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今週の一押し2007-#24;"世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく"

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

乗り越えるべき問題を抱えている人がいたとして、その問題をどう分析して解決にいたるまでを中学生に指南するという形式の本。
大人が読んでもかまいません。
著者は、Harvard Bussiness School(これですね。最近のキーワード)を出た人です。

概念的なことを”第一限”で、二限、三限で具体例をあげて説明していきます。
きのこちゃん、ナズビくん、ハンペンくんの三人組”きのこLovers"というバンドが、学校内で行うコンサートで200人の聴衆を感動されるまでの道筋が二限、三限はGCアニメ監督を目指すタロー君が、中古コンピュータを手に入れるまでの悪戦苦闘が描かれます。
自分のぶつかる壁の性質を分析し、乗り越えたり、壊したりして前に進んでいくことのできる子たちを問題解決キッズと名付け正しい方法論にのっとれば皆が問題解決キッズになれるというのが本書の主張です。それ対比されるだめな子たちは、
「どうせどうせ」子ちゃん
「評論家」くん
「気合いでゴー」くん
と呼ばれています。
方法論は、大人には特に新鮮には映りませんが、分析だけでなく解決を実行していくところまできちんと書いてあることが為になるかも。

要するに子供用の啓蒙書というよりビジネス書なのだと思います。

受験で成功するとか、そのたぐいには有効な方法論などだと思います。もちろん本書ではそのような卑近な例を挙げている訳ではありません。あくまでも「夢」に向かって頑張る子を目指そうという内容です。
入局者を来年度10人にするというような目標はこの本の方法論が適用できます。もっともこういったことは問題を分析していく過程で結構根本的な原因が浮かび上がり途中でプロジェクト中止とかなってしまう可能性が否定できません。

でも世の中にはしかしこのような戦略で解決できない問題もおおいですね。
芸術とかスポーツなどは持って生まれた才能が大きな比重を占めて問題の分析や努力では乗り越えられない。研究などでも、「一に才能、二に才能、三に才能、4に運」(by 寂聴)なのだとぼくは思っています。もっとも研究費を年に一千万円集めるというような目標の達成にはこの方法論は適用できると思いますが、それで何か?というのが研究ですよね。結局、臨床の片手間にするようなことではないのですよ多分。

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2007年07月07日 14:28に投稿されたエントリのページです。

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