医学書院/医学界新聞【新春随想2007(満屋裕明)】(第2716号 2007年1月22日)
医学書院が医学界新聞というものを出版しています。
毎週送っていただいているのですが今週号に熊本大学の満屋先生が登場しておれらます。
熱いです。熱すぎます。相変わらず。
私たちがサイエンスの研究に喜びを感じることはかけがえのない「正義」の一部であって,パリのファッションやハリウッドと同様に「カッコいい」のだ。いや,むしろ,それらよりもはるかに「カッコいい」のだ。ここら辺なんてまさに満屋節炸裂です。
満屋先生の本拠がBethesdaにある時に一度labにおじゃましたことがあります。すでにHIVの治療法の確立で大変な成果をあげておられました。
「あなたに自信があるならなるべく若いボスを自分で選んで留学しなさい。そうでなけらば年寄りのアドバイスに従った方がいいとの助言をいただきました」
結局ぼくは自信はないが自分で選んだボスの元に留学しました。
その後数回お会いしたことがありますが、いつもどこでもとにかく”熱い”です。
エレベータで会った若いカップルが,私が首から下げているIDを目にして,「NIH(米国国立衛生研究所)で何をしているの?」と聞く。私が「エイズの研究」と答えると,彼らは「クール(cool!カッコいい)」と言う。というようなカップルは確かにいたのだと思いますが、その時の「クール」という言葉が本当のほめ言葉かどうかはぼくには分かりません。
滞米中にスピード違反で捕まったことがあります。Johns HopkinsのID tagを首から提げていました。お巡りさんにさんざん文句を言っていたら、おまえはJohns Hopkinsでいったい何をしているのだと聞かれたので、低酸素の研究をしていると答えました。"hypoxia"といったのですが理解していただけずlack of oxygenだとか叫んでいたら、たぶんあきらめてくれて雨も降っているしスピード違反は良くないとさとされ反則切符を切られずに済んだことがあります。
「クール」だと思われたのでしょうか。