細胞の再生に関する研究が花盛りです。
少し前まで再生しないと考えられていた細胞までも最新の生物学的な検討に依れば実は再生しているのだという報告が相次いでいます。
中でも神経細胞の再生、新生に関しては今だに決着の付いていない問題です。
最近の研究の多くは再生はあるのだというエビデンスを指名しているものが多いと思いますが、今日紹介する論文は再生、新生を否定するエビデンスを示しています。
Neocortical neurogenesis in humans is restricted to development -- Bhardwaj et al. 103 (33): 12564 -- Proceedings of the National Academy of Sciences
手法が新規でなかなかおもしろい論文です。
14Cを使って、考古学的物質の年代を推定する方法がありますが、これの応用です。
14Cの地球上の存在比は、戦後行われた何回かの地上核実験の結果いったんは上昇しその後、核拡散防止条約の締結により地上核実験が止まって以来上昇していないのだそうです。
DNAの14Cの含有比率はその細胞が最後に分裂をしたときの14CとCの存在比を示しているはずなのでそれを丹念にmass spectrometryで測定するれば最後に分裂が行われた時を推定することができるはずです。
このような手法を他の方法と組み合わせて著者らは神経細胞の再生は、無いのだという結論を導いています。
とすると素人としては、
NMDA-receptor-mediated, cell-specific integration of new neurons in adult dentate gyrus: Nature
例えばこういう論文は何なのだという疑問を抱きます。
何なのでしょう。
今度誰かに訊いてみます。