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科学発見のチャチャチャ理論

雑誌Scienceから
PHILOSOPHY OF SCIENCE: The Cha-Cha-Cha Theory of Scientific Discovery -- Koshland Jr. 317 (5839): 761 -- Science


科学的な発見は三つのカテゴリーに分類できるという話です。
三つとは
charge
challenge
chance
の三つで頭の部分をとってCha-Cha-Cha theoryという訳です。

charge discoveries
誰にとっても明確なことなのにその問題を解く方法が明瞭でないような問題を解決する試み、ということになります。
例としてあげてあるのが、ニュートンによる万有引力の発見です。天体の運動を説明する方法の開発という解釈です。
その他には子が親に似るのはなぜかという問題の解決としてメンデルは遺伝法則を発見したとも主張しています。
解釈としてよく解らないのはブラウンとゴールドシュタインのコレステロール代謝にまつわる発見が心疾患の予防という観点からこのグループに分類されていることです。
このchargeの訳も難しいと思います。break-throughというような意味合いなら、例えば”突破的発見”と訳してもいいのかもしれません。

challenge discoveries
アインシュタインの相対性理論の発見、ボーアの量子理論、ワトソン・クリックの二重らせんの提唱が例としてあげてあります。その時点での科学理論で説明のつかない事実や概念を説明するあらたな概念の提唱などが該当します。

chance discovories
例の”用意された心”に訪れるセレンディピティーによる発見です。
フレミングによるペニシリンの発見などが例としてあげてあります。

確かに偉大な科学の業績をこのように分析すると面白いと思いますが、結局はある発見があったとしたらこれらの三要素はある一定配合比で含まれるのだと思います。

全身麻酔の機序の解明などは、成功した暁にはa great charge discoveryになるのでしょうか。

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2007年09月01日 23:42に投稿されたエントリのページです。

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