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今週の一押し29:"一瞬の夏”

一瞬の夏 (上)

日本経済新聞の土曜日の夕刊では、”文学周遊”という連載が続いています。
この前の土曜日は。沢木耕太郎
氏の”一瞬の夏”が取り上げられていました。
カシアス内藤という名のプロボクサーのルポルタージュです。
この本は、新潮文庫に入っていてー上下二冊になっていますー、ぼくは、”新潮文庫の100冊”が収録されたCD-ROMに入っていたのを米国にいるときに読んだというわけです。(ぼくが保っているCD-ROMに収録された新潮文庫のラインアップは100 books of Shincho-bunkoから見ることができます。米国にいて日本語で小説を読もうにも大正が少なかったので新潮文庫の100冊をかたっぱなしから読んでいました。これは凄く良い体験でした。)

この”一瞬の夏”はだれが読んでも興味をたもったまま最後まで読み切れるルポだと思います。”私ルポルタージュの記念碑的作品”と言われるだけあって登場する関係者とくに沢木氏自身のカシアス内藤への関わりが描かれています。というよりこれは沢木氏の精神の移ろいを描いたルポなのです。
ノンフィクションですが”結末”はどうなるんだというような興味もある、様々な教訓を学ぶという体験もする、また結局は読者自身の私事をふりかえらせるという効果をもった得意なルポになっていると思います。

文庫本の解説は柳田邦男氏が書いていたと思います。ー手元に本がないので定かでないですー
彼にも自らの体験を書きつづった壮絶なルポルタージュがあります。

犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日

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2006年07月23日 18:28に投稿されたエントリのページです。

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