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2006年03月14日

”戯作三昧”

子供が正月に撮りためた八犬伝のTV番組を観ていました。
八犬伝ー馬琴で連想されるのがぼくにとっては”戯作三昧”。

曲亭馬琴の朝風呂のシーンからはじまり夜燈火の下で八犬伝を書き継ぐシーンで終わる小説です。
教科書的には馬琴の芸術至上主義の立場を表明した小説だと解説されています。馬琴に芥川自身を重ねているわけです。

八犬伝、確かに大作ですが、水滸伝という手本があったことは確かで風呂屋でそのような批判を聴きたくもなく聞いてしまい、自分でもそう思っているのでやはり打撃をうける。確かに水滸伝を読み返せば、はるかに優れた読み物のように思えてくる。そこに渡辺崋山がやってきて自由に芸術談義をするのでますます自分がつまらなく思えてくる。そんなことを考えながらも結局、今日も八犬伝を書き継ぐ馬琴がいる。
といった内容です。これから読もうと思っていた人がいたらごめんなさい。

オリジナリティーはあるのかと自問自答しながら毎日実験して、机に座り目の覚めるような他人の論文を見つけ落胆している自分に追い打ちをかけるように通りの向こうではこれまた日の出の勢いの若者のセミナーがあるというのに麻酔で聴きに行けない。
もう止めた方がいいのではないかと思いながらも結局、することも他に思いつかず研究室に向かいちょっとした発見に一喜一憂する自分のようで読むたびに身につまされる小説です。

投稿者 hif1 : 2006年03月14日 23:30

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