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これには心底驚いた

今日British J Medicineを読んでいて以下のassayみたいなものを見つけてびっくりしました。
Doubts over head injury studies -- Roberts et al. 334 (7590): 392 -- BMJ

Managing suspected research misconduct -- Young and Godlee 334 (7590): 378 -- BMJ


2000年から2002年にかけて発表された以下の3篇の論文の元になる臨床治験が実際には行われていなかったのではないかという疑惑に関する文章です。

Cruz C, Minoja G, Okuchi K. Improving clinical outcomes from acute subdural hematomas with emergency preoperative administration of high doses of mannitol: a randomized trial. Neurosurgery 2001;49:864-7
(PubMed)

Cruz C, Minoja G, Okuchi K. Major clinical and physiological benefits of early high doses of mannitol for intraparenchymal temporal lobe hemorrhages with abnormal pupilary widening. Neurosurgery 2002;51:628-38
(PubMed)

Cruz J, Minoja G, Okuchi K, Facco E. Successful use of the new high-dose mannitol treatment in patients with Glasgow coma scores of 3 and bilateral abnormal pupillary widening: a randomized trial. J Neurosurg 2004;100:376-83
(PubMed)

論文の第一著者のCruz氏は2005年に自殺してしまい、他の著者Minoja氏と Okuchi氏はBJMの問い合わせに対して自分たちは何も知らないという返事をしたとのことです。

ここで問題になっているのは、頭部外傷患者にmannitolを投与する場合にhigh dose(おおむね1.4 g/kg)投与する治療とlow dose (おおむね0.7 g/kg)投与する治療法ではhigh doseの投与が患者の予後を有意に改善すると報告です。
本人が死んでいて研究の記録などは残っていず、客観的にもこのような治験が行われたという証拠がないのだそうです。
Cochrane databaseでは当初これらの論文を採択していましたが、途中で解析対象から除外したそうです。
ここまで来るとどうしようもないですね。共著者の人の責任はあると思うのですが..

最近
PLoS Medicine - When Should Potentially False Research Findings Be Considered Acceptable?
assayを読んだのですが、これはdataは実在して捏造などされていないことを前提とした考察ですからね。

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2007年03月01日 12:36に投稿されたエントリのページです。

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