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2005年07月19日

私たちの基本的な考え方

ここでは今回の応募の趣旨について説明させて頂きます。

京都大学大学院医学研究科はいわゆる大学院大学です。
応募をして審査に合格した人は誰でも入学することが出来る仕組みになっております。実際、基礎医学の多くの講座には全国から学生さんが集まって日々切磋琢磨しています。このような現象は、なにも京都大学の医学研究科に特別なことではなく京大の他研究科や他大学でも日常に見られることです。自分のやりたいと思う研究テーマが最も効率的に研究できる研究室を選択することはごく自然なことで上記の様に基礎医学の分野、特に一線の研究分野では当たり前に行われています。
一方、同じ医学研究科であっても、臨床医学の分野ではいままで当たり前には行われてきませんでした。

原因はいくらでも有ると思いますが、一言で簡単に表現すれば”医局”制度に源があると言えると思います。
大学を中心とした医局に入り、何年かの後、所属する医局の大学院に入局し学位を取得しその後また医局の人事で就職先の病院が決まっていくという仕組みです。この制度が歴史的に果たした役割は否定できませんし現在でも長い目で見たら個々人のキャリアプランに果たす役割は大きいと思います。一方、しかし、このような枠組みの中では、自分のやりたい、興味を持つ研究を思う存分やるということが必ずしも出来ないという現状があります。

私たちは今回、麻酔科学の分野での研究をさらに推進するために所属する医局とは無関係に全国の麻酔科医に大学院を開放するという試みをスタートさせます。
つまり入学試験に応募して頂き合格すれば誰でも私たちの大学院で学べるという本来の制度に沿った運用をしていきます。

1. 京大麻酔科大学院に入学するために”入局”して頂く必要はありません。 2. 京大麻酔科大学院では大学院生が大学病院で麻酔をすることはありません。 3. 京大麻酔科大学院では、4年間の大学院教育を通じて独立して研究を出来る研究者の育成に力を入れます。 4. 京大麻酔科大学院には強力な研究協力者が多数います。 5. 京都大学は学問をするのにきわめて適した場所です。

このような特長を持った京都大学麻酔科の大学院で4年間思いっきり研究をしてみませんか。

このような試みは現在の医局制度を否定するものではまったくありません。4年間の研究生活を京都大学の大学院で送って頂いた後は皆さんの自由意志で進路を決めて頂くことが大前提です。

投稿者 hif1 : 2005年07月19日 00:23