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今週の一押し48:"渋滞学”

渋滞学
文字通り’渋滞’に関する本ですが、本当は渋滞を説明できる理論の話です。
様々な世の中の渋滞を論じています。道路で見られる渋滞からInternet上の渋滞。またまたアリの渋滞からまで論じています。

自己駆動粒子(self-driven particle)とは、自分の意志を持って自発的に動く粒子のことで、道を歩く人間は典型例です。これを自己駆動粒子系の理論モデルとしてASEP(非対称単純排除過程、エイセップ)というモデル系を使って解いていくと渋滞がうまく理解できるという仕掛けになっています。道路公団の資料による実際の渋滞をよく説明できるのだそうだ。
ADPとして道路上の自動車を選べば渋滞学であるがADPとしていろんな素子を選ぶことにより、リボゾームでのタンパク質合成、神経細胞における分子モーター(キネシン)の運動などを解析していく様子も記述することができるそうです。

ロゲルギストという六人の物理学者の集団が共同で書いた’物理の散歩道’という本を高校生の時読んだことがあります。この中で確か本書と同じようなアプローチの解析を読んだことがあります。その意味ではとても懐かしかったが、多分ロゲルギストの議論より難しいと思う。

これで渋滞がわかったかというとぼくには自信はないのですが、これから渋滞に巻き込まれるたびにこの本の内容を思い出すだろうということは間違いないと思います。

著者は東大の先生でnetで研究成果も発表されています。西成総研

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2006年12月09日 18:39に投稿されたエントリのページです。

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