2006年06月25日

学会発表の撮影について

IUBMB Congressは世界中から研究者が集まる学会です。
しかしポスターをカメラで撮るなとかとっても良いとかそういった規則があるわけでありません。
口演のslideをカメラで撮影していた人は何人か見ました。ポスターを撮影していた人も何人かいました。
これは仕方ないです。
だって朝の8時半から夕方まで貼ってあるポスターを撮影するなといっても誰が見張って止めさせることなどできないですから。
もし他人に写真撮影されて困ると思ったら学会での発表などしない方がいいと思います。

これで科学の発展が阻害されることなどありません。科学の発展など、月単位で判断されることでなく短くとも年単位で評価されることでしょう。
焦って学会で発表しなくとも”世界”は変わりません。

なんでも規則を決めないといけないと考える方がおかしい。麻酔科学学会でも会員が”常識を”もって行動すれば良いだけだと思います。
著作権とかそういったこととは次元がちがうとぼくは思います。

投稿者 hif1 : 19:48

”茄子 アンダルシアの夏”

ぼくは中学生以来何かのスポーツを持続的にするということはなくスポーツ観戦にも特に興味を持っているわけではありません。
唯一興味を持って見続けているのはツールドフランス(Tour de France)。
毎年スタートからゴールまで選手が自転車を漕いでいるのが放送されれるだけなのですが、実況と解説もおもしろく結構最後までみてしまいます。昨年からはぼくの事情でreal timeでみることができなくなりこれは結構な打撃となっています。
今年も例年通り7/1のプロローグから7/14まで。
cycle road race − J SPORTS STYLE

そろそろと思っていたら昨日テレビで茄子 アンダルシアの夏やっていましたね。偶然観ちゃいました。得した気分です。
黒田硫黄の劇画の映画化。
2003年に劇場公開された映画で、子供と観に行きました。
これはおもしろいです。Jsportの実況と解説者のコンビを起用してブエルタ・ア・エスパーニャを舞台とした映画です。もうDVDにもなっているそうなので興味のある方は借り出ても観てください。
茄子 アンダルシアの夏

投稿者 hif1 : 19:41

2006年06月24日

ちょっとびっくり

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006061600024&genre=G1&area=K00
というわけでぼくらはどうなるのでしょうか。べつに tenure-trackに載せてもらっているわけでないし研究費を保証してもらっているわけでもないし。
病院でせっせと働いて、何年か経ったらとっとと出て行けと云うことでしょうか。

<追記>
今日これ読みました。
経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには
第二章 賞金とプロゴルファーのやる気
3:大学教授を働かせるとは
4:オリンピックの国別メダル予想
5:職務発明に宝くじ型報酬制度
はおもしろかった。

投稿者 hif1 : 20:19

2006年06月23日

負けていた

サッカーって負けていたのですね。
さっき初めて知りました。TVも無いし知りようもありませんでした。

まあどうでもいいけど。

投稿者 hif1 : 23:43

大満足な一日

IUBMBも今日でおしまい。
今日は、留学先でお世話になったSemenza氏と5年半ぶりでreunion. とても楽しい一日を過ごせました。大満足。
朝の9時くらいからずっといました。相変わらず機関銃のようにしゃべっていました。ぼくはまとまって英語をしゃべっていなかったので最初は聴いていたのですが途中から調子が出てきました。日本の大学をめぐる状況を説明するのが結構難しかったです。
学会では総じて外国人のpresentationは聞き取れました。日本人のtalkは両極端でとてもうまくしゃべる人と、”オイオイ”と云う人に分かれますね。

投稿者 hif1 : 23:13

2006年06月17日

手術のビデオ撮影

医療問題弁護団
という弁護士の団体があります。
患者さんの権利を守っていく活動をしていて具体的な事例に関して医療訴訟を行っているようです。
最近職場にもこの団体から
「ビデオ撮影」に関する要望書 | 医療問題弁護団というのもが来てどう対応するかと言うことが話し合われています。
麻酔科の硬膜外腔穿刺とか挿管、中心静脈穿刺にかんしてのビデオ撮影は要求されていないようですがそういう時代も来るのかも知れません。

弁護団のページには訴訟になったときのことも記載してあります。
訴訟 | 示談交渉 - 医療問題弁護団
結局いくらかかるか明確でないわけです。
請け負う内容により費用が確定しないということはあるにせよ目安など書いてあっても良いのにと単純に思います。
また敗訴した場合の弁護士の責任についての記載もありません。
医師は、最近では、行為の結果について責任を追及される傾向にあります。しかし弁護士さんが、敗訴したからと言ってその責任を追及されていると言ったような話は聞いたことがありません。裁判の過程で戦略、戦術上のミスで敗訴するまたは賠償金が減額されると言うことがあると思います。明確にミスが”立証”されたらそれはやはり責任問題になるべきなのでは無いでしょうか。こういった弁護士の過失により被害を被っている人たちを救う活動も今後は必要になっていくと思います。つまり弁護士は、すべての活動の記録を正当に権利を持っている人に開示する仕組みを構築すべきであり、それをしない弁護士はなにかやましいことろがあると見なされるという仕組みを、医療側への要求当時に、自ら構築する義務があるとおもうのですがいかがでしょうか。すべての記録は、認証システムをもつ電子システムに記載し、すべての電話は録音して無期限に保存するということも必要になるかも知れません。
どうなんでしょう。

投稿者 hif1 : 10:29 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月10日

ヘルッエン君に京都賞

Herzenberg教授に本年度の京都賞 が授けられるそうである。
FACSの開発が受賞対象である。
8年ほど前、留学先を探しに米国を廻ったことがあり彼のlabも訪問した。
custum madeのFACS machineを見せてくれて「うちの器械はすごいぞ。7色で細胞を分けることができる。是非うちにきなさい」と云われました。
当時彼のlabはAIDSの研究の一環として細胞内のレドックス制御の仕事をしていてぼくのテーマと共通な部分があったわけです。結局、彼らの(婦人も研究者で二人でlabを運営しています)のlabには行きませんでしたが、何度か直接話をしたことがあります。

INAMORI FOUNDATION: レナード・アーサー・ハーツェンバーグ (Leonard Arthur Herzenberg)氏の業績

投稿者 hif1 : 21:45 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月26日

OFF会でしゃべります

今度神戸で開かれる学会の巨大off会で30分ほどしゃべらせてもらいます。
とくにしゃべらせてくれとお願いしたわけでないのですが、履歴書と業績リストを出せと言われたので出したところ”当選”通知がきました。ぼくはあの有名なAnesthesiologyにもAnesthesia and Analgeniaにも論文がなくそれれはそれで自慢なのですが、それゆえ麻酔科劣等生のぼくをよく”当選”させたなと今回の会長の度胸に敬服しています。

この学会でこんな話をするのはこれで最後でしょうから日頃思っていることをしゃべろうと思っています。今日くらいから準備始めます。
座長の先生他にコメンテーターの先生も二人もつきます。なんか怖いですね。おまえのやっていることは意味がないとか言われはしないかと..

学会でしゃべっているぼくを見る機会はこれ以後ないかもしれません。興味のある方はどうぞ。
こんなこと聞きたいとかあればコメント欄にどうぞ。

出番は6/1の午後。昨年ねつ造事件で揺れた某大学の某有名教授の裏番組です。

投稿者 hif1 : 18:54 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月17日

完全徹夜

やっぱり、一睡もしないというのはきついわ。
単純な判断能力も著しく低下。
昼間3時間の仮眠でかろうじていままで。
もう帰って寝ます。

投稿者 hif1 : 00:21 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月10日

”民間科学”

藤井さんのブログは読んでいると元気が出るのですが、毎日checkしているわけでもなかったのです。今日、仕事をしていたらふっと思いついて読んでみたらこんなエントリー発見です。
ブレインハッカーズ 総長ログ: 川島さん、それじゃFolk Scienceですよ。
いいこといってますよね。
ぼくがやっている活性酸素とかレドックスの世界でも、何がなんでも活性酸素=悪者、抗酸化剤で長生きとか主張している人(あえて名は出しませんが、時計台から半径2km以内にもなんかいますよ)がいて、少し似ているかも知れない。

投稿者 hif1 : 22:21 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月08日

時間が..

しなくてはいけないことが山のようにあります。
締め切りが明確なものもあるし締め切りははっきりとしていないけどできるだけ早くというものまでいろいろ。
連休で少し休んだので元気は元気なのでとにかく今週一週間はがんばろうと思います。

投稿者 hif1 : 02:39 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月03日

”増税”額を計算する

連合が政府の増税案が実現したらいったいいくらの造成になるのかを計算する計算機を公開しています。

計算してみました。
ちょっとしゃれにならない額になりますよ。

投稿者 hif1 : 14:16 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月23日

”死の海を泳いで”

世界:2006年5月号 ”死の海を泳いでから

一昨年の暮れに白血病で逝ったスーザン・ソンタグの息子による文章。

「私は生活の質などに興味はない。自分の命を救うために、あるいは長引かせるために、打てる手はすべて打ってもらいたい——それがどんな大博打であっても」  スーザン・ソンタグは、人生における3度目のがんとの戦いの末、2004年12月28日に71歳で死去した。人生の最後の9ヶ月、骨髄畏形成症候群(MDS,急性骨髄性白血病に至る病い)との絶望的な戦いと彼女を支える医師たちの尽力を、アメリカの医療制度の問題などを織り交ぜながら、母と同じ作家・批評家の道を歩む一人息子の目を通して描く。
という紹介文がnetではついています。

ソンタグ氏がタダの患者であったとは誰も思わないでしょうが、最後のMDSでの加療中は、自分でも普通の患者になっていると息子さんには話していたそうです。
命に関する考えはひとそれぞれ、evidence-based medicineと言ってもどうそれを実際の医療に適応するのかについては医者ごとで様々、絶望的な治療を患者に施すことは倫理的かどうかなどについて考えさせられる良い文章です。
図書館でとか書店で立ち読みしてみてください。

投稿者 hif1 : 19:52 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月22日

April is the cruelest month

4月は、研究者にとって精神衛生上あまり好ましくない時期です。
科研費の発表があるからです。(以前は連休明けくらいでした)
特に、ぼくのような貧乏研究者は科研費くらいしかソースがないのでこの時期はほんとそわそわします。ダメなら学生の先生方の研究が頓挫する可能性もありますから、それでは責任が果たせなくなります。指導者たるものお金を引っ張ってくることが最低限に必要なことです。自分で調達できなければ有力な共同研究者を見つけてくるとか方法はいろいろあるけど、先ず科研費です。

この科研費とかく云々されます。科研費が”当たる”とか”はずれる”という表現を使いますしまさにそれでぴったり。
採択されると”交付申請”しなさいと連絡がありますが落ちた申請には何も連絡なし。まことにそっけない。また採択の基準がどうもはっきりしないというのも、スッキリしない原因の一つです。

以前、神戸大学で行われたある研究班の班会議の昼食中に超大物が科研費の審査について話し始めて皆が耳をダンボにして聞き入っていたと云うことがあります-なんであんな面子の出席している会にぼくがいたのかは今でも謎-。その先生の云うには”びっしり書いた申請書は読む気がしない”ということでした。さすがに飛ばして遠くまで飛んだものは採択とかいった方法ではありませんでした。
以後ぼくも科研費はびっしり書かないということを心がけてはいるのですがついつい書き込んでしまいますが、今年は、字のかわりに絵をいれてみました。これで隙間が適当にでき一見したときの威圧感を軽減することができたと思います。

当たる申請はやはり読んでわかりやすいと言うことはあると思います。必ず他人に読んでもらい語句の修正とかはしたほうがいいです。同僚が読んで理解できないものを、審査委員が読んで理解できる道理がありません。

投稿者 hif1 : 02:08 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月19日

博士号取得者と医師免許取得者を同列に論じても...

柳田先生のblog昨日と今日のエントリーはいただけません。
柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida : 博士号取得者の資格
柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida : 博士ユニオン[組合]を結成したら

博士号をもっていることと医師免許、弁護士登録をしているということを同列に論じることが間違っています。
医師免許は、6年間の職業訓練を経て国家試験に合格してはじめて与えられるのものなので排他的に医業をなすことができるわけです。研究は、国家試験に合格していなくともできるし、もちろん博士号などなくともすることに何の制約もありません。
またどうして


博士号取得者の職を保証するような仕組みを作る必要があります。医師や弁護士のようにいかないまでも、博士号取得者数に応じてある程度の職が必ずあるように行政サイドが制度を触る必要があると思うのです。なんのためにこのように沢山の公的なお金を使って、最高の学術教育をしたのか、それが社会に還元されないではいけません。

である必要があるのでしょうか。それこそ公的資金のムダにつながるとぼくは思います。

ぼくは日本のポスドクが不当にひどい扱いを受けているとは思っていません。以前の職場ではぼくの現在の毎月の給料より高給をとっていた”ポスドク”はいくらでもいました。

投稿者 hif1 : 21:47 | コメント (0) | トラックバック

当たった

ダメならもう研究止めようと思っていたのですが、当たった。
あと三年は研究生活続けます。

基盤B

投稿者 hif1 : 20:04 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月02日

”名誉著者”

柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida : 名誉著者について

これはなかなかsensitiveな問題ですね。こういった問題をどんどん取り上げる柳田先生もすこしこわいです、最近。
ぼくは、お金の問題は無視できない問題だと思っています。この部分の貢献は大きいと判断しています。
だいたい論文なんて 1st authorとcorresponding author(物理的に何番目に名前があるかは別として)のものであってそれ以上のものでもないと皆も思っているのではないでしょうか。
いわれなく著者からはずされたことはぼくにも何回か経験があります。ひどいとも思いますが、そんなことにいちいち文句言っている時間もないしね。外した本人が一番、恥ずかしい思いをしていると思います。まさに”太陽の下歩けない”ような気持ち。

投稿者 hif1 : 20:18 | コメント (0) | トラックバック

Today is the first day of the rest of your life

日本経済新聞での早石先生の”私の履歴書”は3/30で終わりとなりました。
最終回の一番最後で紹介されていたエピソードの学生は、成宮 周 京都大学医学研究科長です。本人から聞いたので間違いないと思います。


Today is the first day of the rest of your life.

気持ちを入れ替えて再出発という意味合いだと思います。

競争に巻き込まれないようにテーマを選んでいても同時期に同じような論文が出ていることもあります。自分たちの論文が通っていたら余裕もありますが自分たちのものが査読中だたたりすると気が気でないです。
もっと時間があればみすみす抜かれることなどないのにと思うと..

投稿者 hif1 : 20:03 | コメント (0) | トラックバック

研究者のIntegrity

大学院コースのretreatが先週ありました。
研究発表や講演などもありかなりためになるというより興味を引かれるものたっだので時間を使って参加して得たものが多かったと思いました。
他の教室の先生方と知り合いにもなれたし。
二日目、院生が企画したのが"研究者のintegrity"というセッション。
昨年、内外で相次いで明らかになった”捏造”問題を直接のきっかけにしたものです。
参加していたすべての院生の意見を聞けました。
また参加していたすべての教官の発現もありとてもよいセッションだったと思います。有馬温泉を場所に選んだ甲斐があったと思います。こんなこと芝蘭会館のホールでやってもいまいち盛り上がらんよね。
学生と教官で微妙に意見の違いがあったことに興味を持ちました。
捏造など10年20年の時間の単位を考えればとくに目くじらを立てて考える問題でもないし私たちの大学で”捏造”防止の為の”対策”を講じるというようなことがあれば-実際には何もしないわけにはいかないのでしょうが-いよいよ世も末だという意見が教官には支配的でしたが、学生は防止の為の対策を講じる必要があるという意見を述べる人が多くいました。ノートの扱いなどに一定のルールが必要だと思いますが、”本気”で捏造を行われたら見抜くことはできんぜ、実際。まただれにも引用のされない論文で捏造が行われても世の中に何の迷惑もかからないという実際的なこともあります。”問題”となるのは、一定の評価を獲得している雑誌に、どんと出てくる論文です。それでもdataは捏造でもコンセプトは正しいー結果的に正しかったというようなメンデルのエンドウ豆の実験のようなーというのもあって一筋縄ではいきません。(科学の罠―過失と不正の科学史にくわしい)

投稿者 hif1 : 19:54 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月22日

大学病院でストライキ

賃上げなど要求、ドイツで大学病院医師のスト広がる : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
日本でも大学病院の給料あげてください。
頼むから。
だってぼくの給料、気の利いたポスドクより安いよ。多分。

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2006年03月17日

今日は無理

今晩、職場の当直です。先週は3時にはベッドにたどり着けたのですが、今日は、暗いうちには無理だと思います。
朝からまた仕事だしな..

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2006年03月14日

”戯作三昧”

子供が正月に撮りためた八犬伝のTV番組を観ていました。
八犬伝ー馬琴で連想されるのがぼくにとっては”戯作三昧”。

曲亭馬琴の朝風呂のシーンからはじまり夜燈火の下で八犬伝を書き継ぐシーンで終わる小説です。
教科書的には馬琴の芸術至上主義の立場を表明した小説だと解説されています。馬琴に芥川自身を重ねているわけです。

八犬伝、確かに大作ですが、水滸伝という手本があったことは確かで風呂屋でそのような批判を聴きたくもなく聞いてしまい、自分でもそう思っているのでやはり打撃をうける。確かに水滸伝を読み返せば、はるかに優れた読み物のように思えてくる。そこに渡辺崋山がやってきて自由に芸術談義をするのでますます自分がつまらなく思えてくる。そんなことを考えながらも結局、今日も八犬伝を書き継ぐ馬琴がいる。
といった内容です。これから読もうと思っていた人がいたらごめんなさい。

オリジナリティーはあるのかと自問自答しながら毎日実験して、机に座り目の覚めるような他人の論文を見つけ落胆している自分に追い打ちをかけるように通りの向こうではこれまた日の出の勢いの若者のセミナーがあるというのに麻酔で聴きに行けない。
もう止めた方がいいのではないかと思いながらも結局、することも他に思いつかず研究室に向かいちょっとした発見に一喜一憂する自分のようで読むたびに身につまされる小説です。

投稿者 hif1 : 23:30 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月12日

生原稿流出

asahi.com: 自筆原稿流出、村上春樹さん「一種の盗品」と問題提起

文藝春秋の記事(ある編集者の生と死——安原顯氏のこと)を読みました-もちろん立ち読み-.
新聞記者はちゃんと文藝春秋のarticleを読んだのでしょうか。
”問題提起”ではあると思いますが、文章の多くは安原氏と自分の関係についてを記述したもので、それとして作家と編集者の関係、編集者の現在の出版における役割、またそのなかで安原氏の位置つけなどが語られ非常に学ぶところの多いものです。
最初、”流出”の記事を読んだときは村上春樹氏はimacで文章を書いているなんだがなと思っていたので何で’生原稿”とおもいましたが事情もわかりました。

生原稿を個人が”所有する”ことの意義がよくわからないのですが、コレクターにとっては何らかの意味があるのでしょうね。

ぼくも大江健三郎氏から直接もらった葉書を持っているはずです。

投稿者 hif1 : 12:17 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月10日

今からでも遅くない。考え直して

レジデント初期研修用資料: 投機としての進路選択
今回は、いつもにもましてヒットされました。
まさにぼくの歩んできた道のようなきもしないでもないです。

研修医が持てる力は乏しい。いつでも避難できる場所、戻れる場所を確保しておくのは大事だ。後方の守りを忘れて前進に全力投球できるからこそ、新しい挑戦もできるし、状況の変化にも余裕を持って対処が可能になる。 退路を断った、1点全賭けは自殺行為だ。
退路を断ったことなどタダの一度もありません。
大学医局。不義理を重ねてしまったけれど、最悪の時に土下座して泣きつけば、たぶん何とかしてくれるんじゃないか、と思う…。甘いっすかね。
全然甘くありません。ぼくも結局大学で働いております。

賢明な研修医諸君には是非ともよく考えて行動していただきたいものです。
今からでも遅くありません。

大規模病院に骨をうずめる覚悟で就職する。大学病院の医局に入局して、その関連施設を回りながらキャリアを伸ばしていく。先の見えない時代。だからこそ、伝統的なスタイルというのには強みがある。 どんな業界でも、必ず波がある。デイトレーダーは小船に乗って、波に乗る。長期投資家は、大きな船で波を突っ切る。 * 波が大きくなると、小船は簡単にひっくり返る。だから、デイトレーダーは何艘もの舟に声をかけておいて、八艘飛びよろしく小船の間を飛び回る。 * 大きな船は安定している。ところが、波がもっと大きくなると、大きな船は波のパワーに負けて、船ごと折れてしまう。 今の医療の業界に訪れている「波」の大きさは、相当に大きい。
ってことですよ。

当直明けでさっきまで働いていたのですこしハイになっています..

投稿者 hif1 : 22:36 | コメント (0) | トラックバック

2006年03月03日

月田さんと梅園さん

月田承一郎先生が亡くなりネットでもいろんな方が思い出を語ったり先生の業績、人となりを語ると言うことがあります。
私たちの医学部の同窓会は芝蘭会と言いますが、会報が定期的に発行されています。昨日一番新しいものが郵送されてきました。古瀬さんが月田先生への追悼文を執筆なさっておられました。とても良い文章で長い間一緒に研究を進めてこられた人ならではの文章だと思いました。
小さな小さなクローディン発見物語―若い研究者へ遺すメッセージも出版されました。科学を志す若い人たちは読んだ方がいいと思います。

月田先生とはぼくは個人的にはつながりは無かったですが、こういったときにいつも思い出すのは41歳で亡くなられた梅園和彦先生のことです。梅園さんがSalkから奈良先端大学院大学に移られてまもなく、当時進めていた研究の相談に上がったことがあります。時間をかけてぼくの話を聞いてくださり研究のアドバイスを頂きplasmidなども分けて頂きました。結局その仕事で論文がまとまり学位を取得することができました。ぼくは人の意見を聞かない人間で初めての論文が出るのに大学院の4年では足りず5年ほどかかりました。そこでまた半年以上ほっておいたので学位の取得にはさらに一年近くの時間がかかりました。学位の公聴会の日は長野オリンピックで清水選手が金メダルをとった日であったということはいまでも記憶しています。1997年のその論文はぼくの書いたすべての論文の中でいまだに引用回数が一番を更新中です。留学の時に頂いた奨学金などもどう考えてもその論文のおかげだとしか思えません。ウイルス研に移られてからも何度か酒席をご一緒させて頂いたこともありアイデアの柔軟さにいつも驚かされました。その体験以来アイデアを実現する実験系をどう構築すべきか、何かを証明するためにはどういった実験をすべきかということを意識するようになり、こういったプロセスを楽しむことがぼくのサイエンスの方法論となりました。
梅園体験はぼくにとって空前絶後のもので、ぼくにとって身近に存在した最高の科学者でした。いままでふらふらと研究を続けてこられたのも梅園さんの存在無くしてはあり得ないと思っています。

googleで検索してみましたが梅園さんの思い出などを語ったページはあまり見あたりませんでした。ぼくが一つは書いておく意味があると思いました。

奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科には梅園賞というのがあるそうです。

投稿者 hif1 : 22:41 | コメント (0) | トラックバック

特許なんだから

東大教授の論文不正、産総研調査委が特許取り下げ要求 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ここ数年日本では研究の成果で特許申請をすると言うことが推奨されてきた。出願特許数をもって研究の成果がどれだけ上がっているかの指標とされる場合もあります。しかし特許というのはその特許が正しいかどうかを保証する制度ではなのです。特にウソで固めたdataをつけて出願された特許は特許として認める他はないので容易に特許がとれます。論文を通すのより簡単です。特許にpeer reviewありませんから。
問題はそんな特許は最終的に何も生み出さないと言うことです。特許を維持する費用がかかるだけでそんな特許持っていても損をするばかりなのです。
そのような特許を買った企業はバカなのです。
そういった眼で特許と言うのも見ないといけないと思います。

産業技術総合研究所も以前の職場ですから悪口は書きたくないのですがすこしずれている所だとは思います。
今回の一連の件でもキチンとした内部調査をしているのでしょうか。キチンとこのlabに今までいくらつぎ込んできたのかとかそういったことも公表したら良いと思います。皆さんびっくりするくらいの金額が投入されていましたから。

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2006年02月25日

新病棟

こどものおいしゃさん日記 おおきくなりたいね : 京大病院に70億円
痛快なアイデアですね。
こんなことができるような雰囲気ができたらうちの病院も(もっと-とかくべきか)良くなっていくと思います。
やっぱり病院はsoftware的な面が重要ですよね。
地下の売店を何とかするとか今すぐできることも多いよね。
個人的には 24時間営業のまともな院内カフェテリアと有料でも何でも良いので24時間開いている院内銭湯つくって欲しいです。
○両の出前に毎回1000円も出すのは値段も高く健康にも悪い、と思います。
いまの病棟も天井が低い-階段の段数が少ない-エレベーター無しで駆け上がれるといった良い面もありますけど..
また新病棟完成までいるかどうかも分かりませんけど..

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2006年02月18日

”天才に学べ”といわれても..

金曜日、当直明けにもかかわらず金曜日緊急手術の嵐でした。よく考えたらぼくが当直明けだということと緊急手術が入ると言うことに何の関連もないのですからしようがないと言えばしようがありません。
さてまた図書館で雑誌あさりです。
文藝春秋_060301
芥川賞小説掲載号。
一番おもしろかったのは
「心の貌 昭和事件史発掘」
柳田邦夫、堀田 力、内田 健三 各氏の鼎談。
堀田氏の発言がおもしろい。造船事件が汚職文化の変わり目だという説に妙に納得しました。
現代人必携 日本の常識44
常識#36 はリリーフランキーさんです。ある特定の人物が「常識」になっているのは彼だけなのです。解説は、本上まなみさんで、この解説だけを立ち読みするだけで今月号の文藝春秋は良いのではないでしょうか。
皇室問題は読んだだけ時間の無駄でした。

BRUTUS ONLINE
今週の特集は「天才たちに学べ」

年若い天才も何人も登場。このような「天才」には本当の天才と、歳が若いので凄いというのと二通りあるでしょう。画家のアキアナ・クラマリックは本当にすごそう。

よくわかることは、当直で少しくらい働いたからといってぶーたれているぼくは、もう終わっていると言うこと。「天才」が、塾の講師より安い時給で働いていると言うことはあり得ませんよね。
また明日も丸一日当直です。

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2006年02月17日

単純な世界に..

当直も毎回これくらいまでかかるとさすがに体力的な限界に到達していく感じがしますね。
当直代を考えるとさらに悲しくなります。
診療報酬など改訂する前に働いた量に応じて収入が決まるという至極単純な原則に則った体系にシフトしてくれたらいいのにと思います。
同じ病院に勤めていても、例えばする麻酔の種類、量が異なれば収入は異なるということはあっても当然の様な気がします。5時に帰りたい人はその時間までの収入、夜遅くまで働けば収入が増えるという体系になったら単純明快な世界になると思うのですがね..

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2006年02月11日

多比良先生の件

Natureの記事に続いて
(Doubts over biochemist's data expose holes in Japanese fraud laws
Ichiko Fuyunoand David Cyranoski
vol.439, p514, 2006)

東京大学の多比良先生の記事がScienceにも出ています。

SCIENTIFIC CONDUCT: Panel Discredits Findings of Tokyo University Team -- Normile 311 (5761): 595 -- Science
多比良先生がdismissされるだろうと突っ込んだ表現もあります。

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2006年02月07日

原理主義と機能主義

More European Papers Print Cartoons of Muhammad, Fueling Dispute With Muslims - New York Times
この事件大変な事になっているようですが今日、内田樹先生のブログにおもしろいエントリーがあったので紹介しておきます。
内田樹の研究室: 原理主義と機能主義

この対立というかせめぎ合いは、詩人とか料理人の領域にも増して医療の世界で常にあります。
医療人は多分自分は”機能主義者”だと思っている人が多いと思いますがそういう人に限って”機能主義ー原理主義者”だったりするわけです。臨床の現場では何のかんの言っても、結果が一番重要なので話は簡単だという考えもあります。何を言おうがまた言わなかろうが、うまくいったものの勝ちという身もふたもない評価基準があります。極論すれば最終的には”うまくいけば”それでいいのです。
安全管理とかそういったことに最近特に原理主義vs機能主義の対立があるし、病院システムの運用でも同じようなせめぎ合いが噴出してくるということがあります。安全管理室とかありますよね。

例の”台帳”問題でも、いくらしっかりとしたシステムを導入したって入力された一つ一つがいい加減だったら結果はいい加減なものにしかなりません。そしたら別に毎年手書きの報告が出たって変わらないはずだし、それがどれくらいな違いをもたらすものかをある程度調べることだってできるはずだしそれをしないでの導入にはどう考えたって無理があるわけです。どう考えても台帳システムを導入した人たちは原理主義者と見なされると思いますが、多分自分たちは”機能主義者”だと思っていたに違いないです。

研究の分野では、原理主義と機能主義の対立は理想主義と現実主義というような対立軸になるのかも知れません。これはまた別の機会に。

ぼくは一応、原理主義で理想主義です。それでもいつも妥協するし、refreeの言うことを聞いてすぐに論文の主張をtone downさせたり、しょうもない追加実験もしてしまいます。

今日は、いくつか仕事をかたづけられたのでもう帰って寝ます。

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春休み

今日お昼ご飯を食べに生協に行ったらもう春休みでした。
なんてこったい。
吉田キャンパスの先生方はもう授業つまりdutyがないんだと思うと、毎日病院で働いている自分たちにも春休みをくれといいたくなります。
春休み下さい。一ヶ月くらい。

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2006年01月24日

ありがとうございました

今晩、職場の秘書さんの送別会がありました。10年弱にわたり勤めて頂いた方です。
ぼくが院を終わり、はじめて今の職場に勤務しだしたときに一緒にstartした方です。米国にいたときも、某研究所でぶらぶらしていたときもやりとりをして頂き、また今の職場に復帰するときにもお世話になりました。
次の局面でも、がんばる必要なないけど、幸せにやってくだいませ。

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2006年01月20日

疲れた

昨日の朝9時から麻酔をはじめてさっき交替してもらうまで20時間で、10個の麻酔をしました。
さすがに疲れたな。

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2006年01月04日

今年は出すよ

今年も今日から本格始動です。
今年は生化学学会も分子生物学学会も6月に京都です。
久々に演題出すよ。(締め切りは1月末)
というか
20th IUBMB Congress in Kyoto, Japan
にまとめらる。

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2006年01月02日

部屋が寒い

当直でないのですがちょっと用があって研究室に来ていました。
異様に静かですこし怖くなりました。部屋も寒いし。

今年もやるべき事をやるしかないということで特に掲げる目標はありません

年末TVを視ました。
NHKの伊東四朗のNHKドラマ : 「名探偵 赤富士鷹」はおもしろかったと思います。

一応古畑任三郎も視る予定です。

ではことしもよろしく。

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2005年12月31日

honesty in science

研究ということから今年を振り返れば一番の重大なポイントは学問の誠実性だと個人的には思います。
年末にbreakoutしたES cellにまつわる一連の報道には度肝を抜かれましたが、日本でもいくつかの事例が明らかになりました。

科学研究が研究を遂行する研究者のhonestyに依存するしかないと個人的には考えています。
不正行為を働いた研究者にペナルティーを科す仕組みをいくら作ったからといって不正を根絶することはできないでしょう。研究者はさまざまな個人的な動機づけに動かされて研究を継続しています。ある人は、単純に出世したいため、また神の作った秩序に支配される森羅万象の原理を明らかにするために研究に取り組んでいる人もいます。
医療の世界にしても、すべての価値の根源としての人の生命に奉仕する目的で働いている人もいるし、身もふたもないお金が目的も人もいるでしょう。この場合でも医療従事者個人個人の生命に対する畏敬が最終的な防波堤になっているはずですしそこに依存する以外にはどうしようもないわけです。
つまりどんな制度をつくっても絶対的に不正は根絶できないのです。
ぼくはしかし制度をつくることに反対しているわけではありません、一応念のため。

といっても研究の世界と言うのは意外どころか当たり前に狭く、大多数の人にとっては東大論文問題:RNA第一人者・多比良教授を処分へ−−裏付け資料出せず何がどうなっているのか多分解らないと思います。

さて今年もお終いですが、


去年今年貫く棒の如きもの

の心構えでやっていこうと思います。

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淡々と記述しろ!?

今年最後(と思っていたら最後から二番目)にA群β溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎のdebridementの麻酔を担当しました。
経過とか症状は典型的なものなので学会とかで発表する価値はないと思います。といってもかなり印象強い症例でした。

麻酔中、麻酔後Internetで資料を調べていて気づいたことがありこれから考えてことを書いてみようと思います。
学会の抄録の扱い
Internetが普及してしばらくは学会の抄録がまるまるnetで閲覧できる時期がありました。例えば外科学会の抄録を会員でないぼくが視ることができました。麻酔科学会でも会員でない人も読めるようになっていた時期があると思います。その後、抄録は非公開か会員であることが認証された後でないと読むことができないようになりました。個人情報の保護、権利の保護などが主たる理由だと思います。
しかしこのような状態はある観点からは問題があります。
壊死性筋膜炎の麻酔管理を含めた治療法に関しては相当数の症例報告がなされていると思いますがnet上にあっても閲覧が可能な状態ではありません。
いくら個人的な情報が含まれていると言っても改善の余地はあると思います。

公開するために記録する重要性
医局単位でも症例報告というのは週にいくつかは行われています。たいていは研修医が報告して何らかの議論が行われてそれでお終いということになりますが、tagをつけてネット上に公開すれば膨大な資産が利用可能になります。学会が音頭をとってこのような報告をプールする枠組みを作り、また登録に何らかのインセンティブを与えたら学会でのスペースをsaveすることにもなり報告自体も生かされると思います。
ということは


経過とか症状は程度は甚だしいが典型的なものなので学会とかで発表する価値はないと思います

という態度も批判されなくてはいけないかも知れません。

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2005年12月23日

”わかる”とは

柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida "細胞はまだ作れない"
時間ができたので書いてみます。
柳田先生のblogで先生が


生命科学は進歩したと喧伝されてますが、それほどでもありません。
細胞を人工的に作ることができないのです。
簡単そうでいて、本当は非常に難しいのかもしれません。あと10年もすればできるのか、それとも50年くらいかかるのか。それすら分かりません。

と書いておられます。
同じ意味のことをすごく以前に養老孟さんが書いているのを読んだことがあります。例えば眼を本当に理解したと言うことはどういう事か、人工の眼を作れるとしたらそれは眼を理解したといって良いだろう。人工の細胞を作れるとしたらそれは細胞を理解したといってよいだろうという議論だったと思います。
”理解した””わかった”と言うことをこう置き換えられる場合は話が早いしわかりやすいですが、理解する対象が”こと””現象”である場合はややこしいです。
例えば、意識を無くす方法がわかったとしても麻酔の作用機序を理解したとはいえませんね。残念ながら。でも患者さんの麻酔をすることはできます。

投稿者 hif1 : 22:29 | コメント (0) | トラックバック

2005年12月17日

クライマーズハイの後編

12日にテレビドラマ、クライマーズハイを観ての自分の感想を書いてみました。
今日、後編が放送されました。
佐藤浩市の編集者としてのふがなさが、研究者としての自分の至らなさとだぶって考えさせられました。
自分たちの見つけたおもしろい現象をとことん追究していくだけの度胸というか自信がないのでやるべきことができないのだと思うことがあります。

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2005年12月16日

natural high

さっきまで麻酔をしてました。
天気も良いし気分はとてもhighなのですが、またこれら一日、麻酔だと思うとすこしつらいです。

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2005年12月12日

クライマーズ・ハイ

先週の土曜日(12/10)に横山秀夫氏のクライマーズ・ハイを原作としたテレビドラマがNHKで放送されました。当直だったのですが録画しておいてもらい今日家で観ました。原作は読んだことがなかったのですが、心を動かされるドラマでした。
主人公を佐藤浩市さんが演じているのですが、新聞記者としては優等生とは言い難い人物として出てきます。
20年前の日航機墜落事故をめぐる群馬県の地方新聞社がドラマの舞台です。
地方新聞と中央新聞の対立や新聞社内の上司と部下の確執とかそういったことを織り込んでドラマが進んでいきます。
観ていくと新聞の世界と研究の世界に類似点が多いなと自分には思えてきました。
事件、事故に対する対応も地方紙は中央紙と竹槍をもって戦わないといけないとかそのような言葉が出てきます。
最も身につまされたのは、ある記事の扱いをめぐって主人公とその上司役の岸部一徳が焼き肉屋でやり合うシーンでした。
主人公が、負けた自分たちを卑下するのですが、上司は新聞記者などどこの社でも同じだ、大きくても小さくても取材をして記事にするという作業は同じ、でっかい相手から取材できればでっかい記事になるがそれは、そいつが凄い記者だという証明にはならない、地方紙の記者が負けたなどと思ってもそれを口に出して言い訳とか自分たちを卑下してはならないと反論するのです。
麻酔科などの臨床科にいて、日勤も当直も緊急手術もこなしながら、外国や基礎の教室で毎日研究に取り組んでいる研究者と渡り合うことが果たしてできるのか。どうやればそれが可能になるのか。といった自問自答を繰り返しながらやっています。それでも抜かれることが多い。ネタは一緒でも大したことのない論文を発見した場合落ち込みも小さいですが、見事まるまるN誌の姉妹紙とかに出てきたら凄く落ち込みます。こっちだって一年はやっているし、関わっている院生もいるんだしね、とおもっている自分への言葉の様な気がしました。最近では雑音を立つために生化学学会とか分子生物学会などにも出席していません。というか出席できる環境にも無いのですが。
まったくダメデスクの佐藤浩市が今の自分です。
ここ数年でいろんな研究環境を渡り歩いています。留学していたJohns Hopkinsのlab.。帰国してから一年半いた某省系の独立行政法人の研究所。研究所にいたときは当直も緊急もなく、さらに裁量労働制などとと言う魔法の仕組みにより日に一時間勤務したらその日一日勤務したと見なすとかいうふざけた制度に乗っかって好きにやっていました。そんな職場から、市中病院の旧手術室跡の研究室で麻酔をしながら一年半やってから今の職場に移りました。なぜか今より市中病院でやっていたときのほうがうまく行っていたのが不思議です。
お金と時間があれば、でっかいことができるのは当たり前だ。そうでなくとも何とか前進いきたいね。
今週の土曜日に後編があります。

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2005年12月10日

あと12時間

あと12時間で当直お終いです。
木曜日の朝に病院に出て、木曜日は当直。金曜の朝から午後8時過ぎまで麻酔その後12時間後の今日の朝から当直で現在に至ってます。
木曜日の夕方から金曜日にかけてのぼくの責任時間にも緊急手術はありませんでした。これだけ長い時間緊急手術がないのもめずらしいです。このまま明日の朝まで行くのか、いつものように夜中にやっぱり働いているのか、どっちでしょうか。

かなり詰めて自分の仕事ができたので今日はもういいです。

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2005年12月04日

"分子生物学のもつ浅薄さ"

"分子生物学のもつ浅薄さ"
というエントリーが柳田先生のblog(柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida)にありました。

いつも考えていることとよく似ていたのでおもしろく読めました。

ぼくはずっと分子生物学という方法論に依って研究を進めてきました。
この学問は、ある分子、蛋白質、DNA、RNAの性質を調べることにより生命現象を説明しようと言うものです。決して分子生物学を用いた研究がそれ以外の方法論と比較して高尚と言うわけでもないし低級と言うわけでもないと思います。要するにタダの方法論なのです。しかしこれを用いると何か”解った”という気になることがあるわけです。ぼくは分子生物学を培養細胞に適応して、細胞の生理を主に追究していましたが最近は日和ってそこら辺に転がっている薬剤を使った薬理学的なこともやっています。このような方法論を個体に適応すればはやりのknockout mouseを使ったような仕事となるわけです。マウスを用いて精神というか心の問題を追究する研究者もいます。もっと卑近には、揮発性麻酔薬が心筋のpreconditioningをもたらす。あるリン酸化酵素の活性化がある分子生物学的な指標で確認された、またその酵素の”阻害薬”がpreconditioningを部分的に阻害した、ということをもってある酵素がそのpreconditioningに必須だ結論つける、といった具合です。
ここで”浅薄さ”を持ってくるととてもそぐうと思っています。
細胞の性質を論じているレベル程度ではなかなかそうは思われないのですが、ある遺伝子の変異で高次の精神的な問題例えばschizophreniaとか恋愛感情をネズミを使って説明しようとすれば誰が考えてもかなり””浅薄な”感じを受けると思います。
痛みの研究にしてもある単一の遺伝子で何かがすべて説明できると考えるのはかなり浅いし、その研究者が本気でそう思っているとすれば、その人はかなり単純な頭脳を持っている人であると思います。
しかし


とりあえず、新しい性質がみつかり、それで興味深い物語ができれば、それでその配役をしているものは、配役の役割以上のものとは思われないわけです。

ということもありまた

ひとつひとつのステップはたとえ浅薄のようにみえても、それらは力強いストリーを作り、それ真実であるかどうかが検証される。これが分子生物学の歴史でした。そのストリーは後から思えば浅さの目立つものとは言え、現に進歩している瞬間ではそのようなものは欠陥とは思われないのです。

ということが連綿と継続していくならかなり強いうねりというかストーリーが生まれてくると言うことになります。
医学研究ということになると究極の目的は、ヒトの疾患を予防したり、診断したりさらに治癒させる方法論を見いだすと言うことになると思いますが、そこまでたどり着けば”浅薄”とは言われなくなるのでしょうか。

こういった問題とhypoxia research::blog: 雑誌の記事からで紹介した”世界”の座談会の内容も無関係では無いと思います。

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2005年12月03日

動くほど損?

やっとさっき麻酔が終わりました。
さて毎日新聞の特集ですが今回は
MSN-Mainichi 「動くほど損」する日本
という題で流動性に乏しい日本の研究社会についての記事です。
ぼくなど今の研究場所で5つめです。
ここ5年だけでも3回移っています。ほぼ一年半に一回研究場所を移しているわけです。確かに退職金などあるかないかというほどしかもらえずボーナスも中途半端にしかもらえなかったのは事実です。これはこれで困ったものです。


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2005年11月19日

業務連絡

アメリカからのfaxがようやく昨晩遅く届きさきほど作業終了です。
皆さんにももうすぐ送付します。
月曜日には出しちゃいたいと思います。

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2005年11月13日

今日も当直

今日も朝から当直です。
朝のうち京都は良い天気で部屋から比叡山が非常にきれいに見えていましたがお昼頃にはくもりはじめて現在も変化なしです。部屋からはしっかり確認できませんが西の方から光が差しているようで雲が色づいています。
いつもならこのくらいの時間にPHSが鳴って緊急手術なのですが今日はどうなのでしょうか。風邪も何とかタイレノールをのんでいれば頭痛などない状態まで回復してきました。

新研修制度が導入されて来年は初期研修を終わった先生方が後期研修に入るわけですが結局麻酔科を専攻する人の数は従来と比較して増えたのでしょうか減ったのでしょうかなにか把握する方法はないのでしょうか?  初期研修の時のような地域による偏在などあるのでしょうか?  

[追記]
やっぱり緊急手術ありました。
今3時10分前です。
明日も当然仕事なのでもう寝ます。

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2005年11月10日

とうとう電池切れ

風邪を引いたようです。
冷静に考えると2005年になってはじめてでないかという気がしています。
11月でとうとう電池切れです。
とにかく暖かくして寝たいのですが布団が薄くて明け方は寒いんですよね..

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ありえない

MSN-Mainichi INTERACTIVE 理系白書’05:第3部 流動化の時代/2 教授も「必死」の任期制
マッシーの頸が飛ぶなどありえないよ。
そんなことが起これば日本の生命科学系の教授の99%は職をうしなうとことになると思いますけど。
大新聞はもっとリアルな現場を伝えて欲しいものです。
つまりホントに職を失った人を一人でも登場させて欲しい。

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2005年11月08日

NF-kBは20年目

Keystone Symposia | Scientific Conferences on Biomedical and Life Science Topics: NF-kappaB: 20 Years on the Road from Biochemistry to Pathology
こんなのがBanff Springであるようです。行きたいね。でも無理。
Baeuerle氏の名前は無いようです。少し寂しい。
HIF-1の場合いつをもってカウントを始めるかが少し難しいですが、一応1995年のcDNA cloningとすると今年で10年です。最初の5年は全体の論文数もすくなかったのがNF-kBと異なることか。
偉大な発見も創始者が誰かわからなくなるくらいに一般化しないと一人前にならないのでしょうか。


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2005年11月05日

雑誌の記事から

本当に久々に図書館に行ってきました。
読みたい本を借りることができ大満足。

雑誌のまとめ読みができこれまた大満足。

充実していたのは岩波書店の”世界”11月号。
特集は
特 集 総理専制政治とどう対決するか
どの論文も非常にタメになります。
それにしてもどうして皆自分から奪っていくような政策を掲げている政党に総選挙で投票したのでしょうか。いまだに謎です。

さらに出色は
”脳科学は教育を変えるか”
という座談です。
伊藤正男/榊原洋一/柳沢正史/河原ノリエの四氏の討論なのですがやはりというか一番歯切れがよいのは柳沢先生です。
内容は


いま、脳科学がブームである。学習概念を「脳が外界からの刺激によって神経回路を構築する過程」ととらえ、脳科学からの知見を教育に生かそうとする動きが出てきている。たとえば、「音読」や「百ます計算」が巷をにぎわしているが、脳科学の立場からはこれをどう評価すべきか。
 「脳科学と教育」というテーマを立てたとき、脳科学の現状では何がどこまでわかっていてどこまでわかっていないのか、脳科学が教育に貢献している分野(学習障害の問題など)においてどのような研究が進められているのか、という点について、まずきちんとおさえておくことが必須のはずである。そのうえで、ハードサイエンスと「似非科学」を見分け、脳科学を教育に生かすための「サイエンティフィック・リテラシー」を社会に根付かせるために、脳科学者にはどのような貢献ができるのかを考えなければならない。

こんな感じ。

とにかく「似非科学」が多すぎますよね。旧国立大学の教授が税金でサポートされた研究をもとに後は空想を展開して万病に効く物質や”頭が良くなる方法”などを見いだし企業と結託して商売を展開している様は醜悪でさえあります。これが産学協同とかトランスレーショナルリサーチだとかいって推進されているのも腹立たしい。
論文はウソなら引用されなくなったり単純に無視されたりして自然に淘汰されていきますが、虚偽の研究に基づいて行われる臨床治験などやもっと規制の緩い特定食品などは、直接に患者や被験者、消費者の生命の危機につながる場合もあります。
ちょっと前に紹介した”ストレスセンサー”の話も自殺予防に役に立つとは専門家はだれも思わないでしょうが堂々と記事として出ている。新聞記者がバカか何かの理由でこういう記事を書くことを強要されているとしか思えませんね。
hypoxia research::blog: "ストレス:だ液で測る装置開発"


科学者は真理の追究という自らの責務に対してもっと忠実であるべきだという思いを強くしました。

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2005年11月04日

一万人のポスドクが漂っている?

今日(というかもう昨日だ)もこの前の日曜日に続き朝から当直でした。天気も悪く雨も降ったようですが手術室にいたら全然気づきませんでした。

手術室内の控え室に新聞があり読んでたら
MSN-Mainichi INTERACTIVE 理系白書’05:第3部 流動化の時代/1 漂う“ポスドク”1万人
の記事に遭遇。
最近結構(一部で)話題になっているネタですね。


ポスドクを多く採用している日本学術振興会と理化学研究所は、03年度に任期を終えたポスドクについて、その後の進路を調べた。終了直後、常勤の職に就ける人は3割前後で、再び任期付きの職や非常勤職を渡り歩く人が多かった(グラフ2)。

とかありましたが、ぼくの職も実は任期が付いていて(多分5年)常勤ではあるがいたいだけいられるわけではありません。こういった職はどんどん増えていますよ。以前の職場でも7年の期限がついていました。
ぼくは幸か不幸か日本でもアメリカでもポスドクというものになったことがないし就職で困ったこともないので何とも言えないのですが、やっぱり職が見つかったらえり好みしないというのも大切ではないかと思っています。えり好みしないから職に困らなかったのだと思っています。

同じ記事で
小林信一・筑波大大学研究センター教授曰く


学位をどんどん出してきた大学院は、一度反省すべきです。博士自身も、研究だけでなく周辺の仕事まで視野を広げてキャリアを考えてほしい

”周辺の仕事”ってなにかと思いますが、博士号を持っていても研究職に就く必要は必ずしも無いわけです。逆に、高学歴、つまり博士号をもっていても、高い収入が保証されるわけでなく”学校の先生”より低い収入でがんばる必要もあると思います”夢”のためには。
世間では例えばソニーは二万人削減、公務員も5年間で2万人以上を純減してその間に事務・事業の整理・合理化を進め、最終的に06年度から10年間で8.1万人を純減させる計画なのだからそれとポスドクに政府の支援の元に雇用を確保するというのはどういう整合性があるのかよく解らないといえば解らないね。

まとめて昨日の毎日新聞も読みましたが
MSN-Mainichi INTERACTIVE 発信箱:足の裏の飯粒
こんなこと書いている記者がいます。
博士号は得するとかそのためにとるのではなく研究者としてやっていくための最低限のpassportだから研究を続けるためには取る必要があるのだと思います。なので研究するつもりが無ければとる必要というか取って特をすることは無いと思いますが、何か達成できたという証にしはなるわけで、大学院”全入”時代の今となっては取るなら立派に取れということになるのではないのでしょうか。

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2005年10月30日

やっと終わった

今日もとても良い天気だったようですが朝からモグラのように院内にとどまり当直です。毎月休みが二回くらい当直に消えていくのですからつらいと言えばつらいですね。

科研費(日本学術振興会科学研究費補助金)の申請書の仕上げに懸かっていたのですが直そうと思えばいくらでも変更点が出てきてきりがないです。すこしのことで当たりはずれが決まるのだと思うと結局もう少しがんばろうと思ってしまうわけです。そのおかげで他にする必要のあることが後回しになります。
大きな緊急手術が無かったのでかなり仕事が進みました。
大学全体の締め切りはもう少し後なのでですが、部屋の締め切りは明日。というわけで明日を過ぎれば悪あがきが出来なくなるというわけです。
3日も当直だしその日はもっと別な仕事を仕上げてしまおうと思っています。

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2005年10月25日

OSCEとCBT

いまの医学部の学生は時期としてはポリクリに進む前に診察技能・態度の評価のためにOSCE (Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)というのを受験することになっています(受験料が必要)。患者さんの前に出るのに恥ずかしくない程度の常識的な態度とskillがあるかどうかを評価する試験です。
今年の冬から本格的に導入されるそうですがなかなか大変です。これも一種の試験ですから早速受験産業が参入しているそうです。大学により運用は違うのですが”合格”しないとポリクリに進めないとか、マッチングにこの点数が必要となるとか様々な情報が飛び交っています。
これと対になるものにCBT (Computer Based Test)という知識を問う試験があります。

今の学生も大変ですね。
これにつきあう大学の教員も大変なんですが..

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ASA meeting

久々に書いてみます。

用がありASAのpageを見に行って気付いたのですが今ASAの年会をやっているのですね。まったく意識の外でした。

さてASAのpageでこんな記事を見つけました。
2005 Anesthesia Fee Survey Results are in August ASA NEWSLETTER

大したものです。

日本では麻酔をしてもする病院ごとで報酬はまちまちです。
自分が常勤医としている勤務している病院では一日にいくつしようが報酬はかわらない場合がほとんどです。非常勤でも時間外はつくがいくつやっても一緒の所から一ついくらで報酬をもらう場合もある。
日本の制度の困難な点はここにあると思います。
ぼくの常勤病院というか勤め先でもらう報酬は、今話題になっている”学校の先生の給料の平均”より低いことを知って呆然としているのですがこういったことが日本では容易に起きてしまうのです。
freeでやろうと思う人がいてもまったく不思議でないと思います。

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2005年10月18日

Your work should be an act of love, not a marriage of convenience

小説の一文です。
どういう文脈かを説明すると小説のプロットを書くことになるので止めておきます。

小説は村上春樹氏の
THE KIDNEY-SHAPED STONE THAT MOVES EVERY DAYでここから英訳を読むことが出来ます。
The New Yorker: Fiction
日本語のタイトルはそのまんまで
”日々移動する腎臓のかたちをした石”です。

ちなみに原文は"
職業というのは本来、愛の行為であるべきなんです。便宜的な結婚みたいなものでなく。"ですのですこし感じが違うかも。

自分の職業というか仕事がこうなっている人は幸せでしょうね。
臨床でも研究でも専門医の資格をとるとか学位をとるとかそういった目的のためにやっている間はなかなかおもしろみとかが解ってこないし、行為自体をなすだけで幸福を味わうという、つまり麻酔をするとか実験をしてなんらかの発見をするという事自体で幸福になれるろいうような体験はできないのかもしれません。

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2005年10月08日

Lithiumの意外な作用

Lithium induces autophagy by inhibiting inositol monophosphatase -- Sarkar et al. 170 (7): 1101 -- The Journal of Cell Biology
Lithiumのおもしろい作用。 

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2005年09月15日

生データがない


各紙で報道されている東京大学の工学部の多比良教授の部屋からの論文に関する問題は少し前に発覚した大阪大学でのケースとは比較にならないくらい大きな”事件”で、この後、日本の研究の進め方に大きな影響を与えると思います。
研究ノートの取りかたを含めたデータの管理に米国並みのものが要求されることになっていくでしょう。ルーズリーフに実験ログをとっていくというようなやり方は禁止されるかもしれません。

米国でかなり前に大問題になりそれを防止するためのいろんなルールが導入されてきました。日本から米国に留学する人は非常に多くそれらのひとも米国ではそのルールに従って研究をやってきたわけですから帰国してもそのレベルのデータ管理は出来るはずですよね。


職業としての学問にあるとおり学問が職業として成立して以来そのあり方は善きにつけあしきにつけ変わったのだと思います。競争に勝つという要素が否応なく取り入れられてきています。競争といってもASAにいくつ採択されたかやAnesthesiologyに論文が掲載されるといった次元の低いものからノーベル賞を争うといったレベルのものまでありますが、とにかく自分の属している集団では生き残りのための競争は不可避です。
競争をするのだからルールが必要でそのためには論文の適否を後から検証する仕組みがあるのは当然ですよね。医療の世界ではカルテの改ざんを防ぐための仕組みとかがどんどん導入されてきています。性悪説に基づいているとしか思えないような感じです。研究もお金に余裕のある人が余暇で行っているといったノリの時は性善説で良かったのかも知れませんが博士号を思っていても就職先の無い場合もある現在ではそうはいかないのかも知れません。
今は論文一つで企業の株価が大きく変動する可能性のある時代です。ウソでも良いから何か論文を出して株価を上げて大もうけしたら後でウソとわかってもお金は儲かったというようなことが実際にあるのかどうかは知りませんがあり得る話だと思います。


何度も引用されるような論文はある程度追試され評価が固まっていると言うことになります。追試の過程で細胞が異なる場合違う結果になったりして一時的に論争になるときもありますが結局両者を止揚するような発見に至ることもあります。
一方一回も引用されない論文もあります。発表してもだれも追試をしてくれない論文はいくらおかしなことをしていても誰にも批判されません。でもこれはさびしいです。こんなことなら研究などしないほうがましです。

なかなか難しい問題ですね。
最後は尻切れとんぼですみませんでした。


論文の信頼性に問題、遺伝子研究で生データなし…東大 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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2005年09月11日

Sep 11

今年もSep. 11がめぐってきました。当時米国の東海岸に住んでいたので直接の被害は無かった我が家でも一連の出来事はいまでも話題に上ります。
当日はBaltimore市も快晴でした。いつものように7時前に研究室に到着して実験の準備をして電気泳動をはじめたくらいの時にTwin towerに飛行機が衝突したという話がlabで広がり皆でInternetでそのnewsを確認しました。程なく二機目のnewsが流れ事故では無いことがはっきりしてきました。結局ペンタゴンにも一機とペンシルベニアで原因不明の航空機の墜落がnewsとして伝わってくるに及び誰の犯行かはわかないまでもこれはテロであるという認識をみなが持つようになっていました。BaltimoreはペンシルベニアとDCの途中に位置しBaltimoreが標的にされるとしたらJohns Hopkins Univ.でのシンボル的なDomeがその第1候補であるという噂もささやかれていました。

ぼくはといえば、電気泳動を終えgelを乾燥させオートラの準備をして帰宅する頃には午後3時くらいにはなっていたと思います。I83を北上するわけですがほとんど他の自動車が走っていないことに気付きました。このような自体では家族で固まると言うことが彼らの行動様式なのだなと考えました。

炭疽菌騒ぎが近くの郵便局で起きたとかくらいで日常生活が影響を受けたと言うことはありませんでした。飛行場で人を出迎えるときにゲートまで入ることができなくなりました。影響としてこれが個人的には一番大きかったような気がします。
情報はほとんど新聞から得ていました。New York Times は長い期間にわたって報道を立体的に続けていたと思います。現在でも当時の記事などにアクセスできます。このころから時間もあったということもありかなり熱心なNYTの読者になりました。少なくともいま日本で新聞を読む時間よりはるかに長い時間を新聞を読む時間に割いていたと思います。

以上、選挙の影響か今年に限っては日本では忘れ去られているSep. 11に関するエントリーでした。

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2005年09月05日

HTLV1-1とATL

Oncogeneという雑誌があります。
ガン研究の専門誌ですが必要があり毎号眼は通しています。

最新号Oncogene - vol. 24 n. 39 はHTLVの特集号です。HTLV-1とはhuman T-cell leukemia virus type -1でATL(adult T-cell leukemia)の原因ウイルスです。
ATLは1974年に淀井らにより報告された後(Letter: Two cases of T-cell chronic lymphocytic leukemia in Japan.)、内山らにより Blood誌に16例の報告をもって単一の疾患概念として提出された病気です。(Adult T-cell leukemia: clinical and hematologic features of 16 cases.
このATLの疾患概念の確立とウイルスの同定・単離( Proc Natl Acad Sci U S A. 1981 Oct;78(10):6476-80, Proc Natl Acad Sci U S A. 1982 Mar;79(6):2031-5.)は日本医学が世界に誇る金字塔だと思っています。私見によればこれは日本医学における空前絶後の業績だと思います。
興味のある方は麻酔科医であってもこの号のreviewを読んでみてください。

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2005年09月03日

65/72

おとといに続き今日も勤め先の当直です。
結局木曜日の朝から日曜日の朝まで72時間の内、7時間だけ家で過ごしただけで残りの65時間は職場にとどまってたということになりそうです。
こういった生活が健康に良いとは思いませんし”非人間的”と言う人もいるかも知れませんががしょうがないです。
幸い今まで朝から緊急の仕事は入ってきていないのでcomputerの前に座って作業が継続できています。

何とか今日中に二つ仕上げてしまいたいです。

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2005年09月01日

数学の事情

今日は当直です。
さっき最後の麻酔が終わりました。このまま明日の朝まで何もないことを祈っています。

京都大学付属図書館のofficial bulletinは”静脩”と言います。
vol.41 no2/3の特集は
"特集 学術情報・電子ジャーナルシンポジウム
でした。
京大図書館主催の同名のシンポジウムの内容をまとめたものです。
今日偶然に目にして非常にためになるよい特集だと思いました。

基調報告の一つ
国際学術情報流通基盤整備事業の現況
国立情報学研究所教授   安 達 淳

は日本の学会がだす雑誌をいかに強くするかという内容です。
麻酔学会のえらい人たちも、これを読んで様々な努力をすべきだと思いますね。

さておもしろかったのは数理研の森重文先生の話です。
数学では


数学論文の特徴ということで言いますと、
論文の引用半減期、寿命だと思っていただければ
よいのですが、これが非常に長い。他の分野と比
べて非常に長い。具体的な数字は、統計資料と言
われると分かりませんが、たとえば数十年前の論
文とか100年前の論文が、歴史的価値でなく、学
術的理由で引用されるということが日常茶飯事で
す。その当然の帰結ですが、バックナンバーの利
用度が高い。

とのこと
また

一方、例えば物理で
Physical Review Letterという雑誌はページ数
が非常に多くて、年に何千ページという量が出る。
研究者はそれを読むことを期待されている。そう
すると、何千ページか読みますと、他のものは何
も読めません。評価してもらうためにはそこに投
稿するしかないという状況の様です。それに比べ
ると、数学というのは、ひとつには寿命が長いし、
数学者は極楽トンボなのかもしれませんけど、ち
ゃんとした仕事をして、ちゃんと発表しておけば、
ちゃんと評価される。そういう能天気なやり方で
やってきて、実際にそれで機能してきています。

なのだそうでうらやましいです。

もっとも数学などは特権的な学問で、大学の数学教室に属する人たちはそれだけですでに選ばれた人たちだという事情もあるかも知れません。
医学、生物学など別に大した才能など無くとも何とか論文を出すことはできますし、だからこそ”差”をつけるためにimpact factorとか計算せざるを得ないと言うような寒い現実があるのではないかと思います。

この号の”静脩”は
静脩目次 Vol.41
ここから読めます。

投稿者 hif1 : 22:12 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月22日

8月22日は特別な日

8月22日は我が家にとって特別な日です。

6年前のこの日にぼくの研究の都合で米国に家族で渡った日だからです。

上の子は二年生で下の子は幼稚園に行く前。
とても暑い日でした。安全を期して京都駅から”はるか"で関空に向かうためにアパートを出たのが午前9時くらいでした。見送りは下のタオル屋のおばあちゃん。タクシーに乗ってスーツケース2個で出発しました。
NorthWest機で米国に到着。ミネアポリスで入国。その後BWIまで飛んで行きました。二人の子らも一度にこんなに長い間飛行機に乗るのは初めてでしたがよく頑張ったと思います。

空港は"9/11"の以前でしたので空港のゲートの出口までA君が迎えに来てくれていてそのまますでに決めたあった、というか決めて頂いていたアパートに直行。すでに冷房が入ってとても心地の良い部屋に布団まで用意して頂きとてもすんなりと米国での生活が始まりました。
ボルチモアも良い天気でほぼ完全なまん丸い月が出ていたのは今でもよく覚えています。

投稿者 hif1 : 00:01 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月20日

牛丼 @なか卯

なか卯 - Wikipediaが牛丼をはじめていることを先週知り今日食べました。
久しぶりになか卯で牛丼と”はいからうどん”を堪能しました。
以前京都にいたときは、実験の帰り夜中の1時とか2時くらいに一乗寺のなか卯で食べていました。

京都時代はなか卯とあかつきが深夜によく行く店でした。”あかつき”の奥さん元気でしょうか? まだ店に出ているかな。こっちは開店当初から出入りしてました。初めの歳は大晦日とか正月もやっていたという記憶がある。

投稿者 hif1 : 21:21 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月15日

明日は送り火

またまた昨日の朝から40時間くらい院内にとどまっています。
さすがに電池切れなので帰ります。

明日の送り火の時間までに総説は仕上げると決意しました。

投稿者 hif1 : 23:07 | コメント (0) | トラックバック

比叡山見えず

今日というかすでに昨日も、朝から当直。木曜日から予告された手術のために16時まで働いていました。
研究室からの比叡山はガスで全然見えませでした。

さっきまでがんばったおかげで、総説の作業も目処がついてきました。火曜日には完成してe-mailで送って何度かやりとりしたらfinish出来ると思います。こういった仕事はとっとと片を付けて重要な論文の作業にかからなくてはいけません。

今日出勤の途中電車で文藝春秋を読んでいました。一番おもしろかったのは立川談志と宮藤官九郎の対談”落語ブームなんてしらねェ”でした。少し前から始まっている連載”昭和天皇”もまあまあ。
アメリカにいるとき
Hirohito and the Making of Modern Japan
を読みました。アメリカでもとても当時話題になっていました。
この連載もこれに匹敵するようなものになるのかどうか興味があります。
ついでに
Emperor Of Japan: Meiji And His World, 1852-1912
も紹介しておきます。
両方とも日本語訳があって
それぞれ
昭和天皇 (上)

明治天皇〈上巻〉
昭和天皇の方の日本語版は読んでいませんが明治天皇の方は読みました。

投稿者 hif1 : 02:59 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月12日

天気はどうだったのでしょうか

結局昨日の朝から通算で40時間ちかくエアコンで管理されたエリアにいます。
外が暑いかどうかさえ分からないし、太陽が出ていたのかさえ解りませんでした。これが健康に良いはずはないと思いますがどうしようもないです。
結局総説の作業もたいして進まずで明日すこしがんばる以外にありません。明後日はすでに予定の手術が日曜日に関わらず入っているし。今日はもうよく頭が廻らないので家に帰ってとにかく飯を喰ってシャワーを浴びて寝ようと思います。

大学院時代は好きなだけ実験ができました。週に一回のアルバイト以外は夜中の3時まで実験していても次の日は10時くらいまで寝坊できた。こんな良い環境は無かったと思います。
よく考えたら二年ほど前までいた某中央官庁管轄の独法研究所も同じような感じでした。好きな時間にいって好きな時間まで実験、研究をする。腹が空いたら自転車で家に帰りご飯を食べてついでに近所のプールで泳いでまた研究室。ホントよかったですね。

投稿者 hif1 : 22:42 | コメント (0) | トラックバック

UFOのソースが..

このところ原著論文を書くのは一休みして総説を書いています。

書くという能動的な作業でいままでの曖昧な知識が整理されて確かに”勉強”になるのですが、如何せん時間が足りません。今日も当直でぼくの胸算用では20時から作業にかかれると思っていたのが二時間遅れ。研究室に帰ったら返事を書かなくてはいけないmailがたくさん。そうしている内に当直PHSに電話。また朝まで働くのかと思ったら某病棟からV-lineを取るように命令。日曜日も当直ですが朝から”緊急”手術が入ることが今日から決まっているしな..

またこんな総説いくら書いても一文にもならないという問題点もあります。日本の商業誌なら日本語で書いて良いししかも原稿料がもらえるんですが、だからといって断るわけにもいかないし困ったものです。

まあとにかく早く仕上げてそのころにはdataがそろう別の論文の執筆にかかろうと思います。

腹が減ったのでUFOを食べようとしたらソースがケーシーに飛んでしまいかなり不様。もう一つは昨日洗濯に出したばかりだし困ったものです。

投稿者 hif1 : 01:27 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月09日

比叡山

研究室から比叡山 が望めます。時計台は見えないものの方向的にはそれを越えた位置からですのでかなりいい角度です。ベストと言っても良いかもしれません。
最近、夕立というか、スコールというかそんな大雨が続いていましたが、一気にかき曇り比叡山が見えなくなり驟雨のあと立ち現れてくる過程はとてもダイナミックで見応えがあります。
ぼくらの研究室に来たらこんな比叡山が望めるのですが...

因みに職場からは如意ヶ岳がこれまた一望できます。この高さまた近さから五山送り火を鑑賞できる場所は他に無いと思います。
入局してくれたらこの絶景が皆さんの手にはいるのですが...

投稿者 hif1 : 10:55 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月08日

脚光を浴びる

昨日家でNHK教育の番組:芸術劇場を見ていたらのだめカンタービレが紹介されてました。
なぜか我が家で皆で読んでいます。

番組の中でNHK交響楽団の人が良いことを言っていました。
正確に覚えていないのですが”業界に脚光が当たり世間の人に注目されるようなこと、今回はコミックが大当たりするようなこと、がおこると非常にやる気が出てくる”と言うような意味のことを言っておられました。
まさにそうだと思います。
自分が研究している分子なりがある論文をきっかけに脚光を浴びていく、その過程に居合わせられたらそれはそれで幸せだと思います。

投稿者 hif1 : 23:45 | コメント (0) | トラックバック