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2005年09月29日

anesthesia & Analgesia 2005年10月号より

A&A 10月号今日読んでみました。
久々にまとめてみます。

Morphine Induces Late Cardioprotection in Rat Hearts In Vivo: The Involvement of Opioid Receptors and Nuclear Transcription Factor {kappa}B -- Fra¨ssdorf et al. 101 (4): 934 -- Anesthesia
この論文はつっこみどころが多すぎです。
例えばfigure 3。NF-kBの活性への関与を見ているのですが、lane4のnaloxoneは単独でIkBのリン酸化を抑制しているように見えます。
また驚くべきことにLPSによるNF-kBの活性化がnaloxoneによって拮抗されるという結果が提示されています。機序についてはさらっと議論してありますがとうてい納得できるものではありません。
その他穴だらけ。
なんでこのような不完全な論文が掲載されるのか理解に苦しみます。

Morphine Enhances Isoflurane-Induced Postconditioning Against Myocardial Infarction: The Role of Phosphatidylinositol-3-Kinase and Opioid Receptors in Rabbits -- Weihrauch et al. 101 (4): 942 -- Anesthesia
それに較べてこちらはおもしろいがどうかは別としてしっかりしているかも。うさぎを 108匹つかってこの論文一つだとしたらうさぎが浮かばれないような気もしますが..

Immunosuppression by Morphine-Induced Lymphocyte Apoptosis: Is It a Real Issue? -- Ohara et al. 101 (4): 1117 -- Anesthesia
この論文で必要なことは、すくなくともmorphineがこの細胞に何らかの作用をもたらしその上でdeath signalに何らの影響を与えていなかったと言うことではないでしょうか。そうでなければ科学的なおもしろみがない。
Optimal End-Tidal Sevoflurane Concentration for the Removal of the Laryngeal Mask Airway in Anesthetized Adults -- Shim et al. 101 (4): 1034 -- Anesthesia
とってもためになりました。日頃思っていたことを調べてくれた人がいてよかった、という論文。これと同じ検討がいくつか出てくると良いと思います。

投稿者 hif1 : 2005年09月29日 17:08

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