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2005年08月31日

痛みと鎮痛の複雑な関係

Cell, Vol 122, p619-631 -- Guan et al. Interaction with Vesicle Luminal Protachykinin Regulates Surface Expression of δ-Opioid Receptors and Opioid Analgesia

この論文をざっと読んでびっくりしました。
delta opioid receptor(DOR)が細胞膜に提示されるときにprotachykinin(substans Pの前駆体)を含むvesicleに一端sortされその後、細胞膜に運ばれるという経路があるという報告です。
PPT-Aというsubstans Pやその他のキニンをコードする遺伝子を破壊したマウスではDORの膜への移送が正しく行われないためDORを介した脊髄レベルでの鎮痛が失われまたモルヒネの耐性も消失するそうです。
痛みを促進するはずのsubstans Pが鎮痛をになう受容体の膜への移送に関わっているというとてもおもしろい関係が明らかになったわけです。
これは痛みの研究をしている人は必読だと思います。

投稿者 hif1 : 2005年08月31日 23:02

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