多分一般の人たちが読めば腹を立てるような日本でも日常化してる企業の宣伝活動が満載です。
とにかくこの本は一読することをお勧めします。

こんな論文もあるくらいで何がホントか実はよく解りませんよね
PLoS Medicine: Why Most Published Research Findings Are False

ALLHATについては以下を参照してください。有名なトライアルですよね。

JAMA -- Abstract: Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs Diuretic: The Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT), December 18, 2002, The ALLHAT Officers and Coordinators for the ALLHAT Collaborative Research Group 288 (23): 2981

投稿者 hif1 : 23:45 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月17日

今日は無理

今晩、職場の当直です。先週は3時にはベッドにたどり着けたのですが、今日は、暗いうちには無理だと思います。
朝からまた仕事だしな..

投稿者 hif1 : 01:31 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月15日

NACの大量投与

High-dose oral N-acetylcysteine, a glutathione prodrug, modulates inflammation in cystic fibrosis -- Tirouvanziam et al., 10.1073/pnas.0511304103 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
この人たち、NACを分封した包みを持ち歩いてますからね。
二日酔に効果があるとかいって、飲まされたことあります。
たしかAIDSの病態の進行も抑えるはずだし夢の薬ですNACは..


投稿者 hif1 : 23:13 | コメント (0) | トラックバック

erythropoiesis過程のリアルタイムモニタリング

Real-time monitoring of stress erythropoiesis in vivo using Gata1- and {beta}-globin LCR-luciferase transgenic mice -- Suzuki et al., 10.1182/blood-2005-10-4064 -- Blood
ついにでましたね。
これは凄いよ。


投稿者 hif1 : 21:37 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月14日

”戯作三昧”

子供が正月に撮りためた八犬伝のTV番組を観ていました。
八犬伝ー馬琴で連想されるのがぼくにとっては”戯作三昧”。

曲亭馬琴の朝風呂のシーンからはじまり夜燈火の下で八犬伝を書き継ぐシーンで終わる小説です。
教科書的には馬琴の芸術至上主義の立場を表明した小説だと解説されています。馬琴に芥川自身を重ねているわけです。

八犬伝、確かに大作ですが、水滸伝という手本があったことは確かで風呂屋でそのような批判を聴きたくもなく聞いてしまい、自分でもそう思っているのでやはり打撃をうける。確かに水滸伝を読み返せば、はるかに優れた読み物のように思えてくる。そこに渡辺崋山がやってきて自由に芸術談義をするのでますます自分がつまらなく思えてくる。そんなことを考えながらも結局、今日も八犬伝を書き継ぐ馬琴がいる。
といった内容です。これから読もうと思っていた人がいたらごめんなさい。

オリジナリティーはあるのかと自問自答しながら毎日実験して、机に座り目の覚めるような他人の論文を見つけ落胆している自分に追い打ちをかけるように通りの向こうではこれまた日の出の勢いの若者のセミナーがあるというのに麻酔で聴きに行けない。
もう止めた方がいいのではないかと思いながらも結局、することも他に思いつかず研究室に向かいちょっとした発見に一喜一憂する自分のようで読むたびに身につまされる小説です。

投稿者 hif1 : 23:30 | コメント (0) | トラックバック

肺高血圧とEPOシステム

Important Role of Endogenous Erythropoietin System in Recruitment of Endothelial Progenitor Cells in Hypoxia-Induced Pulmonary Hypertension in Mice -- Satoh et al., 10.1161/CIRCULATIONAHA.105.583732 -- Circulation
どこかでみたことがあるような気がしますが、どこかの研究会などで発表されていたことがあったかな。
とても興味深い論文です。


投稿者 hif1 : 19:08 | コメント (0) | トラックバック

卵円孔と偏頭痛

In Study, Heart Device Eases Migraines - New York Times

卵円孔を閉じるとあるタイプの偏頭痛の治療となるという報告がアトランタで開かれているAmerican College of Cardiologyのmeetingで発表されdeviceを売っているNMT Medical社の株価が急上昇中という話です。

投稿者 hif1 : 19:00 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月12日

トリインフルエンザと人工呼吸器の需給バランス

Experts Say Medical Ventilators Are in Short Supply in Event of Bird Flu Pandemic - New York Times
トリインフルエンザが流行すると人工呼吸器がたりなくなる!?

投稿者 hif1 : 12:38 | コメント (0) | トラックバック

生原稿流出

asahi.com: 自筆原稿流出、村上春樹さん「一種の盗品」と問題提起

文藝春秋の記事(ある編集者の生と死——安原顯氏のこと)を読みました-もちろん立ち読み-.
新聞記者はちゃんと文藝春秋のarticleを読んだのでしょうか。
”問題提起”ではあると思いますが、文章の多くは安原氏と自分の関係についてを記述したもので、それとして作家と編集者の関係、編集者の現在の出版における役割、またそのなかで安原氏の位置つけなどが語られ非常に学ぶところの多いものです。
最初、”流出”の記事を読んだときは村上春樹氏はimacで文章を書いているなんだがなと思っていたので何で’生原稿”とおもいましたが事情もわかりました。

生原稿を個人が”所有する”ことの意義がよくわからないのですが、コレクターにとっては何らかの意味があるのでしょうね。

ぼくも大江健三郎氏から直接もらった葉書を持っているはずです。

投稿者 hif1 : 12:17 | コメント (0) | トラックバック

Endnote

EndNoteのversion9を使い始めています。
論文を書いて文献をつけるだけの最も基本的な使い方しかしていないので最新でなくてもという気もしましたが事情がありversion 9へ。
動作が機敏になったような気もするし、font廻りが改善され使いやすくなっています-version 8からunicode化されていたようです-。なので日本語も問題なく使えるようになっているようですが使う予定は多分ありません。
なんか変なfolderが一緒にできてしまうのですが何とかならないのでしょうか。
[追記]
endnoteと言えば解説書は
デジタル文献整理術―最新 EndNote 活用ガイド
と相場が決まっているようです。
持ってないのですが、立ち読みしてみます。

投稿者 hif1 : 00:05 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月11日

高橋メソッド

話題のプレセンターション法、高橋メソッドの解説本を読破(立ち読み)

でかいプレゼン 高橋メソッドの本

今度やってみます。

買っても良いかなと思いましたが、結局”芸術新潮”を買ってしまいました。
パリ特集
これは保存版だともいます。

高橋メソッド
以上の情報は無かったような気もしますが...

投稿者 hif1 : 21:58 | コメント (1) | トラックバック

2006年03月10日

今からでも遅くない。考え直して

レジデント初期研修用資料: 投機としての進路選択
今回は、いつもにもましてヒットされました。
まさにぼくの歩んできた道のようなきもしないでもないです。

研修医が持てる力は乏しい。いつでも避難できる場所、戻れる場所を確保しておくのは大事だ。後方の守りを忘れて前進に全力投球できるからこそ、新しい挑戦もできるし、状況の変化にも余裕を持って対処が可能になる。 退路を断った、1点全賭けは自殺行為だ。
退路を断ったことなどタダの一度もありません。
大学医局。不義理を重ねてしまったけれど、最悪の時に土下座して泣きつけば、たぶん何とかしてくれるんじゃないか、と思う…。甘いっすかね。
全然甘くありません。ぼくも結局大学で働いております。

賢明な研修医諸君には是非ともよく考えて行動していただきたいものです。
今からでも遅くありません。

大規模病院に骨をうずめる覚悟で就職する。大学病院の医局に入局して、その関連施設を回りながらキャリアを伸ばしていく。先の見えない時代。だからこそ、伝統的なスタイルというのには強みがある。 どんな業界でも、必ず波がある。デイトレーダーは小船に乗って、波に乗る。長期投資家は、大きな船で波を突っ切る。 * 波が大きくなると、小船は簡単にひっくり返る。だから、デイトレーダーは何艘もの舟に声をかけておいて、八艘飛びよろしく小船の間を飛び回る。 * 大きな船は安定している。ところが、波がもっと大きくなると、大きな船は波のパワーに負けて、船ごと折れてしまう。 今の医療の業界に訪れている「波」の大きさは、相当に大きい。
ってことですよ。

当直明けでさっきまで働いていたのですこしハイになっています..

投稿者 hif1 : 22:36 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月09日

二連発@"Cell metabolism"

Cell metabolism

二連発と解説

おもしろいですね。
ぼくらもこの線でいっていたとおもいえるのですが負け惜しみになるので止めておきます。
時間がないなー。
今日もこれから緊急手術です。3時には寝たいと思っているのですが。

HIF-1-mediated expression of pyruvate dehydrogenase kinase: A metabolic switch required for cellular adaptation to hypoxia Cell Metabolism -- Kim et al.

HIF-1 mediates adaptation to hypoxia by actively downregulating mitochondrial oxygen consumption Cell Metabolism -- Papandreou et al.

Coming up for air: HIF-1 and mitochondrial oxygen consumption Cell Metabolism -- Simon

投稿者 hif1 : 19:48 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月08日

ヒトはまだ進化を続けている

PLoS Biology: A Map of Recent Positive Selection in the Human Genome
人間はまだまだ進化しているというお話しです。
”最近”5000年から15000年で遺伝子がどんどん変化しているという報告です。特に、味覚、嗅覚、皮膚の色、脳の機能において遺伝子の変異が大きいと言うことらしいです。

投稿者 hif1 : 21:24 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月07日

ぼくならもっと安いよ

クリア・マニュスクリプト::科学ライティング・編集サービス
これってどうなのだろう
ただの論文校正でないみたいだ。
例えばCM Ghostwriterというサービスは


クリア・マニュスクリプトの編集者は、国際的に評価の高い科学誌に論文を執筆・掲載した実績のある、経験豊富な博士号クラスの科学者です。希望する科学誌に論文が掲載されるには何が必要か、当社は熟知しております。CM ゴーストライター™サービスでは、お客様と緊密に作業を行い、最も説得力のあるエレガントなスタイルの文章で、研究成果を表現する原稿を作成いたします。概要、導入部、方法、結果、考察等についての基本的な情報をご提出いただけば、完全原稿を作成いたします。

こんな内容です。
一時間100ドル。時給一万円。
一日で論文一つ仕上げて10万円
10日かかりますがぼくなら一つ10万円で請け負いますがどうでしょうか。


投稿者 hif1 : 20:53 | コメント (0) | トラックバック

これも一種の胎教か

Running in pregnancy transiently increases postnatal hippocampal neurogenesis in the offspring -- Bick-Sander et al., 10.1073/pnas.0502644103 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
といわれてもな..

投稿者 hif1 : 20:36 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月05日

タイレノールでHIF-1が活性化する

ScienceDirect - Biochemical and Biophysical Research Communications :
Induction of the nuclear factor HIF-1α in acetaminophen toxicity: Evidence for oxidative stress

解熱消炎鎮痛薬アセトアミノフェンで肝臓にHIF-1aか誘導されるという話。
うーん。何とも言えませんね。
でも凄く強く誘導されているよ。機序はしっかり確認する必要があるかも。
300mg/mlなので..

投稿者 hif1 : 13:00 | コメント (0) | トラックバック

sepsis-肺血管透過性亢進-AngII

PLoS Medicine: Excess Circulating Angiopoietin-2 May Contribute to Pulmonary Vascular Leak in Sepsis in Humans
AngIIを産生している細胞の同定がされたらもっと確かなことが言えると思います。
炎症で説明するのか低酸素で説明するのか
re-expansion pulmonary edemaとかではAngIIの濃度は血中や局所でどうなっているのでしょうか

投稿者 hif1 : 11:20 | コメント (0) | トラックバック

”体温”と低酸素応答

Temperature regulates hypoxia-inducible factor-1 (HIF-1) in a poikilothermic vertebrate, crucian carp (Carassius carassius) -- Rissanen et al. 209 (6): 994 -- Journal of Experimental Biology
これはやられたな。
HIF-a水酸化酵素の温度依存性について調べたことがあります。
on iceからはじめて55℃くらいまで追跡しました。結構いろんな情報を得ることができましたが論文にはまとめていません。

投稿者 hif1 : 10:03 | コメント (0) | トラックバック

HIF-2, Oct4 and stem cell

HIF-2{alpha} regulates Oct-4: effects of hypoxia on stem cell function, embryonic development, and tumor growth -- Covello et al. 20 (5): 557 -- Genes and Development

投稿者 hif1 : 09:41 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月04日

次回は秋、京都で

がんとハイポキシア研究会行って参りました。やはりいろんな人と話すのは良いことです。
まともな勉強会に行ったのは昨年のこの研究会以来です。
麻酔科学会に行っても人としゃべってるだけで一つも演題聴いていませんし。

この研究会4回目は今年の秋、多分京都で開かれます。

投稿者 hif1 : 22:02 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月03日

月田さんと梅園さん

月田承一郎先生が亡くなりネットでもいろんな方が思い出を語ったり先生の業績、人となりを語ると言うことがあります。
私たちの医学部の同窓会は芝蘭会と言いますが、会報が定期的に発行されています。昨日一番新しいものが郵送されてきました。古瀬さんが月田先生への追悼文を執筆なさっておられました。とても良い文章で長い間一緒に研究を進めてこられた人ならではの文章だと思いました。
小さな小さなクローディン発見物語―若い研究者へ遺すメッセージも出版されました。科学を志す若い人たちは読んだ方がいいと思います。

月田先生とはぼくは個人的にはつながりは無かったですが、こういったときにいつも思い出すのは41歳で亡くなられた梅園和彦先生のことです。梅園さんがSalkから奈良先端大学院大学に移られてまもなく、当時進めていた研究の相談に上がったことがあります。時間をかけてぼくの話を聞いてくださり研究のアドバイスを頂きplasmidなども分けて頂きました。結局その仕事で論文がまとまり学位を取得することができました。ぼくは人の意見を聞かない人間で初めての論文が出るのに大学院の4年では足りず5年ほどかかりました。そこでまた半年以上ほっておいたので学位の取得にはさらに一年近くの時間がかかりました。学位の公聴会の日は長野オリンピックで清水選手が金メダルをとった日であったということはいまでも記憶しています。1997年のその論文はぼくの書いたすべての論文の中でいまだに引用回数が一番を更新中です。留学の時に頂いた奨学金などもどう考えてもその論文のおかげだとしか思えません。ウイルス研に移られてからも何度か酒席をご一緒させて頂いたこともありアイデアの柔軟さにいつも驚かされました。その体験以来アイデアを実現する実験系をどう構築すべきか、何かを証明するためにはどういった実験をすべきかということを意識するようになり、こういったプロセスを楽しむことがぼくのサイエンスの方法論となりました。
梅園体験はぼくにとって空前絶後のもので、ぼくにとって身近に存在した最高の科学者でした。いままでふらふらと研究を続けてこられたのも梅園さんの存在無くしてはあり得ないと思っています。

googleで検索してみましたが梅園さんの思い出などを語ったページはあまり見あたりませんでした。ぼくが一つは書いておく意味があると思いました。

奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科には梅園賞というのがあるそうです。

投稿者 hif1 : 22:41 | コメント (0) | トラックバック

開催迫る

がんとハイポキシア研究会
明日ですよ。
俺は行きます。

投稿者 hif1 : 18:00 | コメント (0) | トラックバック

特許なんだから

東大教授の論文不正、産総研調査委が特許取り下げ要求 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ここ数年日本では研究の成果で特許申請をすると言うことが推奨されてきた。出願特許数をもって研究の成果がどれだけ上がっているかの指標とされる場合もあります。しかし特許というのはその特許が正しいかどうかを保証する制度ではなのです。特にウソで固めたdataをつけて出願された特許は特許として認める他はないので容易に特許がとれます。論文を通すのより簡単です。特許にpeer reviewありませんから。
問題はそんな特許は最終的に何も生み出さないと言うことです。特許を維持する費用がかかるだけでそんな特許持っていても損をするばかりなのです。
そのような特許を買った企業はバカなのです。
そういった眼で特許と言うのも見ないといけないと思います。

産業技術総合研究所も以前の職場ですから悪口は書きたくないのですがすこしずれている所だとは思います。
今回の一連の件でもキチンとした内部調査をしているのでしょうか。キチンとこのlabに今までいくらつぎ込んできたのかとかそういったことも公表したら良いと思います。皆さんびっくりするくらいの金額が投入されていましたから。

投稿者 hif1 : 17:42 | コメント (0) | トラックバック

どっちが正しいのかという問題でもないかも

Normoxic Stabilization of Hypoxia-Inducible Factor-1{alpha} by Modulation of the Labile Iron Pool in Differentiating U937 Macrophages: Effect of Natural Resistance-Associated Macrophage Protein 1 -- Knowles et al. 66 (5): 2600 -- Cancer Research
この論文はぼくらの最近の論文(Activation of hypoxia-inducible factor 1 during macrophage differentiation )と同じ現象を扱っている。
しかしメカニズムはまったく異なるものを主張している。
二価の鉄やascorbateの結果を持って、この現象が鉄の動態ですべて説明できるかどうかは疑問である。またぼくらが報告した他の現象はおそらく鉄の動態では説明できないと思う。ぼくらの説とどっちが正しいと言うことでもないのかも知れないがこの論文ではもっとも簡単にできるHIF-1aの細胞内半減期を測定するassayのdataがない。これなくしては弱いと思う。

それにしてもほぼ同時期に同じ現象が報告されるのはよくことだとも言えるし、だからぼくらの論文がほぼ一年も待たされたのかとも思えるし..
最近被害妄想にとらわれているぼくは後者の可能性が高いと思っています。

投稿者 hif1 : 17:11 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月02日

サーバー復活

本日、つい先ほど前このblogが乗っかっているサーバーが落ちていました。
もしかしたら全部飛んでしまったかと心配しました。

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