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2006年03月18日

"The Truth about the drug companies"

この60時間で45時間くらいかけてじっくりと麻酔を堪能させていただきました。ふらふらしています。

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

著者は、New England Journal of Medicineの編集長を以前していた人です。
書きたい放題、言いたい放題です。

第6章
”新薬ってどのくらい効くんだろう”
では心血管疾患発症に関して、高血圧患者に対する降圧薬投与のクラス別の有用性を検討したALLHATにまつわる話が紹介されています。
この大規模トライアルは、NHLBIにより実施されたかなり権威のあるものですが製薬会社の思惑とはことなり一番成績の良かった薬剤がタダのサイアザイド利尿薬だたっという結果におわりました。当時のNHLBIのdirectorは”利尿薬が高血圧の治療に医学的にも経済学的にも最善であることを証明した”と結論づけているにも関わらず日本でも循環器病の権威はこのトライアルを以下の様に”解釈”しているわけです。
ALLHAT先生方のコメント目次
ただの利尿薬が一番効果的だということに不満のある先生も多くいるようです。
”少量の利尿薬の有用性は明らかだが,結果の解釈には人種,併用薬,血圧の推移など,背景への十分な配慮が必要である。”
”この成績は,日本の高血圧治療において,アムロジピンが第一次薬として使用されてきたことに間違いがなかったことを,裏づけていると思われる”
”それにしても,最も降圧作用が強力なはずのアムロジピンが,利尿薬より降圧率が低かったのは何故であろうか”
とかのコメントは普通の人には出てこない発想だと思います。

第8章
”教育を名目としたマーケティングの偽装”
第9章
”研究を名目としたマーケティングの偽装”
なども多分一般の人たちが読めば腹を立てるような日本でも日常化してる企業の宣伝活動が満載です。
とにかくこの本は一読することをお勧めします。

こんな論文もあるくらいで何がホントか実はよく解りませんよね
PLoS Medicine: Why Most Published Research Findings Are False

ALLHATについては以下を参照してください。有名なトライアルですよね。

JAMA -- Abstract: Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs Diuretic: The Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT), December 18, 2002, The ALLHAT Officers and Coordinators for the ALLHAT Collaborative Research Group 288 (23): 2981

投稿者 hif1 : 2006年03月18日 23:45

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