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2005年12月31日

淡々と記述しろ!?

今年最後(と思っていたら最後から二番目)にA群β溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎のdebridementの麻酔を担当しました。
経過とか症状は典型的なものなので学会とかで発表する価値はないと思います。といってもかなり印象強い症例でした。

麻酔中、麻酔後Internetで資料を調べていて気づいたことがありこれから考えてことを書いてみようと思います。
学会の抄録の扱い
Internetが普及してしばらくは学会の抄録がまるまるnetで閲覧できる時期がありました。例えば外科学会の抄録を会員でないぼくが視ることができました。麻酔科学会でも会員でない人も読めるようになっていた時期があると思います。その後、抄録は非公開か会員であることが認証された後でないと読むことができないようになりました。個人情報の保護、権利の保護などが主たる理由だと思います。
しかしこのような状態はある観点からは問題があります。
壊死性筋膜炎の麻酔管理を含めた治療法に関しては相当数の症例報告がなされていると思いますがnet上にあっても閲覧が可能な状態ではありません。
いくら個人的な情報が含まれていると言っても改善の余地はあると思います。

公開するために記録する重要性
医局単位でも症例報告というのは週にいくつかは行われています。たいていは研修医が報告して何らかの議論が行われてそれでお終いということになりますが、tagをつけてネット上に公開すれば膨大な資産が利用可能になります。学会が音頭をとってこのような報告をプールする枠組みを作り、また登録に何らかのインセンティブを与えたら学会でのスペースをsaveすることにもなり報告自体も生かされると思います。
ということは


経過とか症状は程度は甚だしいが典型的なものなので学会とかで発表する価値はないと思います

という態度も批判されなくてはいけないかも知れません。

投稿者 hif1 : 2005年12月31日 19:39

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